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1の2 花の国 ソメイヨシノ

花の国編始まります。

夢を見た、黄昏れに染まる塔の上。死にゆく仲間たちの悲鳴、後悔、怒号。


数多の人間たちの波を斬り払い、数多の血を浴び、数多の矢を身に付け、数多の悪意の刃に身体を刻まれた。不意に自分の手を見る、その手には青く光る剣があった。そして見てしまう、足元を転がる仲間たちの亡骸…


「うあああ!!」


声をあげながら飛び起きたマールは、暗闇の中で何度も顔を触れる。身体は暑くもないのに汗でびっしょりだった。


「ゆめ…?」


マールは激しくなっている動悸に息を荒げていた。


「マール?大丈夫ですか?」


その隣でランプの小さな光の下、いつものように亜人の図鑑を眺めながらコーヒーを手にしたカイトが目を丸くしている。


「カイト…ここは?」


「え?花の国へ向かう船の中ですよ?今は夜です」


カイトとマール今、ゼノリコのお使いで花の国へ向かう船の客室にいた。花の国への航路は短くても三日はかかるとされ、今日は初日の夜となる。つい先程ベリドゥから戻ったカイトとマールは、ゼノリコにより捕獲され休む暇を与えずこの船へと放り込んだ。


この船はバゼラードの造船技術を大いに取り入れたベルラート唯一の鋼鉄の艦船で、現代の駆逐艦に近い造形をしている。とは言ってもこの船には特に武器などは無い、それもそのはず、この艦船は、もともとゼノリコがゼオラを連れて新婚旅行に行くために拵えた代物だったのだという。自由奔放なゼオラが2人での旅行を酷く嫌がったが為に、今まで一度も使われた事はなく、ただ維持費もバカにならないため、港を訪れた冒険者達の宿泊施設として使われていた。


「大和ホテル…」


因果である、規模は桁違いではあるが自分のいた世界で同じ末路を辿った戦艦を思い出したのだった。


「コーヒー飲みます?」


さっきまで泥のように寝ていたマールは唐突に飛び起き、何やらずっと落ち着かない様子で周囲を警戒している。


「……」


返答はない、いつもならいらない!っと拒絶するのだが、今はそれどころでは無さそうだった。


「ふむ…」


カイトは誰かを呼ぼうと立ち上がる。


「いっちゃだめ!!」


マールに掴まれ、再び座らされる。


「そこにいて…1人にしないで…」


そこでカイトはマールの手に触れる、酷く冷たい。普段から体温の高いマールからは考えられない冷たさだった。


「君、何かした?」


カイトはマールの右腕に巻かれた青い水晶の腕輪に問いかけた、当然だが無機物が返答を返すわけがない。


「怖い…」


マールはカイトにしがみつき、何かに怯えて泣き出した。カイトは一先ずマールを落ち着けようと背中に手を回して抱きしめると、そのままマールが落ち着き再び眠るまでジッとしていた。


程なくしてマールは再び寝息を立て始めると、カイトはマールをベッドに寝かせる。


「ふむ…水…貰ってきますか…」


冷や汗でびっしょり濡れているマールを見て水差しを貰いに行こうと席を立つカイト、しかしカイトは何かに引っ張られている事に気づく、見れば、眠ったマールの手がカイトの服を強く握りしめている。


「はあ、分かりましたよ…」


カイトは諦めてマールの手を包むと、マールのては服からカイトの手を掴む、カイトはそのままマールの隣で横になると、目を閉じた。


朝、夜明けと共にマールは目覚めてカイトを叩き起こし、甲板へ連れ出した。甲板にはベルラートの礼服に身を包んだゼノリコお抱えの使い達がおり、様々な食べ物や飲み物を提供している。


「カイト様」


1人の使用人がカイトの側へとやってきた。


「ゼノリコ王から言伝があります、この船の使用料は毎日金貨5枚じゃ、わかったら即払え…だそうです」


「ああ、はい、だろうと思いました…」


カイトは卑しく笑うゼノリコを脳裏で思い浮かべながら使用人の手に金貨5枚を差し出した。


「マール様はこの甲板に有るものでしたら好きなものを好きなだけ利用して良いとゼノリコ王に言われております、全部カイトから貰うとの事です」


「ほんと!?やったー!」


マールははしゃぎながら、早速豪快な肉の串焼きを貰いに言った。


「……」


「どうなさいました?」


カイトの表情に使用人は気にかける。


「いえ、何でもありません」


カイトは作り笑いを浮かべ、使用人からレモネードを受け取ると、側にあるベンチに腰掛けた。


その視線の先ではマールが大きな肉の塊を両手にはしゃいでいる。


マールは昨晩のことを何一つとして覚えてはいなかった、カイトが何を聞いても首を傾げるばかりであった。


「あれはなんだったのだろう…」


そう考えていると、急に船が大きく揺れた。


「なに!?」


カイトは驚き、甲板にいた使用人たちも走って揺れた原因わ探りにいく。


「あ、あれ!」


すぐさま原因を見つけたマールが指を差す。その先には真っ赤な鮮血に染まる海と巨大な生物の死骸が右舷に衝突していた、生物は現代には存在しない奇怪な姿をしており腹を抉られ内臓を食い荒らされていた。


