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騎士のソニア  作者: 深緑蒼水


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14/27

14:火の国:ルボトス

『騎士のソニア 【14:火の国:ルボトス】』


木々を進む中、ジメジメとした森に入っていた。

熱帯雨林だ。

この先に灼熱たる国がある。そう思わせる気温をすでに感じる。


―シュアアアア!!!―


(皆)「…!!!」


硬く頑丈な大地が広がる。熱に焼かれ、屈強に日々を生きた地面が。


―火の国:ルボトス―


(リットリオ)「流石に熱いな…。」

「大丈夫なのか?」

「体力に自信はある。それに、スーツはただ着るものじゃない。ヒーローにとっては、自分の象徴でもある。」

(ポゼ)「ねぇ。」


ポゼが言うその先には、気球のような形をした小型の物体があった。


「なにこれ?」

「祭りですよ。」

「風習だ。ルボトスには、死者に想いを送る“冥火祭”がある。そのための物だろう。」

(ソニア)「…。」

「どうした?」

(ヤチェリー)「…なんでもないよ。」

「…。すまん、やはり休んでいいか?やっぱり暑かった。」

「あぁ…。」


―スタッ…。スタッ…。―


灼熱たるその国に一瞬だが、冷たい空気が広がった…。

休みたいと言うリットリオのため、宿を探す。


「おい。少し来い。」


ソニア達の列から少し離れ、リットリオが風花に話す。


「はい。」

「知ってたか?」

「いいえ…。」

「お前にも分かるか。あれは、“死人がいる目”だ…。」


ーーーーー


宿へと着いた一行。ソニアとヤチェリーに話題を振ることも出来たが、やる気はなかった。宿のデッキにて…


「あれはだいぶでかいものだ。ラキエルとは違う。」

「しばらく一緒にいるので分かりますが、あそこまで凍りついたことはないですよ。」

「僕には分からないや…。でも、とっても怖いものだとは思うよ。大切な人が消えても、生きていかなくちゃならないこと。」

「お前達はないように見えるが。」

「えぇ。」

「…いや、パネルで見たな。風の化身が死んだと聞いたぞ。」

「そうですが、まだ可能性はあります。彼の心臓を取り戻せたのなら…。」

「リットリオは?」

少し沈黙があっが、リットリオは話してくれた。

「正確に言うのなら俺ではないがな。だから、俺にも分からない。生きる目標である存在が消えた時、どう歩んでいくのか…。」

「冥火祭には行くのかな?」

「あいつら次第だな。」


火の国:ルボトスへと到着したソニア達。

それぞれが、いつもより長い夜を過ごしただろう。


―宮殿―


―ドス!ドス!―


王が住む宮殿を、巨体のゴーレムが進んでいる。


―ザッ!!!―


王がいるその扉の前、少数精鋭の戦士達が立っている。


(ハルドピサラ)「俺だ、メイド隊。」

(カリデュピス)「ハルドですか。どうでしたか?」

「ネオ・ランドの復興。少しだが、終わらせてきた。まだ何度か物資を運びに移動するが、“ゼノ”に伝えたい事があって来た。」

「分かりました。」


―ゴゴゴゴゴ!!!―


巨体のゴーレムである、ハルドピサラより大きな扉が開かれた。


(炎王:ゼノ・グランオー)「ハルドか。」

「戻ったぞ、炎王。」

「すぐ戻るのか?」

「あぁ。だが物資を積んでいたとき、いい話を聞いた。」

「ほぉ。気になるな。」

「ネオを救ったヒーローが、ルボトスにいるそうだ。」

「…!」

火を背負うゼノ。その威厳は老いてなお輝いている。

そしてこのような、興味のある話に惹かれるのも、若い時と変わっていない。

「そうか…。なら、会いに行く!!!」

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