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森の中の秘境

警戒をしながら進むが意外にもあれからアプローチはない。

こちらの攻撃を見て手を引いたのだろうか?


そのまま進んでいると、光があまり差さずにどんよりとしていた森から段々と光が差す森へと変わっていった。

木漏れ日と木々が擦れ合い奏でる音が心地いい。


「シルヴァ様もうすこしですよ!」


そう言ってリリィが先導しながら森の中を歩く。

昨日の夜に流石に気になってしまいそれとなく行き先を聞いたのだがはぐらかされてしまった。

数十分程歩くと急に森が開けてきて幻想的な滝と湖が現れてきた。


「着きました!ここです!」


どこです?!と言いたい思いをぐっと堪える。

するとリリィの説明タイムが始まった。


「ここはですね、秘境に分類される湖のひとつです!シルヴァ様が妖精たちの隣人の称号を取得していたおかげで入場許可が降りて入ることができました!この湖で釣れる魚は希少なのでポイント高めですよっ!でも厄介な妖精や精霊もいるので気をつけてください。本来ならレベル的にも相手にするのはまだ早い敵もちらほらいるのですが今回は特別にご案内しました!!」


そう言うことだったのか!


「ありがとうリリィ。」



とりあえずみんなで釣り糸をたらして獲物が掛かるのをひたすらに待つ。


当たりがないまま十分、二十分と時間がたつと痺れを切らすものも出てきた。


「全然釣れないじゃない!」


「これなら我が潜って仕留めてきた方が早いかもしれないな!」


カトレアとラーミだ。

ドッペルはイメージ通りぼーっとしながら竿を見ている。いや、寝てるのか?


「待ってください!もう少しで掛かるはずです!」


リリィの中で何かが燃えている様だ。


「っ!きましたっ!!」


そう言って竿を思いっきり上に引き上げると虹色に輝く綺麗な魚がかかっていた。


「オーロラフィッシュですっ!」


そう言って満足げに魚を見せびらかしてきた。

体長は30センチ程で、すらっとして美しい魚だ。

釣り上げた魚は少ししたら消えてアイテム欄に名前が表示された。

そして確認できたポイントは100ポイント。これ1匹で100だ!何度も確認したが間違いなく100ポイントだった。


「リリィの爆釣伝説が今!始まります!」


自分が100ポイントに興奮している間にリリィはそんなことを言っていた。

そして、それがトリガーとなったのかみんなの竿にも変化が訪れる。


「来たわ!」


そう言ってカトレアが釣った魚はキンシャケ。

姿はまんま鮭の様で模様の一部が金色に輝いている。

ポイントは40ポイント。


「我にも来たぞー!」


釣れた魚はブルースカイフィッシュ。

ヒレは広げると翼の様になり空が飛べるらしく、最上の水質の湖などを目指し移動する習性があり、その魚がいる場所の水は飲むだけで体力が回復したり状態異常が治ったりするらしい。


その説明を見て一応水質を確認してみるが確かに普通の水とは違った。

効果としてはHPとMPの微回復。状態異常の微軽減。

確かにすごい効果だがどこかで尾ひれがついてしまったのかそれともその棲息場所によって違うのか説明よりか少し期待値が下回る効果だった。

それでも十分すごいんだけどね!うん!


残りで釣れていないのは自分とドッペル。ノービィには釣りは厳しいので近くで遊んでもらっている。


うーん、全然来ない。

リリィとカトレア、ラーミはその間にも様々や魚を釣り上げて楽しそうにキャッキャしていた。


場所が悪いのか?

少し場所を変えてみるかなんの変化もない。


ドッペルの方も何も起こっていない様なので一度様子を見に行ってみる。


「ドッペル調子どう?」


すごい集中力だ。なんの返事もない。ただ一点、竿の先を見つめている。……?いや、寝ているなこれは。


「…どっぺるー、おきてるー?」


少しすると目が少し開きこちらを確認してきた。


「あ〜、シルヴァさま〜。どうしたんですか〜?」


「釣りの調子はどうかなって思って。」


「なんだかココロがあらわれるようでねてしまいほうになりますね〜。」


そう言って糸を巻いてみると餌は無くなっていた。


「いつのまに〜?ふしぎですね〜?」


「もし釣れた時はお願いね!大変そうなら声かけてね!」


そう言って持ち場に戻って再度挑戦する。


「お〜!」


少しするとそんな声が聞こえてきた。その声の主はドッペルだった。

大きさは小さいながらもそれは確実に1匹に入る。

1人取り残されてしまった。


一度糸を巻いて確認してみるが餌にはなんの変化もない。

一度底まで落として少しずつゆっくりと上げていくことにした。

底までついたのを確認したらゆっくりと糸を巻く。

一巻き、二巻き。そこで信じられないほどの衝撃が走った。

なんだこれは?体ごと持っていかれそうな衝撃だ。竿を引き上げようとするがびくともしない。


「シルヴァー!」


苦戦している姿を見たのか増援が来た。


「相手の力が強い時は無理に上げようとしてはダメです!徐々に相手を弱らせていきましょう!」


リリィ大先生のアドバイスがはいる。


強くもなく弱くもなくちょうどいい力加減で糸が張り続けるようにする。


格闘すること数十分、徐々に糸が巻けるようになってきたがまだまだ抵抗してくる。


さらに数十分の格闘の末その重さのせいではあるがゆっくりとほとんど抵抗なく糸を巻き上げることができた。

釣れた魚はソコノヌシ。

名前通りにヌシ感が凄く、ヒラメの様な姿で体長は4メートル近くもあった。

ポイントはなんと500ポイントもあった!


この1匹と格闘している間に帰らなければならない時間になったので急いで帰る支度をする。


「シルヴァ様、見つかる前に帰りますよ!!」


リリィが意味深なことを言っていたが深くは聞かないことにした。


すぐに帰りの準備を済ませ魔導国への帰路に着く。

と、その前に一応感謝の気持ちを込めて挨拶をしておこう。


「ありがとうございました。」


しっかりと深くお辞儀をする。


(もうくるなよ。)


?何か聞こえた様な気もしたが気にせずにみんなで魔導国に向かって歩いて行く。

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