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英雄の戦場~帆世静香が征く~  作者: 帆世静香
第二章 現実の過渡期を過ごしましょう。
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大統領の演説 ※ステータス開示回

ブックマーク、☆評価よろしくお願いいたします。

テレビの中の男は、昨日私が腕を捻り上げた人物とは思えないほど、堂々とした態度だった。

はためく星条旗を背景に、真紅のカーペットを敷き詰めた公式会見室。映像はすでに全世界にライブ配信されており、ニュース各局が「アメリカ大統領、緊急声明」と題して画面上部にテロップを走らせている。



——カール=タカード大統領。彼が静かに語りだす。



「今日という日は、歴史に刻まれるだろう。

だがそれは、恐怖によってではなく、変革によって記憶される日となる。」


「2月——我が盟友である日本の地に、凶悪な怪物…まさにGodzillaが出現した。これをアメリカ軍の精鋭なる部隊が共同して戦った。結論、Godzillaを撃滅することができたが…その戦闘により多くの同胞の血が流れることとなった。」


「その日からだ! 我々人類には多くの変革が生じ、神は無数の試練をお与えになった。」


「先日、ロシア領内にて新しいGodzillaが出現したことを、我々のレーダーがとらえたのだ。

私の心は燃えた。これ以上、人類に血を流させてなるものかッ。……その想いゆえに、一刻も早く敵を殲滅するための部隊を派遣するに至った。作戦の責任は全て、命令を下したこの私にある。」


「それにより、むしろ、世界中の方を不安にさせてしまったのだと、そう理解した。

本当に、申し訳ない。昨日、ロシアへ正式に謝罪し、和解に至ったことを報告させていただく。」





「これを契機に、私は目を覚ました。」


「人類は、変わりつつある。もはや“国”という枠組みで争っている余裕など、どこにもないのだと。

神が与える試練は、すでに次の段階に移っているのだ。」


「試練は、だれかれかまわず、突如として降ってくる。」


「明日、どこに何が現れるかなど、誰にもわからない。

それにおびえて、毎日を薄暗い室内で震えながら過ごさなければならないのか!?」


「誇り高き先人が築いた人類の歴史は、ここで惨めな終わりを遂げてしまうのだろうか!?」



「もちろん、否だ!」


「かつて、人類は槍を手にマンモスを打倒してきた。体の何倍も大きなモンスターを、今よりも遥かに少なかった人類が、お互いに団結して血肉に変えてきたのだ。」


「私は思う——今の私達にはそれ以上のことが可能なのだと。

積み上げてきた科学と軍事力は、今日この日のためにあったのだ。しかし、科学の力だけでは到底足りないことも実感させられた。」


「今必要なのは、まさに人間の力なのだ。立ち向かう勇気、同胞を守る覚悟、そして団結だ。」


「私は思う。

私の知っているアメリカ国民には、それが既に備わっている。

年齢も、性別も、人種も、過去も――そんなものは関係ない。」


「もし、あなたが既にスキルを持っているなら――その力を、共に使ってほしい。

その勇気に対し、我々は限りなく厚い待遇を保証しよう。」


「まだスキルを持っていなくても構わない。我々はあなたを歓迎する。

最高の訓練環境、支援、そして未来への道を用意しよう。」


「この放送を聴いている、すべての人類へ。アメリカは、広く門戸を開く。今こそ、一致団結の時なのだ!」


「ここに宣言する!」


「アメリカ合衆国は、あらゆる敵に対して、人類の盾として立ち上がる!

そして、人類を導く先陣となる!」


「我々は、より強くなれる。

より賢く、より早く、より優しく――かつてない団結で、未来を守るのだ!」


「そのために――今この時、我々は広く志願を呼びかける。

この闘いに立ち上がる者よ、我々の仲間となれ!」


「政府は、その全てを支援する。

訓練、装備、生活、安全、誇り――すべては国家が背負う!」


「あなたの勇気が、未来を救う。あなたの一歩が、世界を変える!」


「我々はもう、後退しない。恐れることはない。なぜなら、我々はアメリカだからだ!」


「我々は、進む。我々は、挑む。我々は――勝つ!!」



ウォオオオオオ゛オ゛——!!!!


USA! USA! USA!

USA! USA! USA!