「海魔だ…」


使用人の1人が恐怖に引き攣りながら言葉を吐いた。見れば深い海のそこを異様に大きな影が素早く巡回し、船の周りを周回し始めた。


「やべえ!こっちに狙いを定めやがった!」


使用人の1人が声を荒げ、焦るように吠える。


「うっし…」


急にマールがそんな事を言い出すと、いきなり服を脱ぎ裸になった。


「ちょ!いきなりなにしてるの!?」


「何って、あいつを仕留めてくるの!」


「だからって裸になる必要ある!?」


「海に入るんだから服着たままじゃ濡れちゃうじゃん!」


そうだった、この異世界には水着の文化はまだ無いのだ。そんなことは今はどうでもいい、もっとやばいことを言っていた。


「てか今、海に入るって言った!?あんなでかい怪物が喰われちゃうような相手だよっ!?」


「あいつ、この船に狙いを定めてるよ?あいつにぶつかられたらこんな船1発で沈められちゃう。大丈夫だよ!よくやってたから」


よくやってた?いつ?とカイトは信じられずに見ていると、マールは裸のまま軽い準備運動をすると、大剣を手に持ったまま海へと飛び込んだ。


ドバンとマールが飛び込んだ音が響く、瞬間、マールの飛び込んだ音に反応した海魔が瞬く間に飛び込んだマールへ襲いかかる。飛び込んで数分、待てど暮らせどマールは一向に息継ぎには現れない。


「マール?」


カイトが心配しかけた次の瞬間、ドーンと激しい発破音が聞こえ激しい爆発にもにた水柱が立ち上がると、マールが甲板に帰ってきた。


「ぷはー!」


マールは大きく息を吸い込み、手にした大剣を甲板の床に突き立てた。みればその左腕には異様に大きな赤身の肉の塊が握られている。マールはその塊を甲板へ雑に放る。


「海魔の心臓、焼いて食べると美味しいんだ!昔、爺様と海に行ってはよく取ってたんだよね!!」


わーお、ワイルド、この野生児めっ!マールは使用人達からタオルを渡され身体を拭う。カイトはジッと裸のマールを見つめるわけにもいかず、目のやり場を求め、そして今マールが上がってきた水面に目を向ける事にした。先程まで縦横無尽に高速で泳ぎ回っていた巨大な魚型の海魔がちょうど浮いてきて、先程自分が食い荒らした海魔の横へ並ぶ。


「何見てるの?」


ようやく着替えたマールが側に来てカイトの目線を追いかける。


「肉は食糧にできないんですか?」


カイトの疑問に、マールは渋い顔をする。


「あいつのお肉美味しくないよ?僕も勿体無いと思って食べたことあるけど…」


腹に入ればみんな同じと言い、万人は好んで食べず虫すら喰わないイノブタの肉を好んで食うレベルのマールを持って不味いと言わせる魚型海魔の肉には逆に興味をそそったが。


「ね!心臓焼いて食べよ?」


マールに笑顔でカイトの手を引いて甲板に放られた心臓の塊に向かって行った。彼女が美味しいと太鼓判を押した海魔の心臓の丸焼きは、確かに歯応えが良くその食感は牛タンのそれに近かった、薄い塩味でも充分に満足できるそんな味だった。


そこから二日、カイトとマールは大した襲撃に襲われることもなく(航海に飽きたマールが度々海に飛び込み、逆に海魔達を襲撃していた事は除く)、無事に花の国の近海へと辿り着いた。


「あれが花の国がある島!?」


マールは眼前に広がる島に興奮して声を荒げる、カイトも使用人から借りた双眼鏡を使い島を確認する。


「ええ、そのようですね」


カイトの双眼鏡の先には浜辺が映る。


「!!?」


カイトは双眼鏡に映る光景に驚愕する、浜には数十キロに渡る高さのある坊類(防御構築物)が築かれており、その上に実に大きく縦に細長い和弓を構える戦士達が並んでいた。


「みんな伏せろ!!」


カイトが叫ぶと同時に、浜辺が見えるか辺りまで接近したカイトたちの艦船に無数の矢の雨が降り注ぐ。


使用人達はカイトの指示で素早く伏せることが出来たため、事なきを得る。もしも一瞬でも判断が遅れていれば矢は確実に乗組員や自分にも刺さっていただろう。それだけ正確なものだった。


