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VRMMOの錬金術師  作者: 湖上光広
第二章:新たな力
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第五十一話:第二の遺跡

本編の再開です。

本日もCWOにダイブする予定だが、それよりも重要なのは今日から始まる期末試験だ。まあ、初日の科目は得意科目なので問題ない。


それ以上に問題なのは入り口近くの空席だ。それ以外は全席生徒がいるのにそこだけ誰も座っていない。当然空いた席の持ち主は努だ。


「さて、今日から期末でみんなも気合が入っているだろう。……一人を除いてな」


にこやかな笑顔が持ち味の我らが担任にもさすがに怒気が見える。アイツ期末終わった後生きていられるのだろうか?




そんな感じで期末一日目は無事終了。特にトラブルも無く解答用紙が回収されている。


「どうだった?」

「お、委員長。今日は生徒会はいいのか?」

「さすがにこの時期に仕事はないわよ」


そういえば委員長もCWOプレイしていたよな。クエストについて訊いてみるか。


「委員長はクエストどこまで進んでる?」

「クエストなら全く進めてないわよ。学生は学業優先ですから」


普通なら冗談って笑う所だけど委員長が言うと冗談に聞こえないから不思議だよな。


「冗談よ。昨日ようやく遺跡が一つ攻略終わったところよ」

「……え? 冗談だったの?」

「まあ、勉強している時間のほうがCWOしている時間よりも多いのは事実だけどね」

「よくそれで攻略できたな」

「正しくは私が所属しているパーティーの力ね。私は支援型だから」

「そうなのか。なんて名前?」

「それはナイショ。まあ、あなたの親友ほどの知名度はないから言ってもわからないと思うけど」

「そうか。ちなみに親友じゃないぞ」


どう考えてもあいつは悪友どまりだ。


「それじゃ、私はこれで」

「ああ、俺も帰るよ」


さて、帰ってCWOにダイブしますか。




やってきましたCWO。今日スワンとリボンは欠席。明日は苦手な教科なので勉強するそうだ。


「さて、今日は近くの遺跡に行ってみますか」

「そうですね。また戦闘なのでしょうか?」


アリアさんの問いには答えられない。こういう時に何か言うとフラグになるらしいからな。


そしてモンスターに襲われることも何かトラブルが起こることも無く無事遺跡に到着。最初の遺跡は茶色だったけど今回は灰色みたいだ。


「今回はゴーレムがいないみたいね」

「となると扉解除には別の試練があるのかしら」


俺達は警戒しながら扉に近づく。そしてそっと押してみると普通に開いた。


「罠?」

「罠ですかね?」

「罠でしょう」

「罠ね」


全員の意見が一致したところで【看破】発動。視界の先に移る通路が真っ赤に染まりました。間違いなく何かがありますね。


「こういう時は誰かを生贄にしないといけないのでしょうか?」


アリアさんが発言すると視線が俺に集まる。まあ、NPCは死んだらそれまでだから当然だよな。


意を決して足を進めようとすると誰かが肩に手を置いてきた。


「さすがにそれはだめよ」

「でもティニア。他に確かめる方法が無いよ?」


しかしティニアさんはアリサさんの問いに「問題ないわ」と答えると先ほど歩いてきた森の中に入っていった。


数分後、戻ってきたティニアさんの手にはどこで捕獲したのかウサギみたいなモンスターが握られている。

そしてためらうことなくウサギ型モンスターを通路へと放り投げるティニアさん。その途端通路に穴が開き哀れなウサギ型モンスターは「ピィ~~~」と泣きながら穴へと落ちていった。