割れんばかりの大歓声。大統領の提示した破格の待遇と、人類を守るという大義名分が世界中を沸かせていた。謝罪のための演説をしていたはずが、いつの間にかアメリカの誇りを宣伝する場に変わっているのだから驚きだ。


「いっぽんとられたわね~。」


(´・ω・`)「人類がーっていいながら、USA!で終わるあたり、アメリカっぽいっスね。」


「ほんとだわね。まあ、ロシアと和解自体は本当よ。」


(´・ω・`)「あんだけピリピリしてたのに、あっさり決まったんすね。」


「昨日ねー、カール大統領をボコった後にUCMCに各国から連絡が殺到したらしくてさ。“うちは、UCMCに全面協力してますからね、何かあれば言ってね?”みたいな。」


(´・ω・`)「こんな狂犬が自宅に来るとか嫌っスもんね。」


( ๑❛ᴗ❛๑ )ぽよ~。



私が座っているのは、普段よりも広い座席のプライベートジェットである。

帰国したばかりのこもじを風呂に沈め、装備を整えしだいヴァチカンへ急行していた。プライベートジェットで飛ばしているとはいえ、数時間はかかるのだ。大統領の演説を聞きながら、事務的な仕事を片付けている最中だった。



(´・ω・`)「師匠とはどんな感じだったっスか?」


「いやー、優しいんだけど、一緒にいる間ずっと緊張だったぽよね。」


(´・ω・`)「俺が子供の時からおじいちゃんだったんスけど、今でも怖いすよ。」


「師匠のスキル見る?ドン引きするよ?」


(´・ω・`)「めっちゃ見たいっすね。」


——夢想無限流柳生隼厳Lv10、剣振不老——


「この2つね。」


(´・ω・`)「師匠ぽい気もするっスね。」


「こもじのウィンドウ弄ってあげようか。前よりも情報量増えたわよ。」


(´・ω・`)「こういうのはゲームっぽくて好きすよ。」


( ๑❛ᴗ❛๑ )イジイジモミモミ


(´・ω・`)いやん、やめっ、あっ



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【(こ´・ω・`も)】身体強化5P/武具創成5P


主な称号:[侍][神刀の保有者][邂逅のクリア者][変革の随伴者]


固有武器:雲黄昏、兼長、千蛇螺の籠手、黒牙


身体強化Lv5


保有スキル :近接戦闘Lv4、神刀の型Lv4、瞬歩Lv1、血環ノ刃Lv1、蠢蛇左盾Lv1、強者の風格


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「スキルは変わってないのね。やっぱり進化の箱庭に連れていくべきかしらね。」


(´;ω;`)「ちょ、名前で遊んだだけじゃないっスか」


「ぽよちゃん、よくわかんない。

でも、称号も5つまで表示されるようにしたぽよよ。ついでに、ぽよのも。」



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【帆世静香】身体強化10P/武具創成0P


主な称号:[統べる者][邂逅のクリア者][ゴブリンキラー][コボルト族の英雄][変革の先導者]


固有武器:千蛇螺の籠手、銀爪、十字架の聖遺物×2、万理の魔導書


身体強化Lv7


保有スキル :ファストステップLv7、瞬歩Lv4、緊急回避Lv3、蛇喰・致命ノ毒Lv2、魔法錬成Lv1、剣術Lv1、スキル操作


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(´・ω・`)「めちゃくちゃ面白そうな称号生えてるこも。w」


「ゴブリン殺しまくったら生えてきたぽよね。」


(´・ω・`)「こわ…。あと、移動系スキルがやたらレベル高いっすよね。俺ぁLv4が最大なのに。」


「その辺不思議なのよね。思うに、スキルの用途が限定されているほど伸びやすいんだと思うわ。ファストステップなんて、言ってしまえばタイミング良く地面を蹴るだけだもの。」


(´・ω・`)「レベルが上がったら、なんか効果変わるんすか?」


「変わるわね。スマホの通信が4Gから5Gに変わる様な感じよ。ファストステップなら初速や最高速度の上限が上がって、瞬歩なら移動先がより精密に使える感じね。」


(´・ω・`)「のんびり屋さんのこもじには、難しいスキルっスね。」


「ヴァチカンの仕事終わったら、進化の箱庭でレベリングしといでー。階層追いつけば、ぽよチャネルで一緒に攻略できるから。」


(´・ω・`)こも~。




——こちら、ぽよちゃん号機長、間もなくヴァチカン市国へ到着いたします。機体が着陸するまで、安全にお過ごしくださいますよう、よろしくお願いいたします。——



(´・ω・`)プライベートジェット、はじめて乗ったこもね。ラグジュアリー感が全くない、酷いネーミングだったこもね。




作者が忘れないように、最新のステータス開示回に目印つけてるだけです。

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