爪切り げんまん
部屋で待っていると、おばさんは、昨日切り分けかけていたケーキを切って持ってきてくれた。
「どうぞ、昨日落っことして食べ損ねたケーキ。おばさんが焼いたから、お口に合うかどうか分かりませんが・・・」と言って、僕の前に差し出した。
僕は、「いただきます」と言って、そのケーキにかぶりついた。
「どう、おいしい?」おばさんの問いかけに「うん、おいしいです」と言って一気に平らげた。
「あ~よかった・・・でも、作り立ちの昨日だったらもっとおいしかったんよ・・・」とおばさんはいたずらっぽく笑った。
僕は、その言葉に、また「ごめんなさい・・・」と謝った。
「冗談よ・・・そんなに何回も謝らんでかまわんよ・・・」とおばさんは笑った。
僕も、「うん」と言って、一緒になって笑った。
そうして、ケーキと一緒に持ってきてくれていたジュースを僕が飲んでいるときだった。
「ケンちゃん、今もおばさんとセックスをしたい?・・・」
あまりにも唐突な質問に、僕は飲んでいたジュースをむせそうになった。
そのむせるのをこらえ、即座に僕の素直な気持ちを伝えた。
「うん。したいです・・・」
その答えを聞いて、おばさんは「即答やね・・・」と、また笑いながら言った。
「そしたら、ここで、おばさんとしようか?」
僕は、その言葉を聞いただけで、おちんちんが一気に固くなった。あふれてくるツバをゴクリと飲み込んだ。
「そしたら、お布団引くから・・・その間に、ケンちゃんは石鹸で手をきれいに洗ろてきて」
僕は、今の状況がよく呑み込めないまま「台所でいいですか?」と聞いた。
「うん、いいけど、ちゃんと石鹸使うんよ・・・」とおばさんは答えた。
僕は、先ほどケーキがのっていたお皿とジュースのコップを持って台所に行った。
後ろで、「置いとったらええのに・・・ありがとね・・・」というおばさんの声が聞こえた。
僕は、おばさんに言われたとおり、今までにないくらい丁寧に石鹸で手を洗った。
そして、手についた水気をタオルでふき取ると、はやる気持ちを抑え、部屋に戻った。
そこには、すでに真っ白な布団が敷かれており、枕元には、ティシュペーパーの箱と、その横に小さなきれいな模様の箱が置かれていた。
おばさんは、その布団の横に座っており、さっき着ていた服は脱いで、シミーズ姿になっていた。
それを見た僕はすぐにでもおばさんに抱きつきたい気持ちになった。
しかし、おばさんは、そんな僕のはやる気持ちを抑えるように、「ケンちゃん、手きれいに洗った?」と聞いてきた。
僕は、緊張のあまり「はい、洗いました」と先生に答えるように丁寧に言った。
「じゃあ、こっちに来て、手を見せて」
僕は、言われるまま、おばさんの前に座り、両手をおばさんの前に突き出した。
「爪が伸びとるね・・・おばさんが、爪切ってあげる」
そう言うと、僕の手を取って、横に置いてあった爪切りで僕の爪を切り始めた。
「ええ、ケンちゃん、爪が伸びとると、女の人の柔らかい肌を傷つけてしまうけん・・・爪はきれいに切って、いつも清潔にしとかんといけんよ・・・」
そう言いながら、僕の手を持って爪を切るおばさんの指は、この前、指切りげんまんした時と同じ、白くて細い指で、僕はそんな大人の女性の指を眺めながら、うっとりとした気持ちになっていた。
その時以降、僕は少しでも爪が伸びると、すぐに爪を切るようになった。
母には、「そんなに、毎日爪切りよったら、深爪になるよ」と心配されていたが・・・
僕の両手の爪をきれいに切り終わったおばさんは、「それじゃ、おばさんも、手洗うてくるけん」と言って、洗面台のある方に出て行った。
その間、僕はどうしていればいいのか分からず、とりあえず布団の横に正座をして、おばさんが戻ってくるのを待った。
心臓がバクバク鳴って、とても長い時間、そうやって待っていたような気がした。




