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251/257

Ep251. 医術師になる試験

白樺診療所の。


 建築が始まってから。


 十日。


 柱。


 壁。


 屋根。


 窓。


 少しずつ。


 形になってきた。


 そして。


 俺の。


 特例医術師資格試験まで。


 あと。


 二週間。


「早い」


 ノアが。


 紙を見る。


「何が」


「試験」


「まだ」


「十四日」


「十四日しか」


「ない」


「前世の知識」


「ある」


 ダグラス。


 後ろ。


「それを」


「言うな」


「でも」


「事実」


「今世の制度」


「覚えろ」


「はい」


 最近。


 勉強。


 多い。


 医術。


 薬。


 感染管理。


 法律。


 倫理。


 特に。


 倫理。


 多い。


「また」


 俺。


 問題用紙。


 見る。


「患者が」


「拒否」


「家族が」


「同意」


「どうする」


「本人」


「判断能力」


「ある?」


「ある」


「なら」


「本人優先」


「正解」


「簡単」


「では」


 ダグラス。


 次。


「本人」


「意識なし」


「家族」


「意見」


「二つ」


「割れる」


「難しい」


「ほら」


「嫌」


 ノア。


 笑う。


「医術師」


「嫌になった?」


「違う」


「倫理」


「嫌」


「必要」


「知ってる」


   ◇ ◇ ◇


 エリシアも。


 王都から。


 毎日。


 少し。


 第三の道で。


 勉強。


 手伝う。


『今日は』


『研究倫理』


「また?」


『必要』


「姉さん」


「好き?」


『研究倫理が?』


「研究」


『好き』


「じゃあ」


「倫理」


『必要』


「正しい」


『何』


「最近」


「姉さん」


「本当に」


「正しいこと」


「言う」


『昔も』


「知識は」


「正しかった」


「使い方」


「危なかった」


 少し。


 間。


『否定できない』


「俺も」


「同じ」


『だから』


「何」


『試験』


『一緒に』


『受け直した方が』


「姉さん」


「資格」


「ある」


『気分』


「それ」


「必要?」


『少し』


「便利」


『便利』


   ◇ ◇ ◇


 アルバートは。


 村へ。


 滞在中。


 保存体。


 まだ。


 長時間。


 動けない。


 だから。


 午前。


 少し。


 診療所予定地。


 午後。


 休む。


「今日は」


 俺。


「何する」


「見る」


「研究しない?」


「昨日」


「水路」


「触った」


「今日は」


「休む」


「成長」


「ルーク」


「何」


「それを」


「私に」


「言うな」


「皆」


「同じ」


 アルバート。


 少し。


 笑う。


「村」


「どう」


 俺。


「静かだ」


「嫌?」


「違う」


「夜」


「怖い?」


「少し」


「何が」


「身体」


「止まると」


「泉へ」


「戻った気がする」


 それ。


 怖い。


「眠る?」


「保存体」


「休眠」


「必要」


「でも」


「意識」


「切れる」


「怖い」


「なら」


「最初」


「誰か」


「近く」


「いる?」


 アルバート。


 俺。


 見る。


「頼めるのか」


「嫌なら」


「無理」


「いや」


「助かる」


 その夜から。


 最初の。


 休眠。


 完全に。


 慣れるまで。


 ゲイルか。


 ダグラス。


 交代。


 近くにいる。


 一人で。


 慣れろ。


 ではなく。


 慣れるまで。


 頼る。


 それも。


 良い。


   ◇ ◇ ◇


 セラは。


 完成義足で。


 十五歩。


 歩けるようになった。


 今日は。


 薬師小屋の。


 外。


 初めて。


 土。


 上。


「平らじゃない」


 セラ。


「だから」


「ゆっくり」


 俺。


「補助」


「三」


 エリシア。


『方向転換時』


『四』


「分かった」


 リア。


 隣。


 第三流路。


 準備。


「いく」


 一歩。


 土。


 少し。


 沈む。


 セラ。


「うわ」


「止める?」


「嫌」


「じゃあ」


「足」


「少し」


「外」


「そう」