「熱烈な挨拶じゃん…」


マールはというと、レイによる1月の訓練の成果なのか、自分に飛んでくる矢を次々と掴みとっては捨てている。


「一度沖まで逃げましょう」


カイトの言葉に、マールは首を横に振る。


「無理っぽい、小船が沢山きた」


正確な矢の雨で甲板の動きを封じながら、小船による強襲部隊の投入。まるで元寇のモンゴル側のような状態である。


「マール!矢をなんとかできる?」


「おっけー!やってみる!」


マールは背中の大剣を手に取ると、飛んでくる雨のような狙撃を凄まじい剣捌きで次々叩き落とし始めた。


「非戦闘員は今のうちに中へ!扉は鍵を掛けて下さい!絶対に開けないで!死にますよ!!」


そうしている間に接近した小舟から、甲冑を来た小柄な男達が次々と甲板へ飛び乗ってくる。


「マール!あっち!」


カイトはマールを甲板でちょうどよく沿って矢に狙われない位置を見つけると其処を背にする形で男達と向き合った。一人一人がカラフルな色をした甲冑には個性があり、外見的な統制はまるで無い、しかし、一糸乱れない群の動きでジリジリと間合いを詰めてくる。


「カイト!前に出ないでよ?」


「マール!彼らは絶対殺さないで!」


カイトの言葉にマールは訝しむ。


「はあ?でも相手、冒険者だよ!?」


「私達は戦争をしに来たんじゃないんです、殺しちゃったら戦争になっちゃう」


「キエエエ!!」


会話の隙間を縫うように、甲冑の男が手にした太刀を振り上げ襲い掛かる。マールはその一振りを紙一重に避けて足をかける。


「どわあ!」


甲冑の男は勢い殺せずに床に倒れ顔面を強打する。


「わかったよ!」


マールは倒れた男の手にした刀を素早く蹴飛ばし、自分の大剣を看板に突き立てた。


「こいやー!」


そう力いっぱいに吠えた。それを見た甲冑の男たちは怒りを露にする。


「小娘、素手で相手をしようだと?舐めおって!!」


「無礼である!これは死合ぞ!!」


「許さぬ、その首、俺が貰う!!」


口々に叫びたてると、一気に全員で切り掛かって来た。一糸乱れぬ精錬された群の動きは見事の一言だった、一人一人が強者であり無駄は一切存在しない。


「殺さないって…難しいなあ…」


ただし、唯一の懸念は、今回の彼らの相手は、圧倒的な個を持ったマールであったということ。マールは一番前に出ていた1人の腕を掴み取ると、凄まじい怪力で男を振り回したのだ。いくら小柄な体型とはいえ甲冑を身につけ太刀を持っているのだからその重さは相当なものである。マールは男の身体をいつも使っている大剣の様に振り回し、向かってくる甲冑姿の男たちを次々はっ倒す


「ぐはあ!」「ぬああ!!」


甲冑の男が倒れると、その男の足をつかみ、手にしていた男を放り捨てて次々と包囲している男達を薙ぎ払う。


「矢!!」


カイトが叫ぶとマールは足を止めて身を引く、その顔すれすれを複数の矢が素通りしていく。


「あっぶな!」


マールは驚いて身を引く、攻めに転じすぎた結果、マールは矢の死角から抜けるところだった。


「ちっ…」


甲冑の男達は舌打ちを鳴らす、マールを矢の位置に誘い込もうとしていたのだ。


「やり辛いなあ…」


接近戦では勝てないとと考えた甲冑の男達は、矢の圏内から出てこず、狡猾に動き回ってはマールを誘い出そうとしてきた。流石のマールも、敵にやり辛さを感じて焦ったそうにしている。


