ネオンテトラと極彩の王 37
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「宜しかったので?」
「ん?何が?」
もはや俺専用の秘書みたいになってる雪村。
今回も守衛のように入り口に立っていたのだ。
勿体無いから、自分の仕事してて欲しいのだがな……。
「社長にしては歯切れが悪く感じましたが。
海老谷様がメディアに投資を仕掛けるのを、心良く思っていないのでは無いでしょうか?」
「ん?んー……」
鋭いのも考えものだな。
「海老谷さんのようなタイプは、自分の意思を何より優先するんだ。自分で決める、というところに価値を感じるんだな。源一さんや蒲田さんとはタイプが違う」
源一さんはボンボンだから、一度信用した人の言うことなら、割合素直に話を聞いてくれる。美点ではあるのだが、占い師やクソコンサルに騙されやすいのもこのタイプだ。蒲田さんは無駄なく活かすことしか考えてない。
海老谷さんのような山師タイプは、乗るか反るかの選択において、人の影響を受けない事を重要視する。
自分で決めた事だから、失敗しても納得できるって事だな。
ある意味潔癖症というか頑固と言うか、まぁ尊敬する。
だからこそ、海老谷さんしかり、アンしかり、時代を引っ張る経営者を多少なりとも応援したいと思うのだが、それは傲慢なことなのかな?
「だから、ぼんやりした物言いの方がいい。
どちらの選択肢も存在するということを、認識してもらえればそれだけで良いのさ」
「はあ、そういうものですか」
雪村は、その長いまつ毛をパチクリとした。
「そういうものだ」
「【救世主】様のお言葉であれば、間違いないのでしょう」
「やめてくれよ」
【預言者】ですら重荷なのに。
すみません、ここで一区切りして少し書き溜めるお時間を頂きます。




