魔法少女ルキア
本日から新しく連載を始めます!
今日は3回更新予定です。
人気のない公園。1人の小さな女の子が遊んでいる。その周囲には他に人影は見えない。そんな女の子に近づく影が1つ。
「キミ……ヒトリ……?」
「うん! お母さん待ってるの!」
「オイシソウ……」
「え?」
女の子は顔を上げずに会話していたが、不穏な言葉に思わず顔を上げた。
……そこには人間ではない何者かがいた。まさに怪物というのがふさわしい見た目だ。
「キャー!」
ゆっくりとその怪物は手を伸ばしてくる。それはとても大きく、手のひらだけで女の子をいとも簡単に握りつぶせそうだ。
女の子は駆け出した……が、とても逃げられそうにない。小さな足を地面にとられ、転んでしまった。
女の子の表情は恐怖で固まる。先ほどまで出ていた悲鳴でさえ口からは漏れなくなるほどだ。
怪物の手が伸びる。このままではいとも簡単に握りつぶされてしまう。影がすべてを覆い尽くそうと広がった。
女の子が思わず目をつぶったとき、怪物と女の子の間に誰かが現れた。
金髪の長髪を風になびかせ、フリフリのスカートを身につけた少女だ。その姿は怪物の前ではあまりにも小さいけれど、なぜか威圧感を放っている。
プレッシャーを感じながらも、怪物は気のせいだと考え、少女を嘲笑った。
「オマエ……ナンダ? ……エサガフエタ!」
「静かに。フレイム!」
彼女がスッと腕を怪物へと向け、放った言葉と同時にその場に炎が生まれた。すべてを燃やし尽くすような真っ赤な炎だ。
「ギャー!」
ニヤニヤと余裕そうに浮かべていた怪物は彼女が放った炎によって、笑みを消して苦痛の表情を浮かべた。
怪物の体はまるで炎の塊のようになり、周囲の温度をハイスピードで上げた。
「熱い……? どうして?」
女の子が肌に感じた熱から目をそっと開くと、怪物が跡形も残らず燃え消えるところだった。
女の子の前に立つのは1人の少女。
怪物が消滅したことを見届けて、少女は女の子へと振り返った。
「大丈夫?」
最初、女の子はなにが起こったかわかっていない様子だった。けれど少し周りを確認し、危険が去ったことを理解したようで笑みを浮かべた。
涙に濡れていた瞳は、ヒーローを見た興奮へと塗り替えられている。
「魔法使いさん!?」
「……私が魔法使いってことは内緒だよ?」
「わかった!」
「ここは危ないからもう帰ったほうがいいよ」
「うん! ばいばーい!」
助けてくれた彼女に感謝を示したあと、足早に帰っていった。
小さな背中が少女から遠ざかっていく……
「誰かが傷つけられるのを黙って見ていられないしね」
彼女は魔法少女ルキア。闇を祓うために戦う異世界の魔法使いである。
1人の魔法少女が闇を祓ったとき、同時に世界の片隅で何かがキラリと光った。