「あの!」


唐突にカイトは声をはり、マールより前に出ると両手をあげ、白のハンカチを見せる。それを見た甲冑の1人は空に手をあげ、弓兵の方角に手を向けた。

恐らく待ての合図だろう。カイトはそれを見るといつでも矢が射てる位置に身を乗り出す。


「私はベルラート王の使いでやって来たもので、カイトといいます」


そういうと、その場に座り胡座をかく、それを見た甲冑の男達は動揺し、お互いに顔を見合わせると刀を鞘へ収め、1人が前に出てきてその場に胡座をかく。


「我はソメイヨシノが貴族、カシ・ヒデタカなり」


カシの名乗りを受けたカイトはマールを見る。


「マールも座って?ゼノリコ様がいつもやってる感じの座り方で」


「え!?それじゃいざという時立てないよ?」


「それでいいんです、戦いに来たわけじゃないんですから」


カイトの言葉に、マールは渋々従いその場に座り込むと、それをみた男達もそれに習う。


「他国に我が国の文化を知るものがいるとは驚きました」


シィロと同じような事をカシも言ってきた。


「私は近い文化の生まれですので」


「ハッハッハッ成る程、それは結構ですな」


カイトの言葉にカシは大声で笑い、自ら兜をとり顔を晒す。


「して、そのベルラートなる国の使いが、何故鎖国状態の我が国へ参られた?」


その言葉に、カイトは素直に答える。


「少し前、我が国が魔王軍の幹部を名乗る男による襲撃を受けました。その男の名は、黄昏のグンヒルド」


魔王軍の名前に眉をぴくりとも動かさなかったカシが、グンヒルドの名には反応を示した。


「黄昏のグンヒルドは1000年も前の武人、しかも人理に尽くしたお方と父から教わっておりまする。俄には信じられませんな」


「へ!?おっちゃんたちあいつのこと知ってるの!?」


マールの本来なら無礼な物言いにカイトはヒヤヒヤしたが、カシは特に気にしていない様子を見せる。


「我が花の国は、魔王を討ち払い、人理に尽くした勇者様や英雄達を忘れる事は決してありませぬ。ゆえに、その勇者様達に反旗を翻し無惨に殺害した人間種をみかぎり、鎖国を始めた歴史があるのです」


それが、鎖国の理由。つまり花の国は1000年も前からずっと鎖国を続けており、外国との交流は避けてきたという事だろう。


「して、カイト殿。黄昏のグンヒルド様があなた方を襲撃した事はわかりました。しかし、それは我が国には関係のない事、寧ろ、英雄達を裏切った人間種全ての…自業自得の結果と言えましょう?」


カシは冷徹に坦々と続ける。


「我々としては即刻お帰り願いたいところなのですが…」


「カシ殿」


カイトは不意にカシを呼ぶカシはジッとカイトを睨むように見ると、カイトはマールを指差した。


「彼女の神託を見てください」


そう言われ、カシは不安そうな顔をしながら眉間にシワを寄せマールの頭上を見つめる。


「…何も、見えませぬが…」


カシはそういいかけ、驚愕に目を見開いた。


「カシ殿!おら、じっ様から聞いたことある!勇者様は神託がみえねえって!」


カシよりも早く、すぐ横に胡座をかいていた男が吠えた。やはり知っていた、古書の伝承によると勇者の神託は、普段は秘匿されており見える事はないとされている。1000年前から勇者達に与し、勇者達を教え伝えてきた彼等がその勇者としての一番の特徴を知らない筈がなかった。


「確かに、先ほどまでのお手前、あなた様が勇者である事は疑いようはない」


カシはだが、としめる。


「それだけではいくらでもたばかりようはございます、我はそのようには思いませぬが…」


カシは立ち上がると弓兵の方角に手をかざして腕を大きく回す。


「一先ず、こちらの指示にしたがっていただきたい、よろしいですかな?」


カシはそう言って、カイトではなくマールに伺いを立てる。マールはキョトンとしてからカイトを見た。


「君が決めて、彼らは勇者の指示を待っている」


カイトの返答にマールは頷く。


「うん、わかったよ」


マールの一声でカシたちは姿勢をただし、マールに振り回されて気絶したものたちを手早く回収する。


「いくら勇者様とはいえ、我が国は今、鎖国中に御座います…こんな事を言うのは心苦しいですが。しばし、この場でお待ちいただけますか?」


おそらく自分達の頭目に伺いをたてに行くのだろう、カシはやはり勇者であるマールに伺いを立ててくる。


「う、うん、分かったまってる、ます」


普段からかしこまった言動をしないマールは下手な敬語で頷いた。それを聞いたカシは歯を見せて笑うと、自分達を乗せてきた小さなボートへ戻り元きた方へ戻っていった。


「マール、そろそろ読み書きを覚えた方がいいかもしれませんよ?」


「ええ!!?なんで!?」


カイトの提案に、マールは心底嫌そうな顔をする。何を隠そう、この勇者は、読み書きは愚かナイフやフォークの使い方も知らない。普段から勉強や会話から逃げるのは、考える事が嫌いだからだという。かと言って別に彼女の頭が悪いという訳ではない、戦う事に特化し過ぎた結果なのだろう。


「おそらくだけど、彼らは君が勇者である事に本能的に気づいてる、つまり君の言う事だけは絶対に聞く」


「え?でもさっきは信用出来ないみたいに言ってなかった?」


「国にはメンツがあるんですよ、自分がそう思ったからと言ってホイホイ鎖国中の島に他国の人を招くわけには行かない、だから国のトップに伺いを立ててから国のトップが招くという形を取る必要があるんです」


