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巡りて、また君へ  作者:
第一章 悪夢と朝は共存できない
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プロローグ

生暖かい感触が腕に伝った。

どろっとして気持ち悪い手放してしまいたい心底そう思うのに腕が手放すことを赦してくれない。


__「――――」


手放すことさえ出来ず俺の腕に抱かれた金色の少女の表情は霧がかったように見えなかった。

なにか言ったように見えたが、ノイズがかかり聞こえることはなかった。 

少女の手は俺の頬に触れた。

金色の少女の血濡れた手は血なのか少女の温もりなのか暖かった。

___ 最期に少女の口が動くのが見えたでもその言葉を知ることは俺には出来なかった。

頬に触れた手の温もりが消え、そして力が抜けたと言わんばかりに手が落ちた。


________

朝の光が明るくて、少年は夢から醒めた。

目覚めた少年は頬に不快な感覚があることに気付いた。

少年の頬には涙が伝っていた。

「……なんで、泣いてんだ?」

少年は怪訝そうな顔をして、雑に涙を拭った。 

少年に哀しいことなどひとつもないのに、胸はなにかを失ったようにぽっかりと空いたような気がしたがそれはきっと気の所為だと少年はその気持ちを忘れることにした。


___少年は見た夢をなにひとつ覚えていない

気持ちのいい朝と悪夢は共存することを許されないのだから。

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