農村社会主義教育運動中のいくつかの具体的政策についての党中央の決定草案(一九六三年九月)
本年(一九六三年)五月中央が出した「関於目前農村工作中若干問題的決定草案」〔訳注:A〕は綱領性をもった 偉大な文件であり、われわれ党の思想、政治、組織および経済における各方面での基本建設に関する重要文件である。
この文件にて提起された一〇項目の問題は、「入党大」一〇中総以後すでに各地の農村にて進められている社会主義教育運動の内容をきわめて豊富にした。本年六月以来より、各中央局、各省、市、自治区党委員会は、大規模な社会主義教育運動を展開するために準備工作を進めた。すなわち、一面各種の幹部会議を召集して幹部を訓練し、他面、 全体を指導するよう経験を得るために、まず一つかあるいはいくつかの拠点(蹲点)で小規模の試験を進めた。現在、 各地の拠点工作は一部すでに終了し、大部分は終了に近づきつつある。各地の拠点の経験は、毛沢東同志の社会主義社会における階級、階級矛盾、階級闘争についての問題の分析と指示が偉大な革命的歴史的意義をもっていることを十分に証明し、毛沢東同志の指示に基づいて展開された農村社会主義教育運動は、かつて一時的に増大した資本主義勢力および封建勢力の気狂じみた進攻を撃退し、農村社会主義陣営とプロレタリア階級独裁をうち固めることに対し、また修正主義発生の社会的基礎をとりのぞくことに対し、集団経済をうち固め、農業生産を発展せしめることに対して、それぞれにきわめて重大な作用をもっていることを十分に証明した。それと同時に各地の拠点工作においてもいくつかの具体的政策問題が提起されたが、これらの問題はいずれも一歩進めて中央の「関於目前農村工作中若干問題的決定草案」を貫徹し、それによって解決しなくてはならぬ問題である。以下はこれら具体的政策についての規定である。
一 社会主義教育運動の基本方針と主要内容
今回の農村社会主義教育運動は、一つの深刻な社会主義革命運動である。毛沢東同志は精緻にこの運動の偉大な意義を明らかにした。かれは「この社会主義教育運動は一つの偉大な革命運動であり、階級闘争の問題を含むばかりでなく、幹部の労働参加の問題をも含み、また厳格な科学的態度をもって、試行点検を重ね、企業や事業の中でこれら一まとまりの問題を解決しうるような工作をも含むものである。・・・・・・この一つの闘争は新たに人を教育しなおす闘争であり、新たに革命的階級隊伍を組織しなおし、われわれに気狂じみた攻撃を加えつつある資本主義および封建勢力に対して、するどく真向から対抗する闘争を行なって、かれらの反革命気勢をおさえつけ、これら勢力下にある絶対多数のものを新たな人間に改造する偉大な運動であり、また、幹部と大衆が一緒になって生産労働および科学実験に参加し、われわれの党をさらに一歩進めて、より光栄さを加え、より偉大さを加え、より正確さを加えた党とし、われわれの幹部をして、政治を知るとともに業務を知り、紅でもありまた専でもあり、上部に浮き上がって官僚然、旦那然として 大衆から離れることなく、大衆と一つとなって大衆から擁護されるほんとうに良い幹部とすることである。この一つの教育運動が完了した後には、全国に活気あふれ繁栄に向うような気風をつくり出すことができるだろう。ほぼ世界人口の四分の一を占める人類がこのような気風をあらわすことは、われわれの国際主義の貢献もまたさらに大きなものとなる」と言っている。
毛沢東同志の指示に照らして、今回の運動では、次の五つの要点を把握すべきである。すなわち、階級闘争、社会主義教育、貧農下層中農の階級隊伍の組織、「四清」、幹部の集団労働参加がそれである。この五つの要点のうち階級闘争が最も基本的なものである。毛沢東同志の社会主義の中での階級、階級矛盾、階級闘争の問題に関する思想を学習し、深刻にこの思想を会得することが、正しく社会主義教育運動を展開し指導する鍵であり、前提である。階級闘争を綱とし、五つの要点を把握し、大胆に大衆を発動し、順を追ってかつ指導的に大衆運動を展開し、九五名以上の幹部と大衆を団結し、資本主義および封建勢力の進攻を撃退し、幹部と大衆の社会主義意識および階級意識を引き上げ農村の基層組織を整頓し、集団経済を健全で強固なものにし、農業生産を発展させることこそが、今回の社会主義教育運動の基本方針である。
今回の運動の中で逐次つぎの一二の工作を進めなければならない。
(一) 工作隊を組織し訓練する。この工作は必ず真剣にうまくやらなければならない。工作隊は精鋭にして仕事ができるようにつとめる必要があり、その成員は厳しい選択と審査を経なければならない。およそ「五反」運動の中で重大な問題を暴露されながら、まじめによく事情を説明もせず、検査もうけなかったものはいずれも参加することができない。工作隊の成員は、各々まじめに毛沢東同志の指示を学習し、中央の「関於目前農村工作中若干問題的決定草案」および本規定草案ならびに中央のその他の関係文件を学習しなければならない。
(二) 人民公社の三級幹部会議および公社幹部会議を召集して、毛沢東同志の指示、中央の「関於目前農村工作中若干問題的決定草案」および本規定草案をくりかえし学習し、若干の他の地方の社会主義教育運動のモデル資料をよく読み、その地の階級闘争状況に対する暴露と結びつけて、階級教育および政策教育を進める。これらの会議には貧農、下層中農の代表を吸収し参加させてもよい。この会議を通じて一般的な誤ちあるいは比較的重大な誤ちを犯した幹部、これらの大多数の幹部には、自主的に「手を洗い、体を洗い」「重荷」をおろさせ、第一段階の指導隊伍をつくるのに便利なようにする。これらの会議ではなお「六○条」〔訳注・農村人民公社工作条例修正草案(一九六二年九月) いわゆる農業六○条のこと。本資料集第一卷一一三八頁参照〕の実施状況を検査する必要があり、およそこれに違反しているものについては、それぞれ検討しなくてはならない。
(三)貧しいものを訪れて、その苦しさを尋ね、根を深くはわせ、気脈を通じ、貧農、下層中農大衆を組織し発動する。工作隊の成員はできるかぎり貧農、下層中農と食事、住居、労働をともにしなければならない。
(四)公社党委員会会議、支部会議および小組会議を含む、党の基層組織会議を召集し、党員の中で階級教育を進め、批判、自己批判を展開し、誤ちを犯した党員がその誤ちを認識し、それを改めるように幇助する。
(五) 大衆、特に貧農、下層中農を発動し、生産隊、生産大隊、人民公社の各種会議を召集し、思想教育工作をうまくやり、幹部の意識を啓発するという基礎に立って、「四清」工作を進める。幹部の賠償問題を正しく処理する。 (六) 大衆に対して社会主義、集団主義、愛国主義、国際主義教育を進め、資本主義と社会主義との限界を明らかにし、公私の関係の問題および資本主義と社会主義の二つの道の闘争問題を解決する。国家、集団、個人の三つの関係を正しく処理し、生産計画と農副産物の売り渡し任務を積極的に達成するよう大衆を教育する。大衆の中で集団経済の利益を損うもの、「小自由」の発展や商売に熱心で集団生産に積極的に参加しないものがいるが、かれらに対しては説得教育を通じて認識を引き上げ、かれらが自覚して誤ちを改めるようにさせる。資本主義の自然発生的な傾向が比較的強い若干の社員に対しては適当な批判を進める。一貫して集団を愛し、積極的に労働し、社会主義の道を堅持する若干の社員に対しては表彰する。
(七) 大衆に対して階級闘争の教育を進め、敵味方の区別をはっきりさせる。大衆を発動し、敵に対して道理をもって説得する闘争を進める。破壊活動をする四類分子、投機やみ取引分子、汚職、窃盗分子は正しく処理する。
(八) 貧農下層中農組織をつくる。
(九) 党の基層組織を整頓する。共産主義青年団の基層組織、婦女連合会の基層組織、民兵組織および農村のその他の組織を整頓する。
(一〇) 公社、生産大隊、生産隊の幹部を改選あるいは調整する。
(一一) 幹部の集団労働への参加制度をうちたて健全化する。
(一二) 幹部と大衆の階級意識および集団生産への積極性を引き上げるという基礎に立って、さらにもう一歩進めて集団経済を強固にする。「六〇条」の規定に照らして、生産隊の経営管理工作を改善し、公社企業および生産大隊の経営管理工作を改善し、各項の制度をうちたて健全化する。生産隊、生産大隊、公社の生産発展計画を制定する。 以上一二項の工作は、今回の社会主義教育運動の主要内容を包括している。各地域の状況はそれぞれ異なり、拠点の経験もまったく同じものとはいえない。この工作の進行には、進むものもあれば遅れるものもあり、ある一部の工作は相互に交錯し、相互に結合して進めてもよい。すべてこれらの工作は必ず誠意をこめてうまくやらなければならず、社会主義教育運動はそうしてこそ勝利のうちに達成することができるのである。これは共同の経験である。
