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林、周、および中央文革への手紙 湖南省革命委員会準備会への手紙 一九六七年十二月十七日

<解題> 原題は、「給林、周及中央文革的信」、「万歳」丁本所収。 これも、「対外宣伝工作にたいする指示」と同じ精神に発している。これはまた、文化大革命の運動を、いちおう停止、整頓しようとする毛沢東の決意のあらわれでもあった。この「手紙」のなかの、「絶対的権威」の用語の禁止は、おそらく林彪にとって打撃であったとおもわれる。


林、周、および中央文革の各同志

(一) 絶対的権威といういいかたは、妥当でない。従来、単独の絶対的権威というものはなかった。およそ、権威はすべて相対的なものであり、およそ、絶対的なものは、すべて相対的なもののなかにしか存在しない。それは絶対的真理が無数の相対的真理の総和であり、絶対的真理はひとつの相対的真理のなかにしか存在しないのと同様である。

(二) 大いに樹立し特別に樹立するといういいかたも、妥当ではない。権威と威信は闘争の実践のなかから自然にうちたてられるものであって、人為的にうちたてることはできない。そんなことをしてうちたてた威信は、かならずや崩壊するにちがいない。

(三) 党中央ははやくから、誕生日の祝賀行事を禁止している。全国に通知して、かさねてこの禁令をのべよ。

(四) 湖南の集会は、べつの期日をえらぶべきである。

(五) われわれは題字を揮毫してはならない。

(六) 会議の名称は湖南の提案に同意して、第一案を用いよう。 以上の各点は、会議をいちど開催して討論、採択されることを望む。


毛 沢 東 十二月十七日 (竹内 実訳)


(1) 林、周、および中央文革 林は林彪、周は周恩来。中央文革は中央文革小組、組長は陳伯達(政治局常任委員会委員)、第一副組長は江青、顧問は康生(政治局常任委員会委員、書記処書記)。中央文革小組の成立は、一九六六年五月十六日、毛沢東、林彪が杭州にあってひらいた中共中央政治局会議をへて出した通知、いわゆる「五・一六通知」においてうたわれているが、一九六八年一月には、組員として活躍した王力、関鋒、戚本禹、林傑、穆欣らが追放されて、ほとんど有名無実と化した。王力らの追放は、この毛沢東の「手紙」が書かれたことから、くすぶりつづあったのではないかとおもわれる。

(2) 絶対的権威といういいかた 『解放報』は、一九六七年五月三十一日、社説「おおいにと毛沢東思想の絶対的権威をうちたてよう」を掲載した(『光明日報』六月二日転載)。これは事故死した解放軍士兵、呂祥璧をたたえて書かれたもの。

(3) 大いに樹立し特別に樹立するといういいかた 楊成武(人民解放軍総参謀長代理)の署名論文、「偉大な統帥毛主席の絶対的権威をおおいに樹立し特別に樹立し、偉大な毛沢東思想の絶対的権威をおおいに樹立し特別に樹立しよう――羅瑞卿の毛主席に反対し、毛沢東思想に反対した滔天の罪行を徹底的に清算しよよう」(『人民日報』一九六七年十一月三日)を指している。楊成武は、余立金(空軍政治委員)、傅崇碧(北京衛戌区司令員)とともに一九六八年三月、免職、批判されたが、一九七四年七月、人民解放軍建記念の祝賀会に姿をみせ、復活した。

(4) 誕生日の祝賀行事を禁止 「党委員会の活動方法」(一九四九年三月十三日、『選集』第四巻所収)の第十一項にみえる。

(5) 湖南の集会 いかなる集会か不明。

(6) 題字的揮毫 たとえば、『人民日報』の題字は毛沢東である(『光明日報』は郭沫若とおもわれる)。文革開始ご、一九六六年八月に、毛沢東が北京大学のために「新北大」、婦女連合のために「中国婦女」を揮毫したことが報道されている。ここで毛沢東が揮毫の停止をよびかけたのは、一種の政治的なお墨付きとして利用されることを警戒したのであろうか。

(7) (六)の会議はどういう会議か不明。

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