「うげ…面倒臭っ!」


マールは焦ったそうに舌を出す。そんなマールを見たカイトは、にこやかに船内に逃げ込んだ船員たちを迎えにいく。


「あれ、カイト?またないの?」


マールの問いにカイトは笑う。


「彼らの指揮所はかなり遠くになるでしょう、今から早馬を走らせたとしても三日はかかります。だからある程度はこちらでも準備はしておかないと…マール、君の勉強も含めて」


「うっ!!やだ!」


「花の国のトップは君を招くんですよ?私じゃない、花の国中の人々の前で恥をかきたいなら私はいいけど…」


「いやだああ!!なんで僕が?」


「勇者だからでしょ?」


そこから、カシが戻るまでの三日間カイトはマールにみっちりとマナーや読み書きを熱心に教えた。彼女は嫌々だが着実に学びを進める事となる。そしてカイトの読み通り、マールの地頭は決して悪くは無かった。普段使わない分容量が有り余っているからなのか、はたまたこれも勇者の神託による恩恵なのかは定かではない、しかしマールは一度学んだ事は忘れる事はなかった。とはいえ、三日ではどうにもならずとりあえずなんでも手で食べるマナーだけは卒業させる事に成功した。というよりも、彼女は箸だけは使えた。


「なんで?」


カイトの問いかけに、マールは首を傾げながらもテーブルにおいた小さな豆を拾っていた。


そして、カイトの思った日からわずかに遅れ、カシの手配した使いは三日目の日没にやってきた。使いは白一色の独特な装束へ身を包み、カシ達と同じように渡し舟で艦船のそばまでやってくると、まるで空中浮遊のような身軽な跳躍で船に乗り移る。そしてマールのそばまでやって来る。


「勇者よ、お帰りなさい」


白装束の不気味な集団はマールの前で同時に長い袖で腕を隠し、床に膝をついて同時にそう言った。


やはり、カイトはこの三日間、マールに勉強を教える傍で一つの考えに至っていた。最初の疑問は、なぜ?花の国はそこまで勇者達に与していたのかである。そして簡単すぎる仮説を考えた。


それは、1000年前にいた当時の勇者は、花の国出身であった…というものである。その仮説は、この不気味な白装束集団がこの言葉を口にした事で真に至る。白装束の集団はマールの前で豪華そうな漆の箱を開ける。


「勇者よ、お召し物を用意しました…帝にお会いする前にお着替え下さい」


「え?僕、着方…」


マールが動揺していると、白装束がマールの側に集まると瞬きする間に彼らが用意した服を着せてしまう。彼らが着せたのは純白に眩い朱色の暁が描かれた豪華な着物である。おそらく現代なら300万はするだろう…


「では、こちらへ」


白装束は、流れるような速さでマールだけを連れて行こうとする。


「あ、あの!…」


マールが声をあげると、白装束達はぴたりと止まり統制された動きで膝をつく。


「あの…彼も、一緒が…その…いいんだけど」


マールはカイトを指さすと、白装束達は同時に顔を上げる。


「勇者様のご希望とあらば…」


「お客人、どうぞ…こちらへ」


白装束はカイトの手をとると、マールを誘導した時の丁寧なそれとは違い、力強く引っ張られる。


そんなこんなで渡し舟に乗せられたマールとカイトは、速やかに豪華な漆塗りの馬車へと案内される。


「おい!載せるのは勇者様だけじゃないのか?」


騎手の男が不満気に声を荒げ、一緒に乗り込んだ白装束達は同時に彼を睨む。


「勇者様のご意向だ…」


「無礼だ…」


「殺すか…」


「ああ、殺そう…」


白装束達は騎手に物騒な言葉を吐き出すと、その大きな袖から分厚い刀が生える。


「ちょ!ちょ…冗談だろ!?ま、マジにすんなよ!」


「き!騎手さん、帝様のところまで…あの、お願いします…」


マールは白装束達が本気で騎手を殺す気であることを肌で察し、起点を効かせた事で彼の命を救う。


「はは!」


騎手もその意図を察したのか、素早く鞭を振るうとそれに伴い叩かれた馬が緩やかに前へ進み始めた。

その馬は普通ではなかった、重そうな漆の馬車を引いているのにも関わらずその馬には一切の澱みはない、そしてただ歩いているだけの動作にもかかわらず異常な速度を出したのだ。カイトは以前バゼラードに行く際にブブポンと呼ばれるカバのような生物に馬車を引かれたことがある、ブブポンも歩兵が追従するにはきつい速度で歩くが、この花の国の馬は比較にならない程に早いのだ。カイトの現代にある自動車のようだった。


「カイト!この馬すごく早い!」


マールは楽しそうにそう言った。


「この馬は死霊馬という特別な馬です、夜にしか扱う事はできませぬが…疲れず、補給もいらず、一晩のうちに1000里をかけます」


だから日没にやってきたのかと、カイトは察した。しかしそれだけ早く来ることが出来るなら、何故今夜現れたのだろうか?カイトがそう考えていると白装束の1人が話し出した。