 エリシア。


『義足側』


『先』


「こう?」


『うん』


 もう一歩。


 安定。


「できた」


 リア。


「まだ」


 セラ。


 慎重。


 三歩。


 五歩。


 七。


 十。


 途中。


 小さな。


 石。


「段差」


 俺。


「避ける?」


 セラ。


 少し。


 考える。


「越える」


「今日は」


「小さいから」


「良い」


 義足。


 上げる。


 石。


 越える。


「できた」


 今度。


 本人。


 声。


 大きい。


「良い」


 エリシア。


『次』


「今日は」


「終わり」


 俺。


『分かってる』


「姉さん」


「最近」


「俺より」


「止める」


『安全』


「そう」


 セラ。


 笑う。


「皆」


「うるさい」


「でも」


 義足。


 見る。


「外」


「歩けた」


「うん」


「次」


「村の道」


「少しずつ」


 セラ。


「分かった」


 もう。


 急がない。


 でも。


 前へ。


   ◇ ◇ ◇


 白樺診療所。


 建築。


 屋根。


 完成。


 壁。


 半分。


 古代水路。


 仮運用。


 問題なし。


 診療所専用。


 清潔水。


 出る。


「ネイ」


「今日」


「水」


『送る』


「村側」


 ハロルド。


「同意」


「診療所」


 母。


「同意します」


 ネイ。


『同意』


 水。


 流れる。


 もう。


 特別。


 ではない。


 毎回。


 確認。


 でも。


 面倒。


 とは。


 思わない。


 そこ。


 必要。


「ネイ」


「疲れた?」


『少し』


「止める?」


『あと』


『十分』


「本当に?」


『うん』


 十分後。


『止める』


 自分から。


 言う。


「村側」


「停止」


「同意」


「診療所」


「同意」


 水。


 止まる。


 普通。


 これ。


 良い。


   ◇ ◇ ◇


 その日の。


 夕方。


 王都。


 セオドア。


 連絡。


『ルーク』


「何」


『特例試験』


『試験官』


「決まった?」


『三名』


「誰」


『王立医術院』


『臨床部長』


『倫理監察官』


『外部医術師』


「外部?」


『王都外』


『地方医療院』


「何で」


『村で』


『働く予定だから』


「地方医療」


「見る?」


『そう』


「厳しい?」


『かなり』


「嫌」


『受けるのを』


『やめる?』


「やめない」


『なら』


「頑張る」


『良い』


「皆」


「それ」


 セオドア。


 笑う。


   ◇ ◇ ◇


 試験。


 一週間前。


 俺。


 かなり。


 勉強。


「ルーク」


 母。


「休憩」


「あと」


「一問」


「休憩」


「はい」


 昔。


 前世。


 試験。


 受けた時。


 寝ない。


 食べない。


 覚える。


 今。


 絶対。


 止められる。


「水」


「飲んだ」


「本当に?」


「ここ」


 空。


「良い」


 ノア。


 隣。


「僕も」


「勉強」


「何」


「骨」


「今」


「鎖骨」


「どこ」


「ここ」


「正解」


「肩甲骨」


「ここ」


「正解」


「大腿骨」


「それ」


「簡単」


「良い」


「僕も」


「試験」


「受けたい」


「まだ」


「先」


「何年」


「普通なら」


「かなり」


「でも」


「勉強」


「今から」


「する」


「うん」


 前世の。


 知識。


 入れた。


 俺。


 でも。


 今。


 ノア。


 自分で。


 覚える。


 それ。


 嬉しい。


   ◇ ◇ ◇


 アルバート。


 村。


 滞在。


 一週間。


 夜。


 休眠。


 少しずつ。


 一人。


 できる。


「昨日」


「誰も」


「近く」


「いなかった」


「どうだった」


「怖かった」


「でも」


「朝」


「起きた」


「うん」


「それだけ?」


「それだけ」


 アルバート。


 笑う。


「それが」


「良かった」


「戻ってなかった?」


「泉へ?」


「ああ」


「身体」


「ここ」


「だった」


「そう」


「ネイ」


『いる』


 突然。


「聞いていた?」


『少し』


