表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
伝説のレフリー津久田健次郎、悪役令嬢に転生す。  作者: 南蛇井


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

46/82

ミルヴァの違和感

「え……? 線?」


ミルヴァは答えない。

代わりに、まるで“世界の端が透けて見える”かのように

中庭の光景を凝視する。


ミルヴァ

「……どこかがつながり直そうとしている。

 けれど、穴が塞がれていない気もする……」


彼女自身、説明できていない。

混乱ではなく“感覚”としての確信だけがある。 小説化

ChatGPT:


ミルヴァは、レティシアのすぐ隣のベンチで本を閉じた。


ぱたり――

紙が重力に従って落ちるだけの、ありふれた音。


しかし、その後の空気はまるで

「音の続きが失われた」かのように静かだった。


ミルヴァはその静寂に眉をひそめ、

ゆっくりと夕空を見上げる。

目線はレティシアではなく、“もっと上”。

中庭という箱庭の外側を覗こうとしているような視点。


「……世界の線が、薄い」


その言葉は、風ではなく空気そのものを震わせた。


レティシア

「え……? 線?」


まるで聞き慣れない単語に触れた子供のように、

レティシア(健次郎)は戸惑いながら首を傾げる。


だがミルヴァは返事をしない。

視線も動かさない。

ただ、静止した木々と風の不一致を見つめ続ける。


ミルヴァの目には――

世界の輪郭線が薄紙のように“透けて”見えていた。


(……ここだけ、空間の重みが違う)


言語化できる感覚ではない。

魔術でも宗教でも測れない。

ただ、彼女の“勘”だけが一点を指し示している。


「……どこかがつながり直そうとしている」


その呟きは、まるで世界の傷口を見つめる医者の声だった。


ミルヴァ

「けれど……穴が塞がれていない気もする……」


レティシアが息を飲む。


ミルヴァの声には、恐怖ではなく確信があった。

理解ではなく、“知覚”による確信。


彼女自身、その意味をまだ掴めていない。

説明も理屈も追いつかない。

だが――確かに“異常が続いている”と感じている。


ミルヴァはゆっくりと本を胸に抱き直し、

そのまま小さく吐息を漏らした。


夕陽の薄い光の中、

彼女だけが“世界の端”を見て、怯えるでもなく、ただ静かに理解し始めていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