今回の社会主義教育運動は、土地改革運動に比べてより複雑で大規模な一つの大衆運動である。それには関連する問題が極めて多く、つながりがある面が極めて広く、闘争も極めて尖鋭である。毛沢東同志は繰り返し運動の進行には、必ず時を分け、量を分けなければならず、一つの地域で進むものもあり、遅れるものもあって、相前後することは許されるべきだと指示している。毛沢東同志のこの指示に基づいて、各省、市、自治区の党委員会は、その地の運動について具体的な担当部署をつくっている。一般的にいって、今回の運動は全国農村で徹底して完成させるにはだいたい二~三年の期間を要するだろう。
二 社会主義教育運動について必ず注意すべきいくつかの問題
社会主義教育運動を順調に進めることができるかどうかは、その運動の中で党の政策が正しく実行できるかどうかにあって、その鍵は指導にある。省、地(専区、自治州)、県級の指導機関は必ず以下のいくつかの問題に周到適切な注意を払わなければならない。
(一) 指導に当るには率先して手を洗い体を洗う。省、地、県級指導機関の幹部、とくに主要指導幹部は必ずまず先に手を洗い体を洗って階級的立場を端正にし、思想作風を改善してこそ、よく社会主義教育運動を順調に進めることができるのであって、そうでなくてはそれは不可能なことである。指導幹部の中に手足の汚れた同志がいては、大衆は感服するわけはなく、それでは下部に「四清」を求めても決してうまくゆくものではない。それゆえに省、地、 県の各級幹部はまず「五反」運動に参加すべきである。しばらく「五反」運動の進行をやめている県級機関は、一〇 日前後の時間をかけて県の三級幹部会議を開き、課、局長以上の幹部に「手を洗い体を洗い」、「重荷」をおろし、身軽となって仕事をさせるようにする。
(二) 指導に当るには責任をもち、自らが手足を動かす。省、地、県各級の主要指導者は各々必ず自ら進んで拠点に立ち、そのことから経験を積み重ね、模範をつくり出し、全般の運動を指導し率先しなければならない。スローガンを叫ぶだけで自ら手足を動かさず、あるいは自ら「先頭に立って采配を振る」っても「馬をすすめ」ない、それは正しいやり方ではない。運動を展開した後、指導者は必ず随時その進行に注意して調査研究し、適時に問題を発見し問題を解決しなければならず、ただ報告を聞き、資料を見ることだけに満足し、下層に深く入りこまず、実際を考慮しないのも正しいことではない。全運動の進行過程において、指導機関は必ず常時経験を総括しなければならない。
このようにしてこそ、全体を把握することができ、一歩一歩着実に、不断に幹部を引き上げて、不断に運動の指導を強化することができるのである。
(三)きめ細かい工作を進め、奥深く入って大衆を発動する。今回の運動は必ず中央決定草案が提起した要求を達成しなければならず、「一つ一つ、着実に滲透させなければならず、ぐずぐずいっては『舞台にちょっと顔を出す』 といったことはきびしく防止しなければならない」。運動がはじまると、毛沢東同志の指示と中央の政策を直接幹部と大衆に見せて、かれらに繰り返し宣伝し、家ごと戸ごとに知らせて、中央の政策を幹部と大衆のものとし、かれらの行動を一変させなければならない。運動全体において、階級隊伍を組織して「四清」を進めるにしても、あるいは敵に対し闘争を展開するにしても、いずれも十分に大衆を発動し、この運動を真に大衆のための、大衆の自覚した革命闘争とする。工作はきめ細かくしなければならず、軽々しく事に当ってはいけない。必ず時間の配分に十分の余裕をあてなければならない。一般的な経験では一つの点において、今回の社会主義教育運動の工作を完成するにはほぼ三ヵ月前後の時間が必要である。一〇日、半月で完成する企画のやり方は妥当ではなく、それでは混乱を招くことになる。
(四) 基層組織および基層幹部に依拠する。社会主義教育運動の中で、工作隊がもし基層幹部の枠内だけでぐるぐる回り、根を深くはわせ気脈を通ずることなく、貧農、下層中農を発動するなら、明らかに間違いである。しかし、 もし基層組織と既存の幹部をおっぽりだして、かれらに依拠することなく工作を進めることもまた間違いである。このようなことをするなら、基層幹部は工作隊および貧農、下層中農と対立することとなって、運動の順調な展開に不利となる。工作隊の任務は主として基層幹部を「参謀」とし、自ら進んで指導と支援に当り、基層幹部を啓発して問題の分析をよりよくし、方針と方法を確定し、決してかれらに代ってすべてを引き受けるということをしてはならない。個々の場合として、地主、富農、反革命、悪質分子によって指導権を奪いとられ、そして脱落変質した分子が指導権を握っている社、隊については別である。このような社、隊に対し正確な調査を行い、県委員会の承認を経た後で、実力のある工作隊を派遣して、これら悪質幹部を追放し、直接貧農、下層中農を発動し組織し、組織の整頓を進め、積極分子を養成し、一歩一歩新たな指導の中核をうちたてるべきである。当然、この種の社、隊の中の少数のよいものあるいは基本的によい党員および幹部については、かれらと団結するよう留意し、いっしょに工作を進めるべきである。
(五) 運動の中で「六〇条」をさらに一歩進めて貫徹する。すべて「六〇条」と関係のある問題は必ず「六〇条」 の規定に照らして処理しなければならない。決して「六〇条」をなおざりにして、別のことをやってはならない。 「六〇条」がうまく貫徹されているかどうかは、社会主義教育運動がどのように進められているかを検査する基準の一つである。
(六) 生産工作と密接に結びつける。社会主義教育運動が進められる以前においては、幹部は認識の上で往々にして生産を重視して階級闘争をゆるがせにしがちであった。運動が展開されてからは、特に大衆発動されてからは往々にして生産工作がゆるがせにされがちである。この二つの偏向はともにさけるべきである。社会主義教育運動の進行はかならず生産工作と密接に結びつけなければならない。運動が一歩進むごとに、それだけ生産が遅れるものであってはならない。運動中におけるすべての措置は、それぞれ生産に有利なものとなるべきである。運動全体にわたって、随時大衆の政治的情熱と労働の積極性に留意し、集団経済を強固にし、農業(集団副業をも含む) 生産を発展させるように導かなければならない。
(七) 点と面との結びつきに注意し、積極的に面における社会主義教育工作をうまく行なう。点の工作をきめ細かくやるにはその期間をやや長く、ほぼ三ヵ月前後を必要とする。面での工作では、悪風を止め、大衆を発動し、まず幹部と大衆との関係をうまくやり、階級敵の作用に打撃を加えることであり、その期間は二〇日前後さえあれば十分である。点と面との結合がなければならないとする理由は、今回の社会主義教育運動が点から面へと、時を分け、量を分けて繰りひろげられるもので、ある時期では系統的に運動がなされない社、隊が大多数を占め、かつ、点での運動が展開されると面に対して必ず大きな衝撃をひき起すことになり、もし、広大な面での工作をおろそかにすると、 重大な損害をつくり出すことになるからである。
面では日常工作をしっかりつかむばかりでなく、さらに以下の諸工作をもうまく行なうべきである。(1)区あるいは公社を単位として、三級あるいは四級幹部会議を召集し、全ての党員および貧農、下層中農の代表を参加せしめ、中央の「関於目前農村工作若干問題的決定草案」および本規定草案を学習する。開会日数は一〇日前後とし、今回の運動の方針、政策および目的を了解せしめ、かれらの認識を引き上げ、顧慮逡巡するのをとりのぞく。その後で、かれらによって大衆へ広く深く宣伝を行ない、大衆の中にその宣伝の勢いをもりあげる。(2)貧農、下層中農に依拠するという認識をもつことの重大な意義を基層幹部に教育する。面のうえで貧農、下層中農の組織を設立することは急ぐ必要がないが、貧農下層中農代表会議を開いて各項工作を推進してもよい。生産、生活の中で困難な問題をもつ貧農、下層中農に対しては、積極的にその問題の解決を助けてやらなければならない。(3) 幹部が主動的に欠点や誤ちを改めるように励まし、かれらが身軽になって運動の戦線に加わり、敵に対して団結するようにする。分配工作を運動に結びつけるよう幹部へ要求し、工分(労働点数)および帳簿をきれいに整理し、それに必要な制度をつくり、多くを喰い多くを取り込む、見栄をはった浪費、公金流用、汚職窃盗、投機やみ取引、大衆罵倒、規律違反、風紀紊乱は許さない。(4)幹部に対し積極的に集団生産労働に参加し、試験田の栽培をうまくやり、思想作風を改善し、民主的に公社を運営することを実施し、大衆と密接に連係するよう呼びかける。(5) 「六〇条」の貫徹を引き続き宣伝し、集団経済を強固にし、農副業生産を発展させる。(6) 階級敵の破壊活動をきびしく取締り、大隊を単位として、地主、富農、反革命、悪質分子の訓話会を召集し、よく事情を説明する政策(交代政策)を行ない、かれらにして法を守るものは許し破壊するものは許さない。現行犯に対しては断固として打撃を加えなければならず、大衆闘争を組織する必要があるものは必ず県党委員会の承認を得なければならない。
