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パンクジャズ  作者: 林広正
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 エイガに対しての知識もまた、形のある本から得たものだった。俺は形のある本に出会う才能があったんだろうな。形のある本は、紙で作られている。劣化が激しいから、その存在が後世に残りにくいんだよ。文明以前の世界ではそんな紙に頼っていたようなんだ。だからそんな形のある本が残されていることはとても珍しいんだ。しかも、今の世界は文明以前の文化を毛嫌いしている。その本当の理由は俺には分からないが、まぁ、単純に嫉妬しているんだよ。古い文化を今更真似るなんて恥ずかしいんじゃないか? 世の中の考え方なんて所詮はそんな程度なんだよ。

 形のある本は、世界でもまだ、数冊しか発見されていないはずだ。しかしそれは、表面上での話なんだけどな。俺が持っているその二冊は、当然その中には含まれていない。他にも沢山発見されているのは明らかだ。なんせこの俺でさえ、その二冊以外にも手に入れているんだからな。音楽やエイガもそうだが、それ以外にも突然生まれた新しい文化はきっと、そんな文明以前の本を参考にしているはずなんだ。全くの無から、新しい文化を生むのは難しい。そういった文化は、長い時間をかけて変化を繰り返し、成熟するもんなんだよ。

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