「帝のおわす城までは通常の早馬では二日かかります、ですがこの馬ならば一晩で往復できます」


「しゅげー…!」


マールはそう言って感激していた、その後、程なくしてカイトとマールはソメイヨシノの首都へと辿り着いた。馬車の窓から見える街並みは、まるでカイトのいた世界の映画村のような出立をしている、所々に異世界らしい違いが見えるが、それは材質や小さな齟齬によるものだろう。鎌倉幕府時代のような街並みだったらどうしようかとも考えていたが、カイトの目には江戸から明治初期の間の印象を受ける。様々な戸建ての建物が立ち並び、その中央に大きな城が聳える。


「花の国の都【キョウ】でございます、お帰りなさい…勇者様」


不意に白装束達が声を揃えておかえりなさいと大きな袖を合わせ、首を垂れた。


「う、うん…この馬車の目的地はあのお城?」


マールは実にやり辛そうにしながら話題を切り替えて問いかけると、白装束は頷く。


「はい、ソメイヨシノを纏める帝が住まう城…【ヒガンジョウ】となります」


彼岸…ときたか…カイトは白装束の言葉を聞いて、少しだけ不安な気持ちが湧き上がる。するとマールが手をとってきた。


「カイト、警戒しすぎっ」


カイトの警戒心が顔に出ていたのか、マールに咎められた。


「ありがとうございます、マール」


カイトはそう言ってマールに笑いかけると、マールは頷き、その小さく熱い手が離れた。そして馬車は止まる。白装束達は一斉に馬車を降りると、マールの手を取り、エスコートするように馬車から降ろす。


「ようこそ、ヒガンジョウへ…ささ、キョウの帝シイナ姫がお待ちです…」


夜だというのに白装束は城の中へとマールを案内する、城内に入ってすぐにマールは靴を脱がされ美しい畳の上を歩き階段を登り、迷路のような廊下を抜け、天守閣にある広い畳の間へと通された。天守閣は夜であるというのに非常に明るく、日中と変わらない光量で照らされている、カイトとマールの目の前には障子が設けられ、白装束達がその障子を一息に引く。


「…え?」


マールが驚きの声を漏らす、カイトも動揺していた。そこにいたのは煌びやかな赤い着物に身を包んだ眩い白髪のショートに、透き通るような青い瞳を持った2人にも見覚えのある少女がそこにいた。


「ソメイヨシノの長にして、キョウの帝、そして神子みこのシイナである…良くぞ遠路遥々まいられた、異国の勇者とその従者よ…」


シイロと瓜二つの少女はシイナと名乗ると、体勢は変えずに目だけでマールとカイトを一瞥する。


「こちら、この度我が国へご帰還なされた勇者様、マール様とその付き人であるカイトであります」


白装束はマールとカイトを紹介すると、シイナは小さく頷き、手元のデスクに置かれた赤い小箱を開く。


「良い、下がるがよい」


すると、白装束達は瞬く間に和紙へと戻りて赤い小箱の中へと吸い込まれ、シイナは小箱に蓋をした。


「あ、だから木みたいな匂いがしたんだね」


マールがそういう、マールは彼らが人ではない事を薄々だが気づいていたようだった。それは、カイトの世界では式神と呼ばれるものである、敢えて言葉にしなかったが、カイトは興奮していた。


「では、べるらーとの民とやら。早速だが要件を聞こうか」


シイナは単刀直入に切り出した、カイトたちがその反応にフリーズしているとシイナは苦笑を向ける。


「お主らは勇者帰還のために来たのではないであろう?だから要件をといっている、二度言わすな」


カイトは自らの小物入れから、ゼノリコから預かった書状を取り出すと、シイナに差し出す。


「これを…」


シイナは、書状を持ってきたカイトの手を掴むとその細腕とは思えない力で引き寄せる。


「な?」


「そなた、なかなか良い面をしておる…」


シイナは息が掛かるほどに顔を寄せ、頭の先からつま先まで食い入るように見てくる。そしてまるでカイトの世界にいた生物、狐のように目を細めつつ、カイトの手から書状を奪い取り、カイトを解放した。


「なるほど、魔王の復活に伴う協力要請と来たか…」


シイナはケタケタと印象的な笑いを浮かべデスクに置かれたキセルを口に咥えると人差し指から青い火を灯して薬草に火を付けると一つ大きく呼吸する。その口から紫色の煙が吐き出され、不思議な薬草の臭いが立ちこめる。