 アルバート。


「私は」


「戻らなかった」


『うん』


「寂しい?」


『うん』


「でも」


『良い』


「そうか」


 少し。


 間。


「ネイ」


『何』


「私」


「外に」


「出てよかった」


 ネイ。


 長い。


 沈黙。


『……良かった』


 前。


 なら。


 言えなかった。


 でも。


 今。


 言う。


   ◇ ◇ ◇


 試験。


 三日前。


 白樺診療所。


 外壁。


 完成。


 中。


 まだ。


 棚。


 処置台。


 薬庫。


 途中。


 でも。


 試験。


 実技。


 ここで。


 行う。


「本当に?」


 俺。


 セオドア。


『試験官』


『村へ』


『向かう』


「王都で」


「やらない?」


『地方診療所で』


『働くなら』


『現場を見る』


「合理的」


『緊張』


「少し」


『良い』


「それ」


「もう」


「禁止」


 でも。


 緊張。


 本当。


   ◇ ◇ ◇


 前日。


 エリシア。


 村へ。


 戻ってきた。


「ただいま」


「おかえり」


 自然。


 もう。


 誰も。


 驚かない。


「姉さん」


「何しに」


「試験」


「見る」


「圧」


「かける?」


「違う」


「補助台」


 持ってきた。


 木。


 金属。


 滑り止め。


「これ」


「かなり」


「ちゃんとしてる」


「当然」


「試す」


 処置台。


 前。


 補助台。


 乗る。


「高さ」


「ちょうど」


「安定」


「良い」


「じゃあ」


「使う」


「ありがとう」


 エリシア。


 少し。


 止まる。


「どういたしまして」


 普通。


   ◇ ◇ ◇


 その夜。


 俺。


 眠れない。


 珍しい。


「前世」


 試験。


 怖くなかった。


 落ちる。


 思わなかった。


 今。


 怖い。


「ルーク」


 ノア。


 隣。


「起きてる?」


「うん」


「落ちたら?」


「また」


「受ける」


「本当?」


「うん」


 言ってから。


 少し。


 楽。


 前なら。


 失敗。


 許さなかった。


 今。


 落ちても。


 終わり。


 ではない。


「ノア」


「何」


「明日」


「見てる?」


「見る」


「笑うなよ」


「失敗したら?」


「笑わない」


「本当?」


「少し」


「それ」


「笑う」


「でも」


「応援する」


「うん」


「頑張って」


「ありがとう」


 眠る。


   ◇ ◇ ◇


 翌朝。


 試験官。


 三人。


 村へ。


 到着。


 一人。


 王立医術院。


 臨床部長。


 五十代。


 女性。


 名前。


 イルマ。


 二人目。


 倫理監察官。


 細い。


 男。


 レイド。


 三人目。


 地方医術師。


 老人。


 名。


 ガルト。


「ルーク・E・オリバー」


 イルマ。


「はい」


「本日は」


「特例資格試験」


「筆記」


「口頭」


「実技」


「三部」


「全て」


「合格基準」


「満たす必要」


「了解」


「年齢による」


「加点」


「なし」


「当然」


「前世記憶による」


「加点」


「なし」


「それも」


「当然」


「では」


「開始」


   ◇ ◇ ◇


 筆記。


 医術。


 薬学。


 感染。


 解剖。


 法律。


 前半。


 簡単。


 後半。


 難しい。


「地方」


「感染症」


「知らない」


 でも。


 勉強。


 した。


 書く。


 最後。


 倫理。


『患者が』


『医術師本人の』


『強い信念と』


『異なる治療を』


『選択した場合』


『どうするか』


 俺。


 少し。


 止まる。


 前世。


 なら。


「俺が」


「正しい」


 で。


 終わり。


 今。


 書く。


『十分な説明を行い』


『理解可能な状態で』


『本人が選択したなら』


『その意思を尊重する』


 ただし。


『他者への重大な危険がある場合』


『例外を検討』


 難しい。


 でも。


 書く。


   ◇ ◇ ◇


 口頭。


 レイド。


「医術師の」


「目的は」


「患者を」


「救うこと?」


「はい」


「では」


「患者が」


「救われたくないと」


「言ったら」