面における社会主義教育工作は時間的に長くかからず、点の場合のようにきめこまかなことを必要としないが、地域が広大でまた工作隊の指導、支援がないので、もしも指導に注意を欠くと容易に騒動が起る。地方の各級党委員会とくに、県委員会は必ず面の工作に力を入れ、情勢の変動に注意を払い、適時に問題を発見し解決しなければならない。初歩的な社会主義教育工作を経たのちに、面において、情勢が特に重大で、階級闘争が特に尖鋭で、問題を適時に解決することができない社や隊がでてくることが予測される。こうした社や隊に対しては、適時に工作隊を派遣し、そこを一つの拠点とし、系統的に深く社会主義教育運動を進めるべきである。
三 九五%以上の農民大衆を団結させる
毛沢東同志の提起した九五%以上の農民大衆を団結させるということは、われわれが農村社会主義教育運動を進めるうえで、必ず実行しなければならない一つの根本政策である。九五名以上の農民大衆を団結させるには、あくまでも、われわれがしっかりと全面的に党の農村における階級路線を貫徹するかどうかにある。貧農、下層中農は農村人ロの六〇~七〇%を占めている。この貧農、下層中農による工作がうまく行なわれると、九五%以上の農民大衆の団結も信頼するにたる保証がなされる。
九五%以上の農民大衆を団結するには、政策を具体的に実行する時に敵味方の矛盾と人民内部の矛盾との区別をはっきりさせ、かつ人民内部の矛盾を正確に処理しなければならない。具体的にいえば、以下いくつかの問題について区別を明らかにし、うまく処理することである。
(一) 資本主義復活の活動を進める階級敵と一時ぼんやりしていて敵に利用されている落後大衆とを必ず区別しなければならない。農民大衆の中には一部の極めて少数の貧農、下層中農をも含めて、思想が立ち遅れ、階級の限界が明らかでなく、敵の欺瞞のもとにおいて国家や集団の利益に損害をあたえ、あるいは封建的な迷信活動にかかわっているものがいる。このような人に対しては、階級敵に対するのと同様に打撃を加えてはならず、またかれらを教育して、かれらを闘いとり、かれらの目をさまさせて階級敵と決然と別れさせなくてはならない。
(二) 投機やみ取引分子と資本主義傾向のわりに重大な農民とを、必ず区別しなければならない。農民の中には、 専ら個人の財富を求めて国家や集団の利益を願りみない少数のものがいる。このような思想と行為に対しては、必ず教育し批判しなければならない。しかしかれらも勤労者である。すべての教育と批判はかれらが今後しっかりと社会主義の道を歩むようにするためのものである。われわれが打撃を加えようとするものは、決してこれらの人ではなくきわめて少数のもので、つねに投機やみ取引きを行ない、市場を破壊し、暴利をむさぼり、寄生生活をしている投機やみ取引き分子である。この類の人に対しては、情状の軽重、態度の善悪に基づき、政策および法律に照らして、課税追徴を加えるべきものは課税追徴を加え、罰金を課すべきものは罰金を課し、没収すべきものは没収し、法によって処理すべきものは処理すべきである。
(三)投機やみ取引きに反対する闘争の中では、投機やみ取引きと正当な集市 取引活動、臨時的なかつぎ売り、小量の運送販売活動とを必ず区別しなければならない。集団経済単位の生産する農副業生産物、公社社員家庭の副業および自留地の生産物は、国家が特別に制限を加えているものをのぞいて、国家の征購(訳注・・法律による農作物の国家買上げ、時に実物徴税も含む〕、派遣買付け任務を完了した後、定められた集市において出荷販売を許可すべきである。国家が政策として許可しているわずかの行商販売は、大衆の生活には便利であって、これを投機やみ取引きとすべきでない。従来付帯的な小商いで国家が販売を禁止している物資をあつかわず、遠隔地への運送販売をせず、市場を破壊しないものも投機やみ取引きとすべきではない。
(四) 資本主義の自然発生的な勢力と正当な社員の家庭副業とを必ず区別しなければならない。社会の家庭副業については、自留地およびわずかな荒地の開墾地におけるものを含め、これらについては必ず「六〇条」の規定にしたがって処理し、これに違反してはならない。資本主義の自然発生的な勢力に反対しても、決して社員の正当な家庭副業を侵犯しあるいは制限してはならず、任意に「六〇条」が規定する範囲内の自留地および開墾地を没収してはならない。社員の自留地および開墾地にして、規定の枠の量を超えているものは、その超過部分の量が少なくて集団経済に影響の与えないものについては、一般にそのままにしておく。もし量が比較的多いものについては、農民に対し説得教育して、適当な方法をもって集団所有に回収すべきである。
以上四つの問題はいずれも運動の中において、とかく限界を混同しやすい重要な問題である。これ以外にもなお多くの具体的な政策の限界、たとえば、汚職窃盗とこそどろとの限界、封建的迷信を利用して銭をだましとり、人をそこね封建的宗族支配を復活し、反革命活動をするものと大衆のおくれた習慣や迷信からくる行為との限界、いいがかりをつけて金銭を強奪し搾取するものと相互扶助や友人間の正常な経済的つき合いとの限界などがあり、これらに対する処理には、必ず実事求是の態度をもって具体的に分析して慎重に対処し、問題は問題として大きくも小さくもしてはならない。もしこのようにしなければ、政策を破壊し、大衆を傷つけ、運動に害をあたえることになるだろう。
農民大衆のもっている欠点や誤ちには、辛抱強く教育してかれらの意識を啓発し、かれらの認識を引き上げ、かれらが自覚して改めるようにさせるべきである。比較的誤りの重大なものに対しては適当な批判をすべきであるが、必ず説得教育の方針を堅持しなければならない。集団の農具やその他の財を占有し、あるいは国家の物資を勝手にもち出している者がいれば、教育を通じてかれらに自発的にそれをさし出すようにさせるべきである。また集団の耕地を占有しているものがいれば、教育を通じてかれらにこれを返させなければならないが、情理にかなった方法で行ない作物をふみあらし、土地を荒廃させてはならない。貧農、下層中農の中にはごく少数であるが、資本主義の影響をやや深くうけ、比較的重大な資本主義思想をもつものが存在しつつある。これらの人びとに対しては、きめ細かな教育工作を進めるべきであり、社会主義の道を歩む決心をさせなくてはならない。ただ、まじめに悔い改め、大衆の同意をうければ、かれらは以前の通り頼りがいのある対象として貧農、下層中農の組織に加えるべきである。要するに、 大衆の中で社会主義教育を進め、欠点と誤ちのあるものに対しては、「団結―批判―団結」の方法のみをとりあげ、大会を開いて闘争をすることを許してはならず、みだりに帽子をかぶせてはならず、まして人を殴打してはならない。 ある地方では、つかみ合い、乱闘し、刑罰を加えた違法騒乱事件が起きたところがある。このような事件は個々のちょっとした現象であるが、必ず十分に注意を促さなければならない。
都市から「下放」して農村へ行き、農業生産に従事している労働者、幹部、学生、復員軍人らは社会主義農村を建設する一つの重要な力であり、かれらを軽視してはならない。かれらの中の多くは各々、部隊、工場、機関あるいは学校で相当な革命教育をうけ、政治意識も比較的高く、またある程度の工作につき、経験と文化知識をもっている。 必ずかれらとの団結に留意し、かれらの作用を発揮させる必要がある。
人民解放軍と公安部隊官兵の家族は、その大部分が農村に住んでいる。軍人家族工作をうまくすることは軍隊を強固にし、軍政および軍民間の団結を強化することに対し重大な意義をもっている。今回の運動の中で、党と国家の軍人擁護、軍人家族優待の政策を深く宣伝し、真剣にこの政策の実行状況を点検すべきである。軍人家族は自己の栄誉を誇りとし、大衆の中で模範となる行動をとり、積極的に集団生産労働に参加し、断固として社会主義の道を歩むように教育しなければならない。幹部と大衆には軍人家族の栄誉を尊重し、一部の生活に困った軍人家族に対して適当な考慮を与えるよう教育しなければならない。現役軍人の結婚は国家の法律に照らして保護しなければならない。