「「「……」」」

「これで先に進めますか?」


恐る恐る確認するとまだ先のほうは赤く染まっている。そのことを告げると再び森の中に入りさらなる生贄を持ってきてはポンポン罠の中へと放り投げるティニアさん。


通算五匹目を投入した後でようやく赤い部分が消えたことを告げる。


「さて、これで先に進めますね。ついでにお金ももらえたのでラッキーでしたね」


どうやらシステム的にこれもモンスターを倒したことになったらしく罠が解除されるごとにティニアさんの頭上からセルが落ちてきた。

躊躇なくそれを腰に下げた袋に入れていくティニアさんとそれを呆然と見ている俺達。


「なあ、ティニアさんって容赦しない性格なのか?」

「遊女の方々への指導は厳しくしてると聞いたことありますけど……」

「私はノーコメントで」


アリサさん、いったい何があったんですか? いや聞きたくないですけど。




入り口の通路から想像はしていたがその先も罠だらけ。しかも入口の扉が閉まってしまったので今回は先ほどのような生贄作戦が使えない。

となると罠覚悟で進むかなんとかしてこの罠を解除するしかない。


「それにしてもおかしな試練ですよね」

「おかしいってどういうこと姉さん?」

「先ほどもそうですけど、普通こういう何らかの試す場所の罠って解除する専門の人じゃなければ解けないほど難しいモノなのですか?」

「つまり、罠を解くための何かがあるってこと?」

「多分ですけど」


アリサさんの意見を聞き、自分たち近くも【看破】で視てみると一か所だけ青い部分を発見。【看破】を解除し普通の視界に戻ったところで見てみると掘られたような文字があったので読んでみる。


「『この先進みたければその手に光を灯せ』?」


内容からすると光が必要なようだが【光属性魔法】なんて持ってない。さてどうするかと思ったら急に視界が明るくなった。


振り返るとNPCの皆様が全員手のひらを光らせていた。


「え? なにそれ?」

「魔力制御です。アルケさんは見るの初めてですか?」


魔力制御? そんなスキルあったかな?


「私たち妖精族は魔法が得意な種族ですけど訓練無しで使えるような種族ではありません。こうやって手に魔力を集めてそれを維持するのは幼い頃に倣う最初の魔法なんですよ」


つまり、その魔力制御は種族固有のスキルということだろうか? エルフ族でもできそうだな。


これで何とかなるか試してみようと【看破】を発動させるも相変わらず赤いまま。しかし一番罠に近い位置にいるアリサさんの近くは赤い場所が少ないことから三人だけならここを突破可能ということだ。


となると残る問題は俺だ。スキル枠は空いてないから【光属性魔法】は習得できない。そして魔法は使わないから魔力制御なんてできるわけがない。


そこからしばらく考え込んで思いついた策がコレである。


「なんとかなった……」

「なったじゃないですよ! 今すぐ回復しますから!」


光ならば問題ないと思って〝ライジンディスク″を手に持った状態で手を叩く。その衝撃で〝ライジンディスク″が発動し、その光で何とか罠を解除させた。

当然HPは削られていくので途中ポーション石で回復させながらなんとか渡り切った。……もう二度としたくない。


HPが全回復したのを確認した後、次の扉を開ける。今回は【看破】には何も反応が無かったが、部屋の奥に像が数体置かれている。

近づくと天井から声が聞こえてきた。


「『試練を乗り越えた者達よ、我らが示すモノを捧げよ』」


それだけを告げると声はそれ以降聞こえなかった。像に近づいてみると手前にある三体の像はそれぞれ剣・盾・槍の武器を持っている。しかしどの武器も穂先が欠けていたり、柄の部分が途中から無かったりと飾られる像としては中途半端な造りになっている。


「つまり、それぞれの武器を差し出すということでしょうか?」

「そうだとしたらこの試練は無理ね」


アリサさんの言う通り今は突破できない。盾なら俺が持っているが〝翡翠の盾″を差し出すわけにはいかない。


「となると一旦ここから出て剣・盾・槍をどこからか買ってくるしかないですね」

「あるいはこの場所から調達するかね」


あれ? 何か嫌な予感がするような……


「ここで武器って買えるモノなの?」

「他の客人もここに来ているようだし、あとこういう所に収めるモノってただの剣じゃないでしょ?」

「つまり、この遺跡に来る前に別の遺跡で剣・盾・槍を確保する必要があるということか?」


そういえばキーアイテムの数は5つとログインする前に確認してきたクエスト紹介ページに書かれてたな。つまり、この遺跡は最後にクリアする遺跡ということか。


仕方ないので一旦遺跡から出ることにした。

その際、〝ライジンディスク″で苦労した抜けた部屋の入り口近くの火のついたろうそくを見た途端「これで木の枝か何かに日を灯せばもっと楽にクリアできたのでは?」と発したアリアさんの一言で俺の気力が0になりそうになった。

ちくしょう。

次回の更新ですが、早くても来週の火曜日になると思います。

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