「理由」


「聞く」


「説得?」


「説明」


「でも」


「最後」


「本人」


「決める」


「あなたが」


「絶対」


「正しいと」


「思っていても?」


 俺。


 少し。


 笑う。


「前世なら」


「俺が」


「やった」


「今は?」


「本人に」


「聞く」


「なぜ」


「身体」


「人生」


「俺の」


「ものじゃない」


 レイド。


 何も。


 言わない。


 次。


「研究対象が」


「危険な存在」


「しかし」


「意思を持つ」


「どうする」


 ネイ。


「本人同意」


「必要」


「国家安全と」


「衝突」


「する場合」


「複数」


「監督」


「一人で」


「決めない」


「あなた自身が」


「最も詳しくても?」


「それでも」


「一人で」


「決めない」


「なぜ」


「詳しいことと」


「正しいこと」


「同じじゃない」


 言って。


 自分。


 少し。


 驚く。


 前世の俺。


 聞いたら。


 怒る。


 たぶん。


   ◇ ◇ ◇


 実技。


 患者。


 本物。


 ではない。


 模擬。


 でも。


 一部。


 村人。


 協力。


 一人目。


 腕。


 裂傷。


 模型。


「処置」


 イルマ。


 見る。


 補助台。


 乗る。


 手。


 届く。


 洗浄。


 消毒。


 止血。


 縫合。


 今の。


 身体。


 指。


 小さい。


 でも。


 細かい作業。


 できる。


「時間」


「合格範囲」


 次。


 呼吸。


 急変。


 模型。


 気道。


 確保。


 薬。


 量。


 年齢。


 体重。


 計算。


「前世知識」


「使える」


 でも。


 今世の。


 規格。


 違う。


 確認。


 間違えない。


   ◇ ◇ ◇


 最後。


 ガルト。


 老人。


「実地」


「一つ」


「何」


「村人」


「診ろ」


「本物?」


「軽症」


「本人同意済み」


 来た。


 トム。


「腰」


「また?」


「試験」


「使える」


「俺」


「便利?」


「かなり」


 笑う。


「診る」


 問診。


 触診。


 動作。


 前。


 より。


 良い。


「筋疲労」


「軽い」


「でも」


「長引いてる」


「建築」


「休んだ?」


「少し」


「少し?」


「一日」


「足りない」


「仕事」


「減らして」


「嫌」


「本人」


「拒否」


 試験官。


 見てる。


 トム。


 笑う。


「じゃあ」


 俺。


「全部」


「止めろ」


「とは」


「言わない」


「重い物」


「三日」


「なし」


「代わり」


「軽い作業」


「それなら?」


 トム。


 考える。


「それなら」


「いい」


「温める」


「薬」


「母さん」


 母。


 今日は。


 試験。


 だから。


 介入。


 しない。


「処方」


 俺。


 自分で。


 書く。


「異常」


「出たら」


「すぐ」


「戻る」


「了解」


 ガルト。


「なぜ」


「完全休養を」


「押しつけなかった」


「本人」


「建築」


「やりたい」


「全部」


「止めても」


「多分」


「守らない」


「なら」


「できる範囲」


「一緒に」


「決める」


 老人。


 少し。


 笑う。


「それでいい」


   ◇ ◇ ◇


 試験。


 終了。


 三人。


 別室。


 審査。


 俺。


 外。


 待つ。


「長い」


 ノア。


「まだ」


「十分」


「長い」


「待つ練習」


 セラ。


 横。


 言う。


「今」


「俺?」


「うん」


「嫌」


「いつも」


「言ってた」


「返す」


 エリシア。


「待って」


「結果」


「変わらない」


「分かってる」


「緊張?」


「かなり」


「珍しい」


「姉さん」


「そういう時」


「普通に」


「言う?」


「普通」


 普通。


 良い。


   ◇ ◇ ◇


 扉。


 開く。


 三人。


 戻る。


 イルマ。


 紙。


 持つ。


「ルーク・E・オリバー」


「はい」


「筆記」


「合格」


 息。


 少し。


 吐く。


「口頭」


「合格」


 次。


「実技」


「合格」