社会主義教育運動の中にあって、以上の方針とやり方をとりあげることこそ、われわれは必ず九五%以上の農民大衆を団結し、かれらとともに敵に当ることができる。あとの五%に満たぬもののすべてを、打撃を加える対象としてはならない。かれらには重大な誤ちを犯し、中には敵対矛盾の性質をもつものもあるが、かれらは、元来勤労人民であって、多数のものは階級敵といくらかの区別があるから、力をつくしてこれを聞いとるべきである。これら一部のものの中で、真に打撃を与えなくてはならぬものはごく少数のはっきりと人民の敵となっているものだけである。
四 貧農下層中農組織に関して
(一) 貧農下層中農組織をうちたてるには、必ず貧しきものを訪づれ、その苦労を尋ねて、根を深くはわせ気脈を通じ、運動が浸透するにしたがって、小より大へと一歩一歩発展させる方法をとらなければならない。最初に吸収するのは、立場がよく、労働がよく、意識が比較的高く、政治的に純潔である貧農、下層中農であるべきである。欠点が比較的多く、立場がよくなく、労働もよくない一部の貧農、下層中農は、運動の中で教育と点検を経たあとで少しづつ吸収すべきである。貧しいものを訪れ、その苦労を尋ね、根を深くはわせ気脈を通じることは、農村の階級隊伍を組織するのに必要不可欠の基礎工作である。思い切って大衆を発動するのは、主として貧農、下層中農であり、これもまた社会主義教育運動を展開する一つの基礎工作である。各地の経験が証明しているように、おおむねこうした方法をとらないで、行政命令の方法をとってうちたてた貧農、下層中農組織というのは、必ず有名無実のものとなり、何の作用も起こさないものとなる。以前のある時期、ある地方で、鳴物入りでいくつかの貧農下層中農組織をうちたてたことがあった。この類の組織は大多数が形式だけのものであり、あるいはひどく不純なものであった。この類の組織に対しては整頓工作を進め、工作を強化すべきである。
(二) 貧農下層中農組織は中央決定草案が指摘しているように、必ずその純潔性と大衆性を保持していなければならない。貧農下層中農組織の骨幹分子(たとえば委員会の委員、代表会の代表、小組の組長)の中で、必ず旧雇農および貧農(訳注・農地改革以前の)が絶対的優勢を占めるよう保証しなければならない、しかし、一定数の新旧下層中農をも含めなければならない。貧農下層中農組織の骨幹分子には、さらに、一定数の青年および婦人をも含めるべきであり、これは農村の青年工作および婦人工作強化に大きく作用するものである。貧農下層中農組織の最終段階では、絶対多数の貧農、下層中農大衆の参加を勝ちとるべきであり、参加しえないものは四類分子との関係が深く、重大な誤ちを犯し、また何度か教育しても改めないものだけとする。民族雑居の地域においては各民族の中の貧農、下層中農を吸収参加させるように注意すべきである。
(三)貧農下層中農組織をうちたてる日常工作に注意しなければならない。貧農、下層中農の組織は政治運動の中で作用させなければならないだけでなく、日常の生産建設、集団経済およびプロレタリア階級独裁の強化の諸工作においてもその作用を発揮させなければならない。工作制度のうえから、貧農下層中農組織が公社、生産大隊、生産隊に対する工作およびこの三級幹部に対する協力と監督を進めることが充分できるように保証しなければならない。管理委員会〔訳注:公社各級の〕は重要問題を討論する場合、貧農、下層中農の代表の出席を必ず要請しなければならない。公社各級幹部を教育するには、かれらを貧農下層中農組織に依拠して集団経済をうまく運営するよう学習させなければならない。
(四)貧農下層中農組織が日常工作をもつことができるかどうか、常に作用を発揮できるかどうかは党の指導によって決定される。党支部は常に貧農下層中農組織の工作に関心をもち支援すべきである。社、隊と関係するすべての重大な事柄は、党内で討論する前に貧農下層中農組織の意見を求めるべきである。そして党内での討論がすんだ後で、まずこの貧農下層中農組織にその結果を伝え、かれらと相談し討論すべきであって、すべての農村党支部はいずれも正しく党の農村における階級路線を理解し、かつ正しくこの階級路線によって工作を進めることを学びとらなければならない。
(五) 社会主義建設の時期において、農村階級隊伍を組織する問題に関しては、われわれの経験はなお十分ではない。貧農下層中農組織をうちたてる中で、さらに多くの具体的な問題、たとえば貧農下層中農組織の名称、この組織のもつ任務と権力、この組織の基層単位は生産大隊におくべきか、それとも生産隊におくべきか、公社各級党組織の幹部および管理委員会の幹部はこの組織の指導員でありうるのかどうか、この組織と党組織および管理委員会との関係、県一級に貧農下層中農組織をつくる必要があるのかどうか、省、地(専区、自治州)の両級は定期的に貧農下層中農代表会議を召集する必要があるかどうか、こうした諸々の問題はいずれもなお完全に解決しておらず、各省、市はひきつづきその点検を行うべきである。中央の農村工作主管部門は各地の経験に基づき、一九六四年上半期に一つの貧農下層中農組織規約を起草すべきである。
五 中農問題
中農問題は一つの重要な問題であり、農村社会主義教育運動の中で必ず正確に対処しなければならない。貧農および下層中農に依拠することを基礎とし、その上にその他の中農と堅固に団結することは、党が農村の中で長期にわたって実行してきた階級政策である。
中農に対処する問題において、その主なものは上層中農に対処する問題である。ここには、二つの面が含まれている。一つはいかに上層中農を他の中農と区分するかということであり、もう一つはいかにして上層中農と団結するかということである。上層中農は農民の中での一つの比較的複雑な階層であって、実際工作ではくいちがいが生じ易く、往々にしてこの部分に対処する政策については、上層中農に対し処理が不当であったり、またその他の中農との関係に影響をあたえることになる。こうした意味あいからして、上層中農を正確に処理するかどうかは、社会主義教育運動の中で九五%以上の農民大衆を団結させることができるかどうかの一つの重要な問題なのである。
どのような基準をもって上層中農を区分するのか、この問題について一部の同志の中ではまだ明らかなものとなっていない。ある同志は単純に生活の富裕度を区分の基準としている。その結果、一部の貧農およびその他の中農を上層中農とし、ひどいものは合作化以後において、集団に依拠して生活が上昇したものまでも上層中農としていることである。こうしたことは農民の集団生産に対する積極性を動員するのに、まったく不利である。これは生産を阻害こそすれ生産を促進するものでないから、ひどい誤りである。われわれが積極的に激励するところは、まさに広範な農民が集団に依拠し生産を発展させ、ともに富裕となることである。われわれが反対するところは、公を損ねて私を肥やし、他人を損ねて自分の利益とし、少数の者のみ儲けて、多数のものが貧窮し破産するという、そのような資本主義の道だけである。
さらに政治的態度をもって上層中農区分の基準とする同志もいるが、これは科学的ではない。かつこの基準については意見の一致をみることはむずかしく、またきわめてつかみにくくもあり、その結果、往々にして思想の立遅れ、 あるいは比較的欠点の多い貧農およびその他の中農を上層中農としてしまって、農村の階級隊伍を混乱させることになる。この以上二つの上層中農を区分する方法はいずれも間違いである。上層中農を区分する根本基準は、比較的多くの生産手段をもち、わずかながらも搾取を行なっているというところにある。上層中農の生活状況が一般的にその他の中農以上というのは、まさにかれらが比較的多くの生産手段をもち、わずかながらも搾取を行なっているからである。土貧農が中農に上昇したもので、少しの搾取もしていないものは、いずれも新上層中農としてはならない。合作化以後、集団に依拠して生活が上昇した貧農およびその他の中農は、かれらがもはや主要な生産手段をもたないばかりか、いかなる搾取をもしていないものは、いずれも新上層中農とすべきではない。合作化以後一部において不当な収入によって富裕となった貧農および下層中農は一般的にそのままとし、かれらの身分(成分)を変える必要はない。
