ネオンテトラは勇躍す 2
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2001年4月に発足した、大泉内閣。
圧倒的な国民の支持により、郵便事業や道路公団の民営化に邁進する、有名な内閣だ。
大泉 太一郎総理。
堂々とした立ち振る舞いと、端的でわかりやすい言葉で語りかける、政治家には珍しいタイプで、演説がとても上手かった。
不良債権処理には、大学教授であった松原 光堂を財政担当大臣に任命し、聖域なき構造改革を掲げて、容赦なく銀行の再建に取り組むことになる。
その劇薬のような政策は、当然のように金融不安を招くこととなり、日経平均株価は、下落の一途を辿っている。
投資家にとっては、株価を乱高下させる迷惑な人たち、という印象だが、2000年代後半に向けた景気の浮揚は、不良債権処理が迅速に達成されたことによる、と言われている。
実際どうだったかは、俺には何とも言えない。
【シクリッド】の太客である砂池翁も、財務大臣に任命され、メディアによれば、老体に鞭打って忙しそうにしている。
あまり【シクリッド】に顔を出さなくなったらしいので、多分そうなんだろう。
【シクリッド】と言えば、2001年に、会員制のバーに移行した。メグと相談したんだが、客層が超VIPと一般客で二分されるのが、状況的に宜しくないと判断した。
初見の酔っ払い客がたまたま来たりすると、どうも居心地の悪い雰囲気になってしまう。
メグは酔っ払いと話すのを苦にしないタイプなので、少々残念そうではあった。
なので看板も外し、隠れ家バーへと移行した。
スタッフは、元々高齢だった茂木さんが、流石に辛くなってきたと言う事で、与田さんという、中年のバーテンを紹介してもらい、茂木さんは週2くらいで教育に来る程度の出勤になった。
また、メグの後輩コネクションから、キャバクラに合わなかった20歳くらいのギャル系女の子を二人、専任で入れた。
昼間働くのは嫌だが、夜職なら真面目に働く人種、というのが一定数いる。そういう子の受け皿になるなら、それはそれで良いんじゃないかな。
俺としては困ったことに、奥の小部屋を追い出された。
予約制のVIPルームにするんだそうな。
居心地良かったんだけどな……。
もう俺、家から出ないんじゃないかな。
ITバブル崩壊が進んでいた米国では、巨大なIT企業が二社も粉飾決算で倒産し、バブル崩壊が決定的となった。
俺は、この時を待っていた。
何年か後に、スマートフォンという革命的なガジェットを発売して、世界に冠たる企業となる、【Dappler】。
今は、アーティストが好むオシャレPCを売っている、そこそこの企業だ。
ITバブル崩壊で株価は低迷、投げ売り状態。
とてもお買い得なので、こつこつと買い集めている。
来年までかける予定だ。
妙子は積極的に米国での人脈作りを行い、2001年には、シリコンバレーで現地法人【ブラックエンゼルUS】を設立した。
パートナーは、通信大手の【XY&AB】のグループ企業。
7:3の出資比率で、社長には俺。
副社長が妙子で、実務を取り仕切る。
駐在員は、ステラさん。
そう、【バタフライアクセス】のスタッフだ。
元々シリコンバレーで何年か働いていたこともあり、現地スタッフの採用やマネジメントを任せている。
そして妙子は早速、前々から仕込んでいた投資を行う。
当時、DVDのネット販売で急速にシェアを伸ばしていた、【Jettmax】と言う会社。
CEOは、トニーさんという長身のアメリカ人で、元エンジニアだ。資本に少々不安を抱えており、折りからの不況もあって、信頼できる投資家を探していた。
一時は会社の売却も検討していたそうだが、上手くいかず、上場する方針に切り替えたらしい。
例によって妙子にメロメロで、投資には二つ返事でOKしたそうだ。やれやれ。
数年がかりで人脈を伸ばし、【シリコンズ ゴールド】のようにIT起業家やエンジニアにウケの良いビジネスを展開していたことも、プラスに作用した。
俺の二つ名、預言者も利いたとか何とか……。
話を聞いた時に仰け反ったのだが、この【Jettmax】、後に映像配信の世界的な大手に成長する会社だ。
今は正直、どうなるかわからないくらいのラインでビジネスをしている。
2001年中に、一株3ドルで120万株。5億円の投資を行った。
今年の暮れには上場する予定らしいので、楽しみだ。
その他、お付き合い程度の出資はしつつも、大きい動きはしていないので、USはのんびりと数人で回している。
【Jettmax】のモデルはネ◯トフリックスです。
【Dappler】は言わずもがなですね。