「断る」


シイナはそう一言で切り捨てると、ゼノリコの書状を人差し指に灯した青い炎で焼き払う。


「貴様らが勇者に何をしたのか知っていよう?それなのに魔王に攻められたから手をかせだの良く言うたものだ」


シイナはそう言いながらマールを睨む。


「そもそも、妾は勇者だの魔王だのに興味はない。世界が破滅するというのならばその時はその時で、妾は甘んじてその運命を受け入れよう…」


しかしシイナは口を引き裂いて笑う。


「と、いうのが花の国の領主の意見じゃ、しかし神子としての妾は別の考えを持っておる」


シイナはそう言ってカイトに目を向けると再び目を細めた。


「そこな従者よ、名はかいとというたか?」


「はい、え?わたし?」


カイトは呆然としてマールを見みてから再びシイナを見る。


「ちこうよれ」


シイナは目を細めたまま妖艶な仕草で手招きを繰り返す。


「は…はあ…」


カイトは戸惑いながら歩み寄ろうとすると、不意にマールがカイトの外套を掴んで引いた。


「え?マール?」


「行っちゃだめ」


マールは背に回した大剣を掴むとカイトをひっぱり、煙から逃れるように距離を取る、その表情はシイナに対して明らかな警戒をして見せていた。


「ハンカチで口塞いで」


マールはそう言った、カイトは何か分からなかったが言われたように取り出したハンカチで口を塞ぐそしてシイナを見る。


「素晴らしい嗅覚じゃ、匂いで気付きおったか?」


すると、シイナの頭から大きな耳が生え、先程まで座っていた玉座が巨大な尻尾へと変わる。


「その薬草の甘い匂い、嗅いだ人を眠らせる薬だよね?君は亜人?カイトに何をするつもりだったの?」


マールの言葉にシイナは肩をすくめ首を横に振る。


「一つ訂正せよ、妾を亜人のように人種を殺し尽くす下賎な輩と同義にするでない、不敬である」


シイナはわずかに苛立ちを見せ、手にしたキセルを握り潰し床に捨てる。


「妾は帝なり、このソメイヨシノの子らを古くから見守るもの…そうさな、古人こじんとでも呼ぼうかのう?」


自らを古人と名乗ったシイナは立ち上がり、みるみる形を、その姿を、変形させていく。シイロと瓜二つの外見からは想像もできない妖艶な女性の姿となりそれに伴いシィロの薄い身体に見繕われた服ははち切れんばかりに膨らみ、支えきれない豊かな胸の谷間が服を押しのけ姿を現す。


「本来の姿にこの服はいささかきつい…まあ、お前にはそれくらいのサービスはくれてやってもよいだろう」


そう言ってシイナの熱を帯びた視線はカイトへと向く、カイトは目のやり場に困り、顔を赤くしていた。そんなカイトの様子にマールは不機嫌そうに頬を膨らませると、カイトの脛を蹴飛ばした。


「いた!」


「見惚れてんじゃないの!」


余の痛さに我に変えるとマールは実に不機嫌そうな声音で吐き捨てた。そんな2人を遠巻きに見ていたシイナはポンと手を叩く。


「よし、良かろう。では妾と一つ賭けをしないか?勇者よ」


そんな言葉にマールは首をかしげる。


「賭け?」


マールの反応を見たシイナは肩を揺らして笑いながら、再び自らの大きな尻尾に腰掛けた。


「これから明日の昼、この花の国で腕自慢の武士もののふが集まり強さを競う御前試合が行われる、お主はそれに出て優勝してみせよ」


「断る、僕は人以外とは交渉しない」


マールはバッサリときり、臨戦体勢となる。しかしシイナは対して動じることもなく手を招く。


「う!うわ!」


それだけでカイトの身体が1人でにシイナの手元へと強引に引き寄せられる。


「カイト!!」


マールは叫び、すぐ様斬りかかろうとした、しかしすぐに止まる。シイナの長く鋭い爪がカイトの首に向けられていたからだ。


「お前に拒否権はない…」


勇者状態でないと指揮者の不死身は発動しない、シイナはそれを知っているかのような動作でつげる。


「マール、武器を下げて」


カイトに言われ、マールは渋々武器をおろす。


「…わかったよ」


マールはそのまま武器を床に雑に投げると、そこに座り込み、ジッとシイナを睨みつけた。それを見たシイナはケタケタと笑いながらカイトの首から爪をさげつつ、その身体を服越しに撫で回しながら語りだす。


