第48話:星降る砂漠の宮殿。……推しのルーツは「一途すぎる愛の結晶」でした
一週間連続披露宴、第四日目。
湊さんは「ここからは二人きりの時間だ」と宣言し、私をプライベートジェットで中東の砂漠の真ん中に建つ、白亜の宮殿へと連れ去った。
そこで待っていたのは、神宮寺家の前当主夫人――湊さんの母親、神宮寺 冴子だった。
「……湊、花音さん。……よくここまで辿り着いたわね」
彼女が静かに語り出したのは、神宮寺家とKYLOの血筋にまつわる、衝撃の真実。
「……神宮寺の男たちは、あまりに一途すぎて愛を独占しようとした。……だから、あえて一族を『光』と『影(支配者)』の二つに分け、愛を分散させようとしたのよ。……でも、運命は一人の女性に集まってしまった」
(……分散させるための兄弟!? でも、結局二人とも私を推して(愛して)る……っ!)
「……ふん、下らん小細工だ。……母上、俺の愛は『光』にも『影』にも分けられない。……すべてが彼女(花音)に向けられた、ただ一つの太陽だ」
湊さんは母親の前であっても、私の腰をぐいと引き寄せ、首筋に深く顔を埋めた。……供給。……一族の呪縛さえも「下らん」と一蹴する、圧倒的な「叛逆者の推し顔」の供給。
「……さて、母上。……昔話は終わりだ。……今夜、俺は彼女と『真の結魂』を行う。……邪魔はさせない」
湊さんは私を横抱きにすると、星空が天井に見える砂漠のテラスへと運び出した。
……絶景。……黄金の砂丘を背景に、月光を浴びて理性を失いかけている「野性的な旦那様」の供給。
「……花音。……聞いたか。……俺たちは、出会うべくして出会った。……俺が君を、これほどまでに壊したいほど愛しているのは、血の宿命ではなく、俺自身の魂が、君を求めて叫んでいるからだ」
湊さんは私の服をゆっくりと寛げ、肌に直接、熱い、熱い誓いの痕を刻み込んでいく。
……天然。彼は「確認」をしているつもりだろうが、その手つきは、砂漠の熱風よりも熱く、私を自分の色だけで塗り潰そうとする狂信的な独占欲に満ちていた。
「……ん、んぅっ……! 湊、さん……っ、……好き、です……っ!」
「……知っている。……だから、一生俺の腕の中で、俺の愛だけを呼吸していろ。……君の未来も、君の過去も、すべて俺が買い取ってやる」
(……ひ、ひいいいっ! 出生の秘密が『永遠の愛の契約』になって、私の心臓が熱砂のように溶けちゃう!!)
神宮寺湊の「天然な傲慢さ」は、ついに「一族の宿命」を飲み込み、私を「宇宙で唯一の、愛の生贄」へと捧げてしまった。
私の『推し活OLライフ』は、ついに『二人に分かたれた愛を、一人の男として結び直した覇者に、24時間365日の猛攻を受け続ける』という、全オタクが前世で全宇宙の平和を確定させ、かつ神に転生したとしても体験できない「最終局面」へと突入したのだった。