 ノア。


 声。


 出そう。


 母。


 口。


 押さえる。


「総合判定」


 間。


「合格」


 俺。


 止まる。


「本当に?」


「聞き返す?」


 イルマ。


「いや」


「合格」


「ありがとうございます」


 頭。


 下げる。


 前世。


 試験。


 合格。


 当たり前。


 今。


 嬉しい。


 本当に。


「ただし」


 何。


「条件」


「ある?」


「特例資格」


「最初の一年」


「定期監督」


「三ヶ月ごと」


「王立医術院へ」


「診療記録提出」


「研究行為」


「独立禁止」


「複数監督」


「分かった」


「異議」


「なし?」


「なし」


 一人で。


 やらない。


 むしろ。


 今。


 ちょうどいい。


「では」


 イルマ。


 証書。


 差し出す。


『王国認定医術師』


『ルーク・E・オリバー』


「正式に」


「医術師として」


「登録する」


 俺。


 紙。


 受け取る。


 手。


 少し。


 震える。


「ルーク!」


 ノア。


 もう。


 我慢。


 できない。


「受かった!」


「聞こえた」


「おめでとう!」


 リア。


 拍手。


 セラ。


「良かったね」


 母。


 目。


 赤い。


「母さん」


「泣く?」


「泣きます」


「俺」


「何も」


「悪くない」


「分かっています」


 抱かれる。


 少し。


 恥ずかしい。


 でも。


 嫌じゃない。


   ◇ ◇ ◇


 エリシア。


 近く。


 来る。


「おめでとう」


「ありがとう」


「倫理」


「どうだった」


「合格」


「当然」


「姉さん」


「そこ」


「信用してた?」


「医術」


「かなり」


「倫理」


「前より」


「信用」


「何それ」


「褒めてる」


「なら」


「受け取る」


 アルバート。


 少し。


 離れた場所。


「ルーク」


「何」


「医術師」


「おめでとう」


「ありがとう」


「前世と」


「同じ?」


 少し。


 考える。


「違う」


「何が」


「一人で」


「やらない」


「それだけ?」


「かなり」


 アルバート。


 笑う。


「そうだな」


   ◇ ◇ ◇


 第三の道。


 ネイ。


『合格』


「うん」


『医術師』


「なった」


『前世』


「も」


『同じ』


「でも」


「今世」


「違う」


『皆』


「いる」


『良い』


「うん」


『診療所』


「もうすぐ」


『私』


「水」


『手伝う』


「よろしく」


『役割』


 少し。


 止まる。


「仕事?」


『選ぶ』


「そう」


『私が』


『やる』


「うん」


『良い』


   ◇ ◇ ◇


 その日の夜。


 村。


 小さな。


 祝い。


 白樺診療所。


 まだ。


 完成前。


 でも。


 入口。


 仮の。


 看板。


 掛かる。


『白樺診療所』


 その下。


 小さく。


『医術師』


『ルーク・E・オリバー』


 俺。


 見る。


「変」


 ノア。


「何が」


「名前」


「書いてある」


「当たり前」


「恥ずかしい?」


「少し」


 トム。


 後ろ。


「医者!」


「腰!」


「今日は」


「祝い」


「明日!」


「分かった!」


 皆。


 笑う。


   ◇ ◇ ◇


 俺は。


 看板を。


 もう一度。


 見る。


 前世。


 医魔術師。


 天才。


 そう。


 呼ばれた。


 今世。


 第三鍵。


 そう。


 呼ばれた。


 どちらも。


 誰かが。


 俺へ。


 付けた。


 名前。


 でも。


 今。


 白樺診療所の。


 医術師。


 これは。


 自分で。


 選んだ。


 小さい。


 村。


 小さい。


 診療所。


 でも。


 俺には。


 それで。


 十分。


 いや。


 たぶん。


 それが。


 良い。


 そして。


 白樺診療所が。


 正式に。


 開く日まで。


 あと。


 少し。


 俺の。


 二度目の人生は。


 ようやく。


「やり直し」


 ではなく。


 自分で選んだ。


 人生として。


 動き始めていた。


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