4:閑話:残された者
短いです。
サルーンの指示でカーラがクインを受け取りテリストの位置へと座り。デルフィアはアルローラを受け取り元の位置へと座り。エレクティアも元の立ち位置へと戻った。
その間も頭を抱え込みテーブルとソファーの間で震えていた。今現在もだが。
「しゃんとなさい! それでも国の代表を任され、来ているのですか!」
叱咤した事からやっとソファーに座りなおすのだった。
「も、もも、申し訳ございません。く、国からの要請で。交渉しろとのし、指示だったのです」
相当に引きつりつつも答えたが、噛み過ぎである。既にテリストは場を離れているというのに、無様な姿を晒し続けているのだ。
「テリストの気性をご存知のはず。交渉決裂と此方に話さず握りつぶせば良かったのです。そもそもテリストの弁ではありませんが。皇国に泥をかぶれという案件である事は説明しなくとも理解してるでしょう」
「た、他者の目もあり。それは出来ないのです。私は監視されているのです」
「これだから帝国は。諜報員が紛れ込んでいるようね」
「……」
図星を突かれたのか返答を出来ないでいた。彼は帝国の地に家族を残して出向している身、当然人質として同行させてもらえなかったのだ。その事から危険ではあるが交渉へ来ざるを得ない状態だったのだ。
「そもそもテリストの言うように殺した方が早かったのですわ。今回は皇国に対する侮辱行為ですわよ。野放しにすれば相手がつけあがりますわ」
「良く思いとどまりましたね」
「デルフィアさんとエレクティアさんを立てたのですわ。お2人が頑張っておられるのに、横合いから殺しては侮辱した事になりますもの」
「そもそもテリクンとジアラハルトとの契約を侮辱する行為なのを知っていながら来てる時点で救いようがありません。野放しにするとの選択は取りようがありませんよ」
今回は帝国の使者扱いだ、魔物ハンターギルド出向者では無くだ。
本来なら宣戦布告に訪れようと使者を殺すのは不作法に値する。だが、国そのものの対面を汚せと言われているのだから宣戦布告される方がよほどマシな状況なのだ。
これならば対応としては処刑しても何も問題はない。ただ、その事を立証する材料が無いだけの話だ。
『そもそも何よ。テリストの気性を知ってるって事は殺そうとして来る事も織り込み済みよね。それよりも諜報員に知られる事の方が恐ろしいとかテリストを馬鹿にしすぎです。お母様。助けるに値せずと判断させて頂きます』
『テリストには悪い事をしてしまいましたね。後程謝罪しておきましょう』
身を挺して助けはしたのだが、テリストと皇国の置かれた立場を理解したからこそあっさりと手の平を返した。
「…………(パンパン!) この者を捕らえ牢に入れなさい! 魔物ハンターギルドへこの事を通達! ヴァルサル様を何時もの応接室にご案内なさい。それとバーニング近衛騎士団長とライニング・ハーンスを呼びなさい」
外の通路に待機していた近衛騎士が迅速に行動を開始する。サルーンの直接護衛をする5名がそれぞれの役割を各自口に出してそれを実行に移すのだった。




