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【第15話】デート その3

「え、えええっ!ウミちゃん、見てたんですか!?

 ……ずっと?」


ツキ子姉は赤くなった頬に両手を当てた。

ええい、やめんか。


「ウミ…… 俺がロボコンをやることを理解してくれとは言わない。

 でも、こんなことはやめろ。

 お前はお前のことを一生懸命やれよ。」


これはお兄さま、ご高説どーも。

だが、そんなことはわかっていてやってるんだよ!


「お兄のやりたいことって何なの?

 彼女が欲しかったの?モテないから空手やめたの?」


すべてを破壊したい衝動に身を任せ、あたしはまくしたてる。


「何がロボコンよ!

 今日なんかツキ子姉といちゃいちゃしてただけじゃない!」


一度開いた口は止まらない。

あたしの脳は快楽に支配されてフルスロットルだ。


「ヌクドナルドのときのお兄なんてみたくなかった。

 お兄、弱くなったよ!

 もうあの変なロボットがないと、体一つじゃ戦えないんでしょ!」

「ウミ、お前な……。」

「ウミちゃん!」


あたしを制したのは、意外にもツキ子姉の声だった。

今までに聞いたことがない厳しい声。


「私のことをどう思おうが自由です。

 でも、みんなのロボットや、

 ロボットで戦うリクくんの思いを踏みにじるのはダメです。」


ぐうの音も出ないど正論で、言葉に詰まる。

わかってる。今のあたしは最悪だ。

でも。


「あたしは…… あたしは、そんなの知らない!」


我ながら情けないと思いつつ、捨て台詞を残して家のほうに走った。

そのときだった。


「ウミ!」

「ウミちゃん!」


体全体を揺らすような、大きなクラクション。

視界いっぱいに広がるヘッドライト。


大きな車が、あたしの目の前に迫っていた。


ああ、くそ。

これが最期ならこんな尾行用の厚着じゃなくて、

もう少しかわいい服を着ておくんだった。

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