14:火の国:ルボトス
『騎士のソニア 【14:火の国:ルボトス】』
木々を進む中、ジメジメとした森に入っていた。
熱帯雨林だ。
この先に灼熱たる国がある。そう思わせる気温をすでに感じる。
―シュアアアア!!!―
(皆)「…!!!」
硬く頑丈な大地が広がる。熱に焼かれ、屈強に日々を生きた地面が。
―火の国:ルボトス―
(リットリオ)「流石に熱いな…。」
「大丈夫なのか?」
「体力に自信はある。それに、スーツはただ着るものじゃない。ヒーローにとっては、自分の象徴でもある。」
(ポゼ)「ねぇ。」
ポゼが言うその先には、気球のような形をした小型の物体があった。
「なにこれ?」
「祭りですよ。」
「風習だ。ルボトスには、死者に想いを送る“冥火祭”がある。そのための物だろう。」
(ソニア)「…。」
「どうした?」
(ヤチェリー)「…なんでもないよ。」
「…。すまん、やはり休んでいいか?やっぱり暑かった。」
「あぁ…。」
―スタッ…。スタッ…。―
灼熱たるその国に一瞬だが、冷たい空気が広がった…。
休みたいと言うリットリオのため、宿を探す。
「おい。少し来い。」
ソニア達の列から少し離れ、リットリオが風花に話す。
「はい。」
「知ってたか?」
「いいえ…。」
「お前にも分かるか。あれは、“死人がいる目”だ…。」
ーーーーー
宿へと着いた一行。ソニアとヤチェリーに話題を振ることも出来たが、やる気はなかった。宿のデッキにて…
「あれはだいぶでかいものだ。ラキエルとは違う。」
「しばらく一緒にいるので分かりますが、あそこまで凍りついたことはないですよ。」
「僕には分からないや…。でも、とっても怖いものだとは思うよ。大切な人が消えても、生きていかなくちゃならないこと。」
「お前達はないように見えるが。」
「えぇ。」
「…いや、パネルで見たな。風の化身が死んだと聞いたぞ。」
「そうですが、まだ可能性はあります。彼の心臓を取り戻せたのなら…。」
「リットリオは?」
少し沈黙があっが、リットリオは話してくれた。
「正確に言うのなら俺ではないがな。だから、俺にも分からない。生きる目標である存在が消えた時、どう歩んでいくのか…。」
「冥火祭には行くのかな?」
「あいつら次第だな。」
火の国:ルボトスへと到着したソニア達。
それぞれが、いつもより長い夜を過ごしただろう。
―宮殿―
―ドス!ドス!―
王が住む宮殿を、巨体のゴーレムが進んでいる。
―ザッ!!!―
王がいるその扉の前、少数精鋭の戦士達が立っている。
(ハルドピサラ)「俺だ、メイド隊。」
(カリデュピス)「ハルドですか。どうでしたか?」
「ネオ・ランドの復興。少しだが、終わらせてきた。まだ何度か物資を運びに移動するが、“ゼノ”に伝えたい事があって来た。」
「分かりました。」
―ゴゴゴゴゴ!!!―
巨体のゴーレムである、ハルドピサラより大きな扉が開かれた。
(炎王:ゼノ・グランオー)「ハルドか。」
「戻ったぞ、炎王。」
「すぐ戻るのか?」
「あぁ。だが物資を積んでいたとき、いい話を聞いた。」
「ほぉ。気になるな。」
「ネオを救ったヒーローが、ルボトスにいるそうだ。」
「…!」
火を背負うゼノ。その威厳は老いてなお輝いている。
そしてこのような、興味のある話に惹かれるのも、若い時と変わっていない。
「そうか…。なら、会いに行く!!!」