「旧中農は土地改革の時、一般的に上層中農〔原注・当時は、富裕中農と呼ばれた」と一般中農とに区分された。現在、 農村の階級隊伍を組織する時において、これらのある者を旧下層中農と確定することが求められている。いわゆる下層中農とは、旧中農の中にあって生産手段をもつことが比較的少なく、少量の労働力を売るかあるいは少量の債務をもたざるを得ないものであって、生活水準が比較的低い一部のものである。一般の旧中農の中で、旧下層中農を除いたものを中農と称する。これらのものは他人を搾取しないという点で、旧上層中農と区別し、これゆえにかれらを上層中農に入れるべきではない。それと同時にこれらのものは、経済的に自給自足することができ、一般的に労働力を売らず、債務をもたない点で、旧下層中農とも区別し、そしてこれゆえに、かれらを依拠すべき力とはできず、ただ団結する力とのみできるのである。
目下、農民各階層の身分について一部問題が存在しているが、農村工作に従事するすべての同志の中で、あらためて一九三三年発布の中央の農村階級区分に関する二つの文件および一九五〇年の政務院補充決定ならびに政務院の若干の新たな決定を学習する必要があり、それは認識の統一、階級分析の基準の統一をするうえにおいて役立つものである。いうまでもなく、このことは現在農村であらためて階級を区分しなければならないというのではない。今回の運動の中で、局部的な特殊の地域をのぞいては、すべて階級区分をあらためてやることはない。農村の階級身分は土地改革のときに区分された身分ならびに合作化以前の変化を参照としてつくられた身分によるべきである。もし、過去において間違えた身分をうけたものがいるなら、階級隊伍を組織する時にその改正を求め、上述の文件の精神にのっとって過去のものを改めることができる。
上層中農は農民の中でも資本主義傾向を比較的多くもつ一つの階層である。農村における資本主義と社会主義との二つの道の闘争での一つの重要な面とは、上層中農の資本主義傾向と貧農下層中農が堅持する社会主義方向との間の闘争である。上層中農の資本主義傾向に対しては必ず教育批判しなければならず、事情の重大なものには必要な闘争を進めなければならない。そうしなければ、かれらの動揺を制止し、かれらの貧農および下層中農の間にまきちらす影響をとりのぞき、集団経済を強固にすることが十分でなくなる。しかし、かれらは勤労者であり、われわれの友人なのであるから、必ずかれらと団結し、またかれらを生産の中で正しくその作用を発揮させるようにしなければならない。合作化以来十数年の事実が証明しているように、大多数の上層中農はわれわれに従って社会主義の道をあゆむことができるのである。何でもかんでも上層中農に反対するというのであってはならない。われわれが反対するのは、ただ資本主義傾向のひどい少数の上層中農のもつ、国家、集団、社員の利益を損なう思想と行為に対してのみである。上層中農の中で一部の者が先頭に立ち、単幹〔訳注・・自作農)を叫び、投機やみ取引きを行なったからといって、上層中農すべてに対し、事のよしあしもはっきりさせずに一律に打撃を加えるようなことがあってはならない。
われわれと資本主義傾向をもつ上層中農との矛盾は、やはり人民内部の矛盾に属するものであって、これについては慎重に処理すべきである。貧農、下層中農を発動し組織することになった後では、この問題について特に注意しなければならない。少数の上層中農の資本主義傾向に反対するには、ただ批判と教育の方法のみをとりあげ、敵対闘争の方法をとってはならない。かれらの社員としての権利を剝奪してはならず、また批判されるものにブルジョア分子としての帽子をかぶせてもならず、さらにかれらが集団労働により多労多得で得た正当な利益を犯してはならない。
少数の地方では、土地改革当時に地主に加えた闘争と同じように一部の上層中農をとりあつかうところもあったが、 このようなことは断固として防止すべきである。上層中農を地主や富農の側へおしやることは、われわれにとってたいへん不利である。
六 九五%以上の農村幹部を団結させる
社会主義教育運動の前段階の中で、各地では毛沢東同志が規定した「説得教育し、手を洗い体を洗い、身軽になって工作につき、団結して敵に当る」という方針を実行し、九五%以上の幹部を団結させた。状況はきわめて良好である。しかし実際の工作においては、まだいくらか問題が残っている。ある地方では、運動を指導する同志のあるものに、いくらか一面的な認識と方法が存在している。大衆がなお立ちあがらず、資本主義勢力と封建勢力に反対する闘争がなお展開されていないときには、往々にして基層幹部の中に存在する問題の重大性について認識不足であり、誤ちを犯した幹部に対する教育と批判が十分に厳格に行なわれず、その職場をうつすにしても姑息となり、事情が曖昧になりがちである。しかし階級闘争の蓋があけられ大衆が十分に立ちあがった後では、また往々にして敵対矛盾と人民内部の矛盾の区別をそこない、敵方を誇大にして基層幹部を黒一色にみなし、ひどいものはかれらを主要な打撃の対象とさえする。こうした状況、特に後のことはまったく有害なものであり、これを改め防止するようにすべきである。
各地での拠点の経験が示しているように、九五%以上の幹部を団結することは、九五%以上の大衆を団結するための一つの前提条件である。幹部の問題の処理がうまくいくと大衆を団結する問題も比較的容易に解決される。事実、 幹部を教育する過程は大衆を教育する過程でもある。幹部教育工作をうまくやり、かれらの立場を安定させ、限界をはっきりさせ、誤ちを検討し、作風を改善することは、大衆の自己教育にその手本をあたえることになる。
九五%以上の幹部をうまく団結するために、以下の幾つかの重要問題について、必ず正確な認識がなければならず、正確な解決方法をとらなければならない。
(一) 広範な基層幹部に対しどのような見方をするのか、全面的な分析がなければならず、一面的であることが最もよくない。農村基層幹部の中の非常に多くの人びとは大なり小なりの誤ちを犯し、その中には誤ちの比較的重大なものがわずかおり、これ以外にさらに少数の地主、富農、反革命、悪質分子が幹部隊伍に紛れ込んでいると見なすべきである。これがその一面である。しかし重要なことは、絶対多数の農村基層幹部はいずれも良好であり、社会主義の道を十分に堅持することができるということである。階級闘争および生産闘争に積極的に参加する過程で、かれらの欠点と誤ちは一歩一歩改めることが十分に可能であり、かれらの思想意識が一歩一歩高められていくことも十分可能である。かれらのうちの七〇ないし八〇%の人は土地改革時の貧農および下層中農であり、その中の大部分はまた土地改革時および合作化の時期の積極分子であり、土地改革の闘争の中で、農業合作化達成の過程の中で、農業生産指導の中で、非常に多くの工作をしたものである。問題となるかれらの多くの、今日犯している誤ちの大部分は、多くを喰い多くをとり込み、手足がよごれていたりなどの一般的性質の誤ちに属するもので、重大な誤ちを犯しているものはごく少数である。このことが他の一面であり、これが基本的な面である。農村基層幹部に対しては、こうした全面的な見通しがあってこそ、九五%以上の人を団結することが可能なのである。九五%以外のもので重大な誤ちを犯しているものについては、分析をしなければならない。一部の地方の調査によると、救いようのない変質分子および粉れ込んでいる地主、富農、反革命、悪質分子は一%前後にすぎない。その他の二~三%あるいは四%は、その誤ちが重大でかつ往々にして階級敵とつながりをもち、あるものはすでに地主分子、ブルジョア分子にひきづりこまれ、大衆のかれらに対する意見も大きくでているが、しかしかれらは階級敵とはなお区別し、かれらに対しては教育、改造、団結の方針をとるべきである。
(二) 誤ちを犯した幹部に対してどのように処理するのか。すべての精神は教育を主とし、処分を従とすることであり、状況を区別してそれに応じて個別に対処することであり、批判することおよび不正で得た贓品を返還することには厳しくするが組織的に処分することは寛大にし、抵抗しこばむものは厳しくするが率直に自己反省し自供するものには寛大にすることである。具体的に行なう方法の上で、つぎの四つの環節をつかみとらなければならない。
第一、政策の限界を明らかにする。すでに列挙したものは別として、特に以下の二つの限界問題をはっきりと区別すべきである。すなわち、汚職窃盗と支出超過による流用、および多くを喰い多くをとり込み、見栄をはった浪費との限界、腐敗堕落と生活作風の面での一般的な誤ちとの限界である。
第二、教育工作をうまくやる。誤ちを犯した幹部に対しては、病を治して人を救う態度をもち、心から熱意をもってかれらを幇助し、かれらの認識の誤ちを教育し、誤ちを改めさせなければならない。すなわち脱落変質した幹部に対しても批判闘争を経た後では、最大の努力をもってかれらを十分吸収しうるようにし、改めたものはことごとく吸収するようにすべきである。われわれの基層幹部の多くは旧社会において苦しい目にあい、圧迫をうけていたのであり、かれらに旧社会を思い出させ、これを新社会に比べさせると、かれらの階級意識を啓発させることがきわめて容易となる。これは階級教育を進めるうえできわめてよい方法であり、多くの地域での拠点はすでに成功の経験も得ているので、これを各地でひろく採用すべきである。
