#34 弾む会話
次の日、俺は優作と一緒にタクシーに乗ってどこかに向かっていた。
30分ぐらい経ったか、俺は一体どこへ向かっているのだろうか、分かるのは、どんどん都会の方へ向かっているという事だけだ。
確認したくても、優作は早々とアイマスクを付けて寝たし…仕方ない運転手に聞いてみるか
「すいません、これってどこに向かっているんですか?」
「そちらのお客様に、秘密にしてくれって言われているんで、お伝え出来ないんですのね」
シルバーは左横で寝ている優作を睨む
(別に教えてくれても良くないか?隠す必要をそこまで感じないんだが…てか、運転手の口を封じるなよ)
今度は逆に、運転手の方がシルバーへ話しかけてきた。
「ずっと思っていたんですが、テレビや新聞に出てたことある有名な方ですよね?」
「有名かどうかは別として、一応出たことはありますね」
「やっぱりそうでしたか、ずっとそうなんじゃないかって、思ってたんですよ、後でサイン貰えませんか?」
「ええ…まぁいいですけど…」
「本当ですか!いやー嬉しいな~」
そう言った運転手は上機嫌だった。
それから何だかんだで、運転手さんと意気投合していろんな話をした。
数十分後
優作が目を覚まし、アイマスクを外した。
「それ、自分もなんですよ~悩みますよね~」
シルバーと運転手が楽しく談笑していた。
「何の話してるんだ?」
「お、起きたか、今は注文する時、悩み過ぎて時間掛かるって、話」
「あーお前長いもんな、いつもそんなに悩む必要あるかって思ってるし」
「ですって運転手さん分かってないですよね」
シルバーは運転手に話を振った
「えぇー人生において食事は大事な大事な選択なんですよ、後悔しないためには慎重に選ばないといけないじゃないですか、終わり良ければ全て良しって言いますから、定食とかも何で終わるか考えて食べないと後悔しますよ」
その熱弁にシルバーは頷き
「な…なるほど…」
優作はその圧に押されたのだった。
それから数分後目的地にシルバー達は着いた。
「お客さん、着きましたよ」
「あ、そうだ」
そう言うと運転手はグローブボックスを開けて色紙とペンを取り出した。
「準備いいですね」
「ええ、まぁ何があるか分からないんでね」
シルバーは色紙とペンを受け取りサインを書いて運転手に渡した。
「いやいやありがとうございます」
「俺のサインなんて何の価値もありませんけどね」
「なに言っているんですか、ランキング2位ってだけでも相当凄い人なんですよ、あなた、それに優勝したら最も凄い人になるんですよ、だから価値が無いなんて言わないでくださいよ」
(そうか、俺はそう思われるのか)
「確かに、そうですね、凄い価値つけますよ、そいつに」
それを聞いたシルバーは改めて自分の置かれている立場を思い知った。
支払いを終えて2人はタクシーを降りた。
するとタクシーの窓が開いて運転手が話しかけてきた。
「あ、そうだ、忘れてました、大会頑張ってください、応援してますよ」
「あ、ありがとうございます!頑張ります!」
そしてタクシーはその場を離れて行った。
至らぬ点も多々あると思いますが、「初心者が頑張ってるな」みたいな感じで今後も読んでいただければ幸いです。




