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7話 記憶を喰う剣、クラスにバレた——そして名前を呼ぶ男

やっぱり、久遠の話題がクラス中に響き渡っていた。


「鬼塚にも勝ったらしいぞ」


「うん。アイツは本当は強いんじゃ」


「かも知れない」


「あれは演技なのか?」


綾人は、もう我慢の限界だった。


「お前ら」


小夜が勢いよく立ち上がった。

「ガタッ!」


「朔君は演技なんかじゃない!


みんな知らないだけだよ!


朔君がどんなに辛い思いしてるか、知ってるの?


本当はあの剣を使いたくないんだよ。


記憶を奪われるんだよ……みんなの事忘れるんだよ!」


みんなはその言葉で沈黙してしまった。


1人の男の子は小夜に問いかけた。


「確かに、記憶を奪われるのは辛いけど……なんであいつは使ってるんだ?」


「……それは」


「小夜、後は俺が話すよ」


「……朔」


「それは、自分の代で終わらしたいから。何で作られたかは、わからない。これを使うと記憶は奪われるのは事実だ。使い過ぎると1ヶ月奪われる。たった1日分でも、取り戻すのには数日はかかるんだ」


みんなは久遠の話を真剣に聞いていた。

みんなの表情は少し暗い顔になっていた。


「今は俺のことは信用しなくてもいい。いつかみんなにも打ち明けられたらいいなって思ってる」


久遠はみんなにラストメモリアの事を打ち明けた。そして自分の机に座った。


黒刃先生が教室にきた。


「お前らこれから授業するぞ。今日は能力について勉強をする」


「剣を使って能力出したりするのが1番多い。だけど、詠唱で炎、水を出す。戦い方によるな。この中で詠唱を主体に戦うやつはいるか?」


数人手を挙げている人がいた。


「その時どう戦う?詠唱には時間かかるだろ?」


「はい。その時は剣で戦います。戦いながら詠唱をします」


「そうか。君たちの先輩は詠唱をしてすぐ、魔法を出せるぞ。魔法使えるやつはすぐに出せるようにしないとな」


「……はい」


そして、授業はお昼まで続いた。


「これで授業は終わる」


「朔、ご飯食べに行こう」


「いいよ」


「私も一緒にいい?」


「友達と食べなくていいの?」


「その友達も連れて行く」


「えっ?」


「いいよね」


「いいよ」


「朔君。後で行くから先に行っててくれる?」


「わかった」


久遠と綾人は先に食堂に行って座る席を探した。


「ここでいいんじゃないか?」


「そうだね。後は小夜を待つだけだね」


「うん」


「お待たせ」


「本当に友達連れて来たんだね」


「うん。連れて行くのに時間かかって。結構恥ずかしがりだから」


「そうなんだ」


「うん。早くきて」


「ちょっと、引っ張らないで」


小夜は友達の手を引っ張った。


「私の友達で月城雪乃(つきしろゆきの)ちゃんだよ」


「知ってる通り久遠だ。よろしく」


「……うん」


「俺は、篠宮だ。よろしく」


「……よろしく」


「私、お腹すいた早く食べよう」


4人でご飯を食べた。そして、月城が久遠に話した。


「……久遠君って。あの剣使ってるけど、怖くないの?」


「怖くないって言ったら嘘になるけど。本当は怖いよ。記憶を喰われるんだから」


「そうなんだ」


「今はこれをつけてるから、ラストメモリアの影響は少し防げるんだけどね」


久遠は呪剣制御腕輪《カース・レギュレーター・ゼロ》を見せた。


「これはなに?」


「これは呪剣制御腕輪《カース・レギュレーター・ゼロ》っていって記憶を少しだけ防げる代物なんだ」


「へぇー。この腕輪かっこいいね。私も久遠君の事怖い人って思ってたの」


「どうして?」


「えっ!だってあの剣を出した時。……怖って思ったから」


「無理もないよ。ラストメモリアは抜いた瞬間剣にオーラを纏うからね。この2人も聞いてびっくりしてたからね」


「うん。呪いがこんな世界にあると思わないでしょ」


「そうだよ。呪いとか伝説って思ってたしな」


「それでもこの2人は仲良くしてくれてる。俺には嬉しいんだ」


「久遠君って本当は優しい人なんだね」


「……そうなのかな」


「うん」


「なに照れてるんだ?」


「嬉しいからだよ。わかってもらえたから」


「そうだよな。嬉しいよな」


「うん」


「……私も久遠君と仲良くしたいなぁ」


「俺も月城さんとこれからも仲良くしたい」


「……ありがとう。私も下の名前で呼んでいいかな?」


「うん。いいよ。俺も雪乃って呼んでいいかな?」


「うん」


久遠はまた新たな友達が出来た。

いつの間にかお昼が終わる時間になっていた。

4人は教室に戻る。


午後からの訓練が始まる。この学園は午前は勉強で午後は訓練となっている。


「これから訓練始めるぞ。今日は2人のタッグを作って違うチームと戦ってくれ」


「朔、一緒に組もうぜ」


「わかった。いいよ」


「組んだら違うチームと戦ってもらう。私が前に出ろって言われたものは出てもらう。久遠と篠宮前に出てこい」


「はい」


「うっす」


久遠と綾人は前に出た。違うチームも呼ばれて前に出てきた。そして試合形式をする事になった。


久遠は剣を取り出した。綾人も剣を抜いた。

綾人は解析を始めた。


「解析領域(アナライズ・フィールド)」


「何だこれ……構うな!あの2人をやれば勝ちだ!」


2人組はまず久遠に攻撃を仕掛けた。


「来たか!」


「フッ。そんな事しても俺がいる限り攻撃は当たらないぜ」


「朔、1人は左から攻撃してくるぞ」


「わかった」


久遠は教えられた通り、相手は左から攻撃を仕掛けてきた。


「キィンッ!」


「何だと」


そして久遠は剣で剣を跳ね返して1人を斬った。

綾人の方も片付いたようだ


「そこまで」


「綾人は何で相手の動きがわかったんだ?」


「あー。俺の能力は解析領域(アナライズ・フィールド)は攻撃の軌道が線で見えるんだ。後は次こう動くって頭の中で計算されるんだ」


「そうなんだ。凄い能力なんだな」


「朔ほどではないよ。俺は解析をして相手の動きを見て戦うからな」


「なるほど。でも綾人らしいじゃん」


「ありがとな」


「次」


全員の戦い方を見た黒刃先生はみんなに足りない所を1人1人話した。


「よし、これで終わりにする。解散」


「終わった」


「これからどうする?」


「俺は、黒刃先生と特訓なんだよ」


「そうなんだ」


「うん。授業が終わったら特訓するんだ」


「ま、頑張ってくれ」


「わかった。ありがとう」


久遠は授業が終わって。黒刃先生の元に向かった。


「コンコン」


「先生」


「来たか。今日も特訓をするぞ」


「はい。その前に話したい事があるんです」


「何だ?」


今朝、早く起きて学園の外に出た時、知らない男性に道を尋ねられたんです。その後、多分だけど、その男性が俺の名前を呼んだんだと思う」


「何だと、それは本当なのか?」


「はい」


「ちょっと待ってろ。電話してくる」


「わかりました」

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