第三、経済面での返還や賠償をうまくやる。汚職窃盗による金銭や物資は多少にかかわらず、必ず返却あるいは賠償させなければならない。投機やみ取引きの誤ちを犯したものに対しては、必ず法律および党の政策に照らして、課税追徴、あるいは罰金を課し、あるいはかれらの不浄な財を没収しなければならない。要するに、汚職窃盗、投機やみ取引きの誤ちを犯したものに経済的に都合のいい地位を占めさせてはならず、かれらがこれを教訓として、再び誤ちを犯させないようにする。しかし、計算については実事求是をもってあたらなければならず、賠償、課税追徴および罰金については情理にかない、また大衆が満足し、誤ちを犯したものが受け入れられるものでなければならない。 適用期間はひどく昔にさかのぼってはならず、汚職窃盗、投機やみ取引きをした集団の頭目および常習犯をのぞき、 一般に「六〇条」第一次修正草案が農村に下達された以後、すなわち一九六一年下半期から起算すべきである。汚職窃盗による財貨は、原物のあるものは原物により、原物のないものは一般的に現在の国家公定価格あるいは現行の市場価格に換算しやや割引いて返却賠償させてもよい。いっぺんにできないものは期を分けて分賦にしてもよい。
汚職窃盗分子に対しては、率直に自己反省して白供し、賠償をよくやり、また人民の憤りもそれほど大きいものでなければ、汚職窃盗分子としての帽子をかぶせなくてよい。しかし、重大な汚職窃盗分子は配置転換しなければならず、ひきつづき責任ある幹部としての職務および金銭物資取扱いの職務を続けさせてはならない。
多くを喰い多くをとり込むという誤ちを犯した幹部に対しては、いずれもきびしく批判しなければならない。またその数量が大きく、情状の悪いものは原則として必ず返却賠償しなければならず、一回でそれができないものは期を分けて返却してもよい。もしも本人がそれについて検討をうまくやり、大衆の同意が得られれば、情状を酌量して減額してもよい。数量が比較的少なく、何処にもある一般的性格をもった多くを喰い多くをとり込む誤ちであれば、本人がそれについて検討をうまくやり、大衆の同意が得られれば、返却賠償しなくともよい。多くを喰い多くをとり込んだことを検査する場合、その適用期間をひどく過去にさかのぼってはならず、一般的に一九六二年から起算すべきである。
第四、組織の処理工作をうまくやる。組織的処分はいく分ゆるめるべきである。およそ自ら進んでよく事情を説明し、検討をうまくやり、返却賠償をうまくやり、かつ手を洗って悪いことをしないと決心したものは、処分を軽くするかあるいは処分を免じてもよい。誤ちが重大で、事情を説明することをいやがり、返却賠償を惜しみ、大衆が処分しなくてはならないと認めたものにのみ、必要な規律処分を加える。処分するには実事求是をもってあたり、こうした処分にはこうした処分を、という間違いのないものでなければならない。処分の面についてはきびしい統制を必要とする。救いようのない変質分子および幹部隊伍に紛れ込んだ地主、富貴、反革命、悪質分子を除き、こうした規律処分を加えるもの(この種のものはいくらかきれいに洗いおとしている)で、県単位で処分をうける数は一般的に幹部総数の二%以内におさえるのが比較的妥当な線であろう。具体的な比率は、省、市、自治区党委員会がその具体的な状況に基づいて規定をつくり、それによって統制を加える。
総じて、誤ちを犯した幹部の取り扱いには厳粛であり慎重でなければならない。運動中で暴露した資料については、必ず事実を正しく検討し、まじめに問題の性質の区分と情状の軽重を分析研究したうえで、これを処理しなければならない。すぐに見分けのつかない問題については、特別案件(専案)として調査がはっきりした後で、再びこれを処理する。およそ敵対矛盾と内部予盾が区別しにくい問題については、まず人民内部の矛盾としてこれを処理する。個別的な案件で適時に処理すべきものをのぞいては、一般に運動の後期において行なう。すなわち指導と大衆がわりに冷静になったときに処理を行なうべきである。
(三) 今回の社会主義教育運動の中では、人を損ね物事を破壊することに反対するばかりでなく、よい人よい事柄を表彰しなければならない。立場がしっかりし、工作に積極的で、集団を愛し、公正な仕事をし、制度を遵守し、清廉潔白に奉仕し、積極的に集団労働に参加し、大衆の擁護をうけている幹部については、表彰して広範な幹部の中において学習の手本となるようにすべきである。
(四) 上層中農出身の幹部についてはどのように取り扱うか。この問題に対しては、貧農、下層中農出身の幹部が指導機構の中で、その優位を占めることを保証し、その前提のもとで具体的状況に基づき、かれらを貧農、下層中農と区別してとりあつかい、妥当にこれを処分すべきである。
新上層中農出身の幹部については、かれらが断固として党の政策を実行し、貧農、下層中農とともに社会主義の道を歩むことをかたく決意しているものにのみ、従来どおりかれらを信任し、かれらの指導職務を変えてはならない。
もしも、かれらが政治上、経済上貧農、下層中農に偏見をもち排斥するとか、あるいは比較的重大な誤ちを犯し、大衆がかれらを信任していなければ、適当な方法をもって調査を行なうべきである。
旧上層中農は一般的に基層組織の主要な指導職務につくことはよくない。その中で、党の長期教育をうけ、社会主義的意識も比較的高く、一貫して社会主義の道を堅持し、公正にして仕事がよくでき、大衆が支持し、比較的よいことが各方面であらわれているものは、引き続き基層組織の主要な指導職務を担当させてもよい。
旧上層中農出身の党員については、党員の基準をもってかれらを評定すべきである。基層組織での主要な指導職務を担当することができるかどうかは、かれらの出身の如何によるのではなく、かれらの「道徳」と「才能」の状態による。
(五) 地主および富農の子女、ならびに地主および富農の子女と結婚したものは、基層幹部となることができるのかどうか。
地主、富農の子女は一律にその地の基層指導幹部を担当することはできず、また一般的に会計担当員、労働点数記録員、物資保管員などの重要職務を担当することはよくない。しかし、比較的長期間にわたって観察し、態度のよい地主、富農家庭出身の青年学生、郷里に帰ってきた労働者・職員、復員軍人に対しては、必要に応じてかれらに適当なわずかの工作(社会工作を含む)を配分し、かつ工作中においてかれらを教育し改造してもよい。
地主、富農の子女と結婚している党員および幹部が、党員の資格があるのかどうか、幹部の資格があるのかどうかは、主として本人の行ないに基づき、単純に地主、富農の子女と結婚しているという点だけをとらえてはならない。 ここにこの問題を処理するための基準をおく。こうした一部党員、幹部についてはしっかりと教育してかれらの意識を高め、政治のけじめをはっきりさせ、階級的立場に立ち、結婚相手を教育して、結婚相手の影響をうけないようにさせなければならない。地主あるいは富農分子と結婚したものは、別に論ずることとして、一般的にかれらを党員あるいは幹部としてはならない。
七 幹部の集団生産労働への参加に関して
幹部を集団生産労働参加に動員し組織することは、社会主義教育運動の一つの重要な内容である。社会主義教育運動がまだ展開されていない地域においても、一部ではすでに幹部の労働参加を宣伝し普及しているところもある。現在、幹部が労働に参加しないといった状況は、多くの地方ですでに大きく改められている。しかしこの問題の徹底的な解決として、三年以内に全国農村の幹部がいずれもまじめに集団労働に参加し、かつ長期にわたってそれを堅持していくには、なお多くの工作を行ない、多くの思想問題および実際問題を解決しなければならない。
目下、一部の幹部の中には集団労働に参加することの偉大な革命的意義に対して、依然として認識不足であり、労働することを嫌い、労働を軽視する思想をまだうまく解決できていないものがいる。一部の指導機関、特に一部の県、公社の指導機関では、官僚主義の指導作風がまだ完全に改められておらず、会議が多く、統計報告を求めることが多いことの現象が依然としてあとを絶たないでいる。またある一部の地域では、幹部が労働に参加した後で生じた実際上の困難な問題に十分注意を払っていない。こうしたことはすべて、幹部の労働参加という制度をしっかりうち立てることに影響を与えている。
