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(1) ルキアという少女

本日2度目の更新です!

 


 ここはとある世界。地球とは違い、科学ではなく魔法が発展した世界。そこでは貴族や冒険者など様々な立場の人々が暮らしている。


 そしてとある村に家族と仲睦まじく暮らしている少女がいる。その名をルキアという。ルキアは平民として平和? に暮らしているが、この後世界をまたぐ冒険をするとはまだ誰も予想していなかった。



「いってきまーす!」


 私はそう家族に声をかけ、家から出発した。今日も日課のモンスター退治だ。

 このイリオス村は王都から離れた辺境にある村で、森が近いこともあり日々モンスターの襲撃がある。村の若い人のほとんどはモンスター討伐に参加している。もちろん私もその1人だ。


「おー! ルキアおはよー!」

「おはよ! 今日も頑張ろうな!」

「ルキアちゃんおはよー」

「皆おはよー! 今日も頑張ろー!」


 森の入り口近くに向かうとすでに何人か集まっている。毎日顔を合わせているメンツであるため、私が到着すると親しげに声をかけてくれる。ありがたいことだ。今日も怪我なくモンスター討伐をがんばるぞ!


「最近はモンスターの出現量が多くなってきたな」

「そうだね! といってもシャドーウルフばっかりだけどね!」

「シャドーウルフは1体ずつなら楽なんだけど、集団行動するからな……」

「そうね。それに物理攻撃が効かないから魔法で倒すしかないのがね」

「でも俺たちなら大丈夫だろ」

「そうだね!」


 ここにいる全員が魔法の腕に自信を持っている。それぞれ得意な魔法は異なるが、ある程度の攻撃力を持っているからだ。それはもちろん私も。


 仮に私達が王都にある国内随一の魔法学園に入学しても、それなりに良い成績を残せるのではと思っている。まぁイリオス村からでは遠くてとてもじゃないが通えないけれど。



 私が一番得意な魔法はフレイムという炎の魔法だ。他の魔法も使えるけれど、一番手っ取り早く、それでいて威力が高いこの魔法に頼ってしまう。

 たまに木に引火して火事になりかけるけれど、水魔法が得意な人が消してくれるのであまり気にしていない。仲間にはこの脳筋! と怒られることが多い。


「ルキアー、今日は森は燃やすなよー!」

「大丈夫! 燃やしても消してくれるでしょ?」

「もー!」

「あはは! あっ! シャドーウルフが来たよ!」


 雑談をしている間にシャドーウルフの群れがやってきていたようだ。


 群れに向かってそれぞれが魔法を放つ。炎や風や水、氷に雷、色々なものが飛び交っている。もちろん魔法同士で打ち消し合わないように、別々の場所へと放っている。


 ……あ、私の魔法が木にぶつかった。私の手から生み出された炎が木に引火し、1本また1本と赤い火柱を立てる。


「えぇ! また燃えてる! ルキアー!」

「ウォーターフォール!」

「ありがとー! ごめんごめん! ミスったー!」


 燃え盛る木の全体にかかるように、水魔法が放たれた。残ったのは黒くこげた木が何本かと黒くなった地面だ。


 今日もミスをしてしまったけど、フォローのおかげで被害は最小で済んだ。怒られながらも、誰も怪我なく今日の討伐は終了した。



「ただいまー!」

「お帰りなさい」

「おかえりー! お姉ちゃん!」


 家へと帰ると夕飯の良い香りと共にお母さんと妹のランが迎えてくれる。父は私が幼い頃に亡くなり、お母さんは病気がちでランはまだ幼い。そのため、私がこの家、そして村を守る必要があるのだ。


 お母さんが用意してくれた夕飯を食べる。じっくりと煮込まれたホロホロの肉、採れたての野菜サラダ、野菜のうまみと肉から取った出汁が溶け込んだスープ。今日も美味しそうな料理ばかりだ。次々と私たちの胃袋へと消えていった。


 夕飯も食べ終わり、水浴びをし、あとは寝るだけだ。この時間はランと私のお話しタイムだ。2人でベッドに入り、話をする。


「お姉ちゃんー! 今日のモンスター退治はどうだった?」

「んー? 今日も頑張ってきたよー! お姉ちゃんの炎でバッタバタ倒したよ!」

「すごーい! カッコいい!」

「えへへ! ありがとう!」

「ランも魔法でモンスター倒したい! 風魔法得意なんだよ!」

「うーん、ランにはまだ早いんじゃないかなー?」

「えー!」

「もう少し大きくなったら一緒に行こうね」

「約束だよー!」

「うん! 約束!」


 2人で小指を結びながら約束をして、部屋の明かりを消した。



 ここは……? あぁいつもの夢か。 

 最近、私は同じ場所の夢を見る。灰色の地面と四角い建物に囲まれた世界だ。多くの変わった服装の人が歩いていて、金属で出来ている動物が高速で走り回っている。


 気がつくと私はいつもその世界に立っていて、ぼーっと見ている。歩いている人は私に話しかけてくることはないので、透明人間になったような感覚になる。

 もしかしたら、どこかにある世界を覗いているのかもしれない。


「やぁ! ルキア!」

「……え?」


 今日も見知らぬ世界を見ていようと思ったとき、近くで私の名前を呼ぶ声がした。……気のせいだろう。


「ちょっと聞こえてる? ルキア!」

「もしかして私の名前を呼んでる?」

「そうだよ!」

「……こんなの初めてだ」

「やっと交信できたからね! 体の適応レベルが上がったのかも!」

「適応レベル?」

「うん! なかなか別世界の魂って馴染むまで時間がかかるんだよね。」


 本当に呼ばれていたらしい。その話しかけてきた声の方を見ると小動物のような生き物がふよふよと浮いている。別世界の魂などと話しているが、本当に不思議な夢だ。


 この見たことのない生物も私が頭の中で作り出したのだろうか。……結構よくできている夢だな。


「でもようやく会話ができるようになって良かったよ!」

「そうなの?」

「うん! これでやっと任務に当たれる!」

「任務?」

「そう!」


 この不思議な生き物(名前はソレイユというらしい)によると、この世界では人々は魔法を使えないらしい。


 ……魔法が使えなくても生活できるんだ。

 そして人間が魔法を使えないのにも関わらず、人知れずモンスターのような怪物が暴れているらしい。その対処ができる人物を探しているということだった。

 

 このモンスターたちはだんだんと世界を蝕んでいて、やがてこの地球をも闇で包みこもうとしているらしい。


 そして闇を祓う救世主を求めていたとき、ソレイユは私の世界を発見したらしい。

 ほとんどの人が魔法を使い、生活しているところ見て、救世主を見つけるのにぴったりだと思ったらしい。


 ソレイユの力を使って、異世界の魂を呼び寄せたようだ。


「でもどうして私?」

「君が適任だと僕の勘が言ってるんだ!」

「へぇー!」

「だから魔法少女としてこの世界を救ってほしい!」

「魔法少女?」

「うん! 今日から君は魔法少女ルキアだ!」

「……そのままだね」


 ……変な夢だな。まぁしばらくしたら覚めるでしょ。




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― 新着の感想 ―
物語の進むテンポが速くて良いですね。 ルキアも自分が好きな元気な女の子なので、 読んでいてとても楽しい作品です。
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