「もしもお主が優勝出来たのならば、お主らの目的通り、妾はゼノリコ王の要求をのもう、鎖国も解く事も約束しよう」


「出来なかったら?」


マールの問いかけにシイナはケタケタと笑いながらカイトの身体を弄びながらつげる


「そうさな、この童を貰う」


シイナはカイトの腰に手を回すと強引に側へ寄せる。そして息が掛かるほどの距離に顔を寄せる。


「見れば見るほど愛い顔じゃ…」


艶っぽい顔でクンクンと鼻を動かしカイトの身体の匂いを嗅ぐ。


「年若い身体だが特有の小便臭さがない、お主相当気を遣って洗っておるな?清潔なやつは良い匂いをする」


シイナは卑しく笑みを溢しながらカイトの至る所に顔を寄せる。


「そこな小汚い小娘の臭いがベッタリじゃな、しかしこれほど匂い立つのにまだ青い、さてはお主、まだ抱いておらぬな?」


「な!何訳わかんないことをいってるのさ!」


顔を赤くしながら反論するマールは無視し、シイナは続ける。


「であるならば、そんなもの、すぐに妾の匂いでいくらでも上書きしてやろうぞ?」


そしてカイトの服の中に手を入れ直に肌に触れてくる。カイトはその余りの感覚にすくみ上がり体が固まってしまう。


「たまげた…お主まだ種が作れぬのか?ふふ…よい、良い良い、おまえの子をなすのは楽しみじゃが、それまでとことん楽しめるということであろう?ますます気に入った」


勝手に話を進めるシイナは縮まるカイトを弄び続けた。カイトはというと、ここまでの積極的なアプローチを受けたのは25年の前人生でもあり得なかったのもあり、ただただ顔を真っ赤にしたまま動けなかった。


そんなカイトの反応ですらシイナは喜んでいる。


「わかったよ、戦ってあげる!」


マールが声を張り上げればシイナはそちらへ目を向ける。


「なんぞ?まだおったんか?小娘?」


「カイトを返して、僕が負ける事なんてないんだから」


マールがそういうと、シイナは一瞬苛立つような仕草をしてから卑しく笑う。


「良いだろう…恋しい相手と距離を開ければ開けるほど、手が届かなければ届かない程に燃え上がるもの…今は返してやろうぞ」


シイナは妖艶な仕草でカイトをゆっくりと解放すると、マールは早足で側までやってきてカイトの手を掴むと、強引に引っ張って部屋から出て行った。


カイトが最後に振り返ると、シイナは妖しく笑いながらカイトが見えなくなるまで手招きを繰り返していた。


「焦る必要もなかろうて…久しぶりの新鮮な生気に昂ってしまったわ」


シイナはいつまでも溢れる笑みを止められないでいた。


「まったく!あんな奴にデレデレして鼻の下伸ばしちゃってさ!バカみたい!」


マールはカイトの手を引きながらカイトに恨み節をぶつけてきた。


「しかし、うまくいきましたね」


「は!?何がっ!?」


マールは怒り心頭でカイトを睨みつけた。


「これでどう足掻いても花の国はベルラートに協力してくれます、とりあえずは目標クリアです」


「あーあー、カイトさんはあのドスケベ姫様の側にいけますもんねー!ごめんね!僕で!迷惑だったよね!連れてきてー!」


マールはおそらく生まれて初めての焼き餅を焼いていた、今までは感じる事が無かった行き場の無い怒りが無限に湧き上がる。


「ははは、そんな事はありませんよ」


カイトは苦笑しながら告げた。


「私はマールの側がいいです」


カイトの言葉にマールはピタリと止まる。


「…なんで?僕、魅力ないよ?」


「マールの側にいればいろんな戦場が観れますから、魅力がないだなんてとんでもない!」


そうだった、こいつはそういうやつだった。マールはカイトのずれた反応に大きなため息をつく。


「それに…私から言ったんですよ?ずっと一緒にいて欲しいと」


それは【最高位の使命】を使うための詭弁だと、マールは思っていた。しかし、カイトは真っ直ぐと言ってきたのでマールの湧き上がり続けた怒りが急にどうでも良くなってしまう。


「もう!バカッ!」


マールはカイトの手をはなすと、その脛を軽く蹴飛ばす。


「いっ!た!」


「でもカイト、僕が負けちゃったら君はあいつのものだよ?いいの?」


マールの問いにカイトは脛をさすりながら笑う。


「マールが敗けるわけないじゃないですか」


「うえ、断言?」


マールは少し照れ臭くなる。


「マールは単騎での接近戦では無類の強さを誇ります、そんな君と単騎で戦わなければならないお相手に同情したくなるほどです。」


「きゅ…急に褒めすぎだって、いいからそういうよいしょは!」


しかし悪い気はしない、マールは照れてしまう。


「私の頭の中で何度君を戦わせたと思っているのですか?君は単騎で群を蹂躙しまくるバケモノですからね!!災害といったほうがいいかもしれません!生きた禍い!いい二つなむごぱご」


言いかけたカイトの顔面に、マールのストレートがめり込んだのだった。





いかがでしたでしょうか?

花の国のモデルは勿論、日本です。


次回は御前試合、バトルだらけになりますので、無限に文章量が増えるのでは?と今から心配です。

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