以上の問題を解決するためには、必ず次の三つの事柄をうまくやらなければならない。それは、宣伝をする、制度を定める、指導機関の指導作風を改善する、ということである。
幹部すべてが、必ず労働に参加することの偉大な意義についての認識を、さらに一歩高めなければならない。幾千年来、搾取階級が労働を軽視してきた思想の影響は、容易にとりのぞくことができるものではない。基層幹部に対して引き続き宣伝教育工作を行ない、まじめに深く幹部の労働参加に関する中央文件を学習するように、かれらを組織すべきである。かれらの思想状況に正面から対応し、かれらの思想問題を具体的に解決して、認識を引き上げ、意識を引き上げ、集団労働参加についての自覚を引き上げる。
生産大隊および生産隊の幹部を常に労働に参加させるためには、さらに必ず一まとまりの適切で実行可能な規章制度をうち立て、かれらの一年間の基本労働日数を規定し、かれらに対する補助手当の基準を規定し、工作と労働の合理的な配分などをこれに含めなければならない。大隊および生産隊ごとに、基本労働日は何日達成すべきなのか、補助手当ては何工分(労働点数)にすべきかを決めなければならないが、これらはいずれも社員大衆の討論を通じて決められるものでなければならない。大隊および生産隊幹部の工分および補助手当総額は、生産隊工分総額の二%以内に必ずおさえなければならない。
各級指導機関、主に県、公社両級機関の指導作風を改善することは、基層幹部の労働参加の重要な保証である。県、 公社両級指導幹部はいずれも一九五七年中央の幹部の労働参加に関する指示に照らし、毎年一定期間深く末端に入って生産隊社員といっしょに労働すべきである。県、社の指導幹部が農村の集団労働に参加して、実際を理解し、大衆と連係し作風を改善することは、いずれも重要な意義をもつものである。このように指導幹部が身をもって範を示すことは、これを広範な基層幹部について言うなら、疑いもなくきわめて大きな牽引および促進作用を起こすだろう。
中央は過去において再三指示を与え、繰り返し命令を出して、中央の各専門部門、省、地、県、公社の指導機関が会議を簡素化し、統計報告のみに頼ることを厳しく抑えることを要求した。しかし、この問題は少数の部門や地方において、いまもなおまじめに解決されていない。こうした状況は、必ず今すぐ改めなければならない。県社両級指導機関は必ず「六〇条」の規定を厳しく実行し、やたらと電話会議を開いたり、基層幹部を集めて会議を開いたりすることは許されない。各種の会議について、およそ開くか開くまいかというものは決して開かず、次回で間にあうものは今回は開かず、合同で開けるものは単独で開く必要はなく、部分的に開けるものを集中して全体的なものとして開いてはならず、農閑期に開けるものを農繁期に開いてはならない。県級の各専門部門が公社各級幹部を召集して会議を開くときは、いずれも必ず県党委員会の承認を得なければならない。公社が大隊および生産隊幹部会議を二日以上にわたって開くときも、必ず県党委員会の承認を得なければならない。統計数字や統計表は県の統計部門がその上級の規定に基づいて統一的に制定発令するもので、その他の単位は一律に自ら作成し制定してはならない。県の統計部門は必ず国家統計局の本年(一九六三年)四月一五日の通知に基づき、統計報告作成の状況に対し、きれいに整理しなければならない。保留を必要とする統計報告は明細表をつくり人民公社に交付する。およそこの明細表にないものは、一律に報告することを停止する。省、地両級党委員会は、書記一名を指定してその責任者とし、その地域内での会議および統計報告の簡素化の状況を半年ごとに一回検査を行ない、各種の会議および統計作成報告を最少限度までに減らすよう保証しなければならない。
八 社会主義教育運動に結びつけて農村の党基層組織を整頓する
今回の社会主義教育運動は実際上一つの大衆性をもった整党運動である。各地の拠点の経験が証明しているように党内問題の重大な地方では、党と大衆、幹部と大衆との関係はいずれもたいへん緊張している、階級工作のはげしい地方で、もし党の組織を整頓しなければ、社会主義教育運動は順調に進むことが不可能である。拠点の経験がまた証明しているように、今回の運動では単に一人ひとりの党員についてのたいへん良い教育と鍛練が行なわれたばかりでなく、一人ひとりの党員について一つのよい検討が行なわれた。これらの経験はいずれも、今回の運動の中で、農村の党基層組織に一つの整頓を進めることの必要性と可能性があることを説明している。
省、地、県級の指導機関が社会主義教育運動を配置する時には、整党工作の按配に注意し、この工作に対して指導を強化しなければならない。工作隊を組織する時には、党の工作経験をもつ一部の幹部を引き抜いて参加させるように注意すべきである。工作隊を訓練するには、一部整党に関する内容をもたせなければならない。
今回の農村整党工作は社会主義教育運動と密接に結びつけて進めるものである。社会主義教育運動の全過程は党の基層組織の整頓過程でもある。今回の社会主義教育運動を通じて、必ず農村の党基層組織が以下のような幾つかの要求を実現させなければならない。(一) すべての党員に一度厳しい階級教育と社会主義教育を受けさせる。一人ひとりの党員が党員としての基準をもって自己を評定するように教育し、その基礎の上に、批判と自己批判を展開させる。(二)党組織内の問題を暴露する。重点的に党員の社会的身分、階級的立場、政治的経歴および思想作風について一度審査する。(三)変質分子および党内に紛れ込んだ地主、富農、反革命、悪質分子を一掃する。(四)重大な誤ちを犯した党員および比較的重大な誤ちを犯し、かつそれを繰り返し教育しても改めない党員に対しては、適当な処分を行なう。(五)党員を教育する幹部、特に支部書記は先頭に立って集団労働に参加する。(六)党基層組織の指導中核を充実し健全にする。(七)党基層組織の日常工作および組織生活を充実し健全にする。これらの要求が実現されると、党の農村基層組織も基本的に整頓されることになる。
「前の誤ちを後の戒めとし、病を治して人を救う方針を実施し、そして思想を清め、また同志を団結するという、 この二つの目的を達成する」という毛沢東同志の規定は党内闘争の原則であり、当然農村における整党工作中に守らなければならない根本原則である。党の農村基層組織を整頓するには、当然党内批判と党外批判とを相互に結びつける方法をとるべきである。まず、党内会議を開き、その後に再び貧農、下層中農大衆中の積極分子を出席させた党会議を開き、これらの会議で批判と自己批判を進める。誤ちを犯した党員に対する処分は、運動の後期まで手をつけないでそのままにしておく。党員を処分するには、必ず厳格に党規約に照らして行ない、処分をうけるものの説明と申し開きを許し、一定の承認手続を経なければならない。少数の消極的落後党員に対しては、繰り返して教育を行ない、十分な学習を考慮する時間を与えて後に適当に処分し、一部なお登記されたまま党員としてとどまる時には、あらためて処分してもよい。
登記党員の書き換え工作は、今回の運動の中で進めるかどうかは、今のところ確定しない。各地で試験的に進めてもよく、あるいは単に党の基層組織だけを整頓するだけにして、党員登記の工作はしばらく手をつけず、あるいは社会主義教育運動と整党の基礎に立ち、それと結びつけて党員の登記を行なう。この問題については拠点の経験を経てあらためて確定する。
九 地主、富農、反革命および悪質分子に対する処理
社会主義教育運動中において、地主、富農、反革命および各種の悪質分子の問題は、必ず正確に処理しなければならない。われわれの方針は、資本主義勢力と封建勢力の進攻を断固として打ち破り、かつ闘争を通じて広範な農民、 特に貧農、下層中農大衆の階級意識を大きく一歩高め、それと同時に闘争の矛先を適確に集中して、重大な破壊活動をする地主、富農、反革命、悪質分子に向けなければならず、攻撃面を拡げてはならない。
