一九五〇年の軍隊の生産建設活動参加についての指示 (一九四九年一二月五日)
〔訳注] 人民革命軍事委員会の名義で発した指示。一九四九年一二月六日付『人民日報』、『新華月報』一九五〇年一月号に掲載されている。この時期、大規模な内戦は終りをつげ、軍隊の活動に余裕を生じたので、当面国家緊要の課題である生産建設に、軍隊の力をふりむけようとしたものである。
人民解放戦争はすでに全国で基本的勝利をかちとった。人民解放軍は、いくつかの戦線で、一意専心、残敵を追撃 ・殲滅して、ついに功を全うした外に、すでに大量の軍隊を整備・訓練中であるか、または間もなく整備・訓練に廻そうとしている。人民政治協商会議共同綱領では「中華人民共和国の軍隊は、平和時にあっては、軍事的任務を妨げないことを条件にして、計画的に農業および工業生産に参加し、国家の建設活動を援助すべきである」と規定されている。ここでは、わが人民の軍隊は国家を防衛し、治安を固め、整備・訓練を強化するというこれらの偉大な任務を別にしたもう一つの光栄ある、巨大な任務が与えられている。そこで、人民革命軍事委員会は、 員会は、全軍に次のことをよびかけるものである。すなわち、戦闘を続け、勤務に服する者の外は、すべて、一部の生産任務をになうようにして、 わが人民解放軍を国防軍たらしめるばかりでなく、さらに生産軍たらしめることによって、全国人民と協力して、長期の戦争が残したもろもろの困難を克服し、新民主主義の経済建設を速めるよう呼びかけるものである。
この生産任務は、実現しなければならないし、また実現することは可能である。
この生産任務が実現されなければならないのは、国の内外の反動派どもがおこした中国人民に反対する長期にわたる戦争が、人民に重大な災厄をもたらし、経済に重大な破壊をもたらしているからである。われわれは、今日、革命戦争を最後までおしすすめ、長期の戦争が残した痛手を癒やし、経済・文化・国防上の各種の建設活動に従事しなければならない。国家の収入は足りず、支出は厖大である。これが、今日、われわれが、ぶつかっている巨大な困難である。こうした困難を克服する方法は、まず何よりも、全国人民が中央人民政府の指導の下で、一歩一歩、生産を回復・発展させることであるが、人民解放軍としても一定の生産任務をになわねばならず、そうしてこそ全国人民とともに共同してこの困難を克服することができるのである。
この生産任務が実現可能なのは、人民解放軍の圧倒的多数が勤労人民出身であり、高度の政治的自覚と各種の生産技術を身につけており、しかも、かつての抗日戦争中のもっとも苦難な年月の間においても、生産任務を担当して、 生産の経験と労働の伝統を身につけてきたからである。人民解放軍の広範な幹部たちやふるくからの戦士たちが皆知っているように、軍隊が生産に参加して以後は、たんにもろもろの困難にうちかち、政府の支出を減らし、軍隊の生活を改善したばかりでなく、さらに労働の鍛練を通じて、軍隊の政治的資質をより一層向上させ、将兵関係および軍民関係をより一層改善したのである。この生産任務が実現可能なのは、さらに戦闘が終結した地区では、人民解放軍が、国家を防衛し、土匪を一掃し、治安をかため、訓練を強化するなどの諸任務を担当する以外に、すでに生産建設活動に参加する時間的余裕をもっているからでもある。これらのことはすべて、人民解放軍が生産任務を実現することのできる条件である。
人民解放軍の生産参加は、臨時的なものではなく、遠大な建設という観点から出発すべきである。そして、その重点は労働によって国家の富を増やすことにある。したがって、各軍区の指揮官は、一九五〇年春から、生産建設活動への参加を実行することによって、自己の生活を改善すると共に、国家の支出の一部を節約するよう部下を指導すべきである。
この生産建設活動は普及拡大に有利なように一つの運動を形成さすべきである。この生産運動は、比較的長期的な計画と具体的なだんどりをうちだすべきである。生産諸項目は、人民政府の許可を得て、農業・畜産業・漁業・水利事業・手工業・各種の建築工事・各種の従事可能な工業および運輸事業の範囲内で行い、商業に従事することは禁ずべきである。軍隊の指導機関は、駐屯地の情況にもとづいて調査研究を行い、今年の冬のうちによく準備すべきである。
過去の経験にもとづき、軍隊の生産運動は、商店を開いて商業行為に従事することを厳しく禁止しなければならない。幹部の間に、やみ貿易・買占め・投機を企図し、または暴利をむさぼる考えをいだく者がいたり、またはこうした行為があった場合には、速かにこれを是正し、制止しなければならない。なぜなら、これらはたんに正しい生産方針にそむき、経済秩序を攪乱するばかりでなく、さらに勢い、必ず法律の許さない汚職腐敗をうみ、自己の同志を傷つけることになるからである。この外、農業生産の遂行にあたっては、荒地の開墾のために水害をひきおこしたり、 土地争いのために人民の不満をひきおこしたりしないように注意しなければならない。
軍隊に生産任務を正しく遂行させ、生産運動を正しく展開させるために、ここに、次のことを定める。(一) 師団・軍および軍分区以上の各クラス [機関〕に司令部・政治部・後勤部の代表が参加する代表委員会を結成する。その任務は、生産の方向を掌握し、生産計画を審査決定し、生産計画の実施を監督し、違法行為を取り調べることである。
(二) 軍隊の生産合作社を樹立し、合作社の各級指導機関を樹立して、軍隊生産委員会の監督と指導のもとで、生産資金・生産活動および生産結果のすべての処理を掌握させる。合作社の系統と軍隊の指揮系統は併行して存立し、 相互に密接な連絡をとるが、混同してはならないこと。
(三)公私兼顧「政府機関の利益と民族資本家の利益と双方ともに配慮すること」を実行し、生産の純益を公平に合理的に分配する。そのうち、四○%を生産者個人の所有とし、残りはその生産単位および国家の所有とすることによって、公私の革命的経理を確立し、一面では軍隊の部分的自給をはかり、他面では、生産者個人にも所得があるようにさせる。この個人的所得は、自分の手許において使用するか、家族のもとに送って使わせるか、合作社に貯金して必要な際に使用するようにするかは、個人自身で決定する。
(四) 土地が少ない地域では、[軍隊が〕各種の可能な手工業・工業・水利事業・運輸事業および建築工事に参加するほかに、軍隊の首長は、その地の人民政府と協議し、かつ、農民の自発的意志によることを原則として、労力・ 資金・肥料・農具を提供して、農民と共同耕作して、その生産量を増大させ、成果を公平に分配するようにさせてもよい。しかし、強制的に行ったり、農民と利益を争うようなことがないよう注意しなければならない。
(五) 各軍区の部隊の生産計画は、各大行政区および各省人民政府の生産計画と結びつけ、生産資金を統一的に按排しなければならない。すべての軍隊の生産資金はみな投資として、利息を計算し、返還期を定めねばならない。すべての軍隊の生産事業はみな規則通りに税を納めなければならないし、また人民政府のすべての法令を遵守しなければならず、これにそむいてはならない。
上述の各項については、各軍区の指揮官は、わが人民解放軍に一九五〇年の生産建設活動で顕著な成績をおさめさせるようつとめられると共に、随時、点検して、おこるかもしれない誤りや欠点を是正されるよう厳しく注意されたい。各地の人民政府は、その地の軍隊の生産計画について指導と協力を与える任務を負うものとする。