運動中に暴露された転覆活動および破壊活動をしている四類分子については、大衆を発動し、道理を説く闘争を通じてかれらを屈服させなければならない。闘争後は大衆の監督下におき、大衆の力に依拠してかれらに対し独裁を遂行し、かつかれらの中の絶対多数の人びとを新しい人物に改造する。今回の運動では報復、殺人、強奪、放火、放毒の凶行で、人びとのきわめて大きな憤りをかった現行犯に対しては、必ずすぐにこれを逮捕して法によって処分しなければならないが、破壊活動をした四類分子に対しては基本的に「一人りも殺さず、大部分(九五%以上)は捕えない」方針をとる。逮捕しなければならないような破壊活動をしている少数の四類分子も、まずかれらを大衆の中に置いて闘争を進め、それによって敵を暴露し、大衆を教育し、運動の後期に審査と承認を経て、その上で法によって逮捕する。逮捕するには二つの基準を厳格につかんでいなければならない。第一、罪が大であり、証拠が確かで、しかも悔い改めないもの。第二、絶対多数の大衆が逮捕を要求しているもの。この二条を実施すれば、われわれは逮捕について誤りを犯さないであろう。破壊活動をした四類分子に対して「一人りも殺さず、大部分を捕えない」方針を基本的にとるべきであるというのは、われわれが経験に基づき、広範な大衆に依拠して、かれらに対し独裁を実施し監督、闘争、教育を実施しているからであって、かれらを捕えて殺すことよりも、さらに人民大衆と社会主義の利益となるからである。第一に、かれらの絶対多数は、自覚した大衆が正確な方法をもって、かれらをよい人間に改造することができ、第二に、かれらは社会労働生産力の一部であり、第三に、かれらの子女を獲得するのに有利である。一つの省、一つの専区の範囲について言えば、結局のところ少数の大罪極悪または悔い改めない分子が多数の大衆によって逮捕を要求され、また個別的に極刑を要求されるものも、それはそれとしてまったく必要なことである。殺すことについては厳格に過去の規定に照らして、中央の承認を経なければならない。
横領、投機やみ取引き、あるいは窃盗行為のある地主、富農分子のすべての非合法所得はいずれもきびしく処分すべきである。投機やみ取引きについては、課税追徴、罰金あるいは没収としなければならない。窃盗については、全部返還しなければならない。横領については、全部返還しなければならない。つまり、経済上の処分はきびしくしなければならないが計算は実事求是をもって行なう。 今回の運動の中で、大衆を発動し、四類分子に対し一度の批判と審査を行ない、適切にかれらの日常の監督と改造工作を強化する。すでに帽子をとったが、なお破壊活動をするものにあらためて四類分子の帽子をかぶせるには、県人民委員会の承認を経て、そうすることができる。個別的には、確実によくなったことを示す四類分子は県人民委員会の承認を経て帽子をとることができる。現在、一部の農村では独裁の対象が明確でない状況が存在している。たとえば、ある地主、富農、反革命、悪質分子であり、また右派分子であるものが、地方から都市へ逃げこみ、人民の監督を避けているものである。今回の運動の中で、各地の独裁の対象については実際状況に即し、さらにもう一回整頓を行なうべきである。
過去の土地改革の中で、ある地方の一部の地主、富農分子を区分から漏らしてしまった。各地の状況は一様でなく漏らしたのが多い地域、少い地域、まったくない地域がある。全国からするとその数はあまり多くはなく、それゆえに今回の運動中に、一般的に漏れた地主や富農についての入念な調査工作を行なう必要はない。しかし、漏れた地主や富農で破壊活動をしているものについては必ず調査し、県人民委員会の承認を経て、地主、富農の帽子をかぶせなければならない。
少数の試行地点の調査によると、この二年ばかり色々な原因によって、かなりの地主、富農の家庭は、経済上、中農や貧農の家庭に比べてその生活の向上がはやい。これは一つの注意を要する動向である。今後、経済上かれらの如何なる非合法活動もきびしく禁止し、加えてかれらが達成しなければならない、基本労働日および奉仕労働(民工建勤)の任務を規定すべきである。かれらの子弟は軍に参加することも民兵訓練に参加することもなく、また会議やその他の社会活動に参加することもきわめて少ないので、かれらの家庭については合理的に義務労働を多く負担させなければならない。もちろん、かれらが労働で得た正当な利益に対しては保障し、分配面で同じ労働には同じ報酬(同工同酬)を与えなくてはならない。そうでなければ生産に不利となり、かれらを改造するにも不利となる。
一〇 地主、富農の子女に正しく対処する
農村青年の中で、地主、富農の子女は約一〇%前後を占めている。目下のかれらの政治的態度や思想の状況は、総じて両端が少なく、中間が大となっている。すなわち、少数のものが家庭の影響を深くうけ、あるものは親を殺され仇として党や人民に対して骨までしみるような恨みをいだき、階級としての報復を進め、封建的な復活、反革命活動に関係をもっている。また、その反面少数のものは家庭の影響をうけることが少なく、政治上では進歩を求め、勤労人民になりかわろうとし、社会主義のために奉仕することを願っている。大多数のものは自分の家庭と限界をはっきりさせず、勤労人民に対する関心に欠け、政治上では一般的といったもので、これらのものはまさに十字路に立っており、敵階級とわれわれとが青年を奪取する場合の部分的に主要な対象となっている。われわれはかれらに対する教育と改造工作を強化し、かれらが自己の出身した階級に抜いて、社会主義の道を歩むようにさせるべきである。社会主義教育運動の中で、九五%以上の大衆を団結させ、地主、富農の子女の大部分を抱擁するべきであるというのは、 闘い取るべきすべての人の中にかれらを加えることでもある。
地主、富貴の子女を取り扱う問題では、二つの偏向を防止し、矯正しなければならない。一つは階級観点と階級警戒に欠け、少数の地主、富農の子女の反動的言動に対して必要な闘争をしないことであり、他の一つは地主、富農の子女を地主、富農分子と同等に取り扱い、区別もせず一律にかれらが公社社員となることを許さず、何らかの社会工作を担当することを許さない点であって、都市の工場や学校から帰郷して農業生産に参加する地主、富農出身の共産主義青年団員を、団組織がかれらの組織関係をうけつがず、あるいはかれらが団の会議に参加することを許さない点であり、ある地方では地主、富農出身の団員を団からすっかり追い出し、同じく地主、富農家庭出身の少年先鋒隊員を除隊させているものすらある点である。この二つのやり方はいずれも間違いであり、党の政策に合致するものではない。
地主、富農の子女は搾取階級の家庭で成長し、大小いろいろとその影響をうけているので、勤労人民の子女、特に貧農、下層中農の子女と区別すべきものがある。しかし地主、富農の子女の大部分は年齢がわりに低く、直接搾取には関係していないし、搾取分子ではないので、かれらを地主、富農分子と同様に取り扱ってはならない。地主、富農の子女は土地改革当時では、地主、富農分子としての帽子をかぶせられたが、現在二度とそうした帽子をかぶせるべきではない。反動地主階級の立場をとる少数のもの、あるいは犯罪行為があって法律上の制裁をうけているものを除き、一般的にはいずれもかれらの態度如何に基づき、社員の同意を経て、かれらを公社社員とすべきである。四類分子を集める会議にはかれらの子女を参加させるべきでなく、またかれらの代理としてかれらの子女を出席させるべきではない。
今回の社会主義教育運動の中で、地主、富農の子女に対する教育と改造工作を強化させるべきである。かれらを吸収し大衆大会に参加させ、教育をうけさせてもよいし、またかれらを集めて会を開き、古参の貧農、下層中農に頼んでかれらの家庭の搾取の歴史やかれらの両親の罪を暴露して階級教育を進め、かれらの認識を高めることもよい。反動行為や破壊行為のある少数の地主、富農の子女に対しては、今回の運動で必要な闘争と適当な処分を進めるべきであるが、情状のひどいものには、法律にしたがって制裁を加えるべきである。
一部の地方では社会主義教育運動の展開後、党員、団員、貧農、下層中農等の青年と地主、富農の子女との結婚問題に対して、種々の制限を設け、かれらが地主、富農の子女と結婚することを許さず、結婚したものは階級的立場を失ったものとみなし、ひどいときはかれらに対し組織的処分〔訳注:党としての処分〕を行なっている。こうしたやり方は妥当ではない。この問題については貧農、下層中農の青年、特に党および団員がその警戒心を高め、階級敵の罠におちこむことを防ぐように教育し、すでに結婚したものについては、政治の限界をはっきりさせ、階級的立場を固めさせ相手方の悪い影響を受けないように教育しなければならない。しかし、硬い規則をつくって制限を加えるべきではない。
都市の工場や学校から帰郷して、農業生産に参加する地主、富農の子女に対しては、歓迎の意思を表示すべきである。かれらと団結し教育して、かれらの労働と工作を合理的に配置して、かれらの作用をうまく発揮させるようにしなければならない。帰郷して農業生産に参加する地主、富農家庭出身の革命幹部、革命軍人の子弟は、およそこうした幹部や軍人の下で長く扶養されてきたものであるから、かれらを革命幹部や革命軍人家庭の出身とし、地主、富農の子女とみなすべきではない。




