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新エリアへと

「どうしたんだよ、シルヴァそんな顔して?」


今日のログイン可能時間が迫るシルヴァは負のオーラを纏いながらホームの共有スペースに座っていた。

そんな様子のシルヴァを心配してか、ヴィルヘルムが声をかけてきた。


「イベントが終わっちゃいますー。」


スライムを少しずつ狩ってはいたが、さまざまなトラブルでガチることはできなかった。


「まぁ、それはどうでもいいけど………カトレアちゃんとはどうなったんだ?」


「仲直りはできました。そして色々言われてしまいました。これからは精霊さんに寄り添っていこうと思います。」


ヴィルヘルムさんは堪える様子もなく大笑いした。


「お前、尻に敷かれるタイプだろ!!」


「そんなにはっきり言わないでくださいよっ!!」


「まぁ、次のイベントは切り替えていくぞ!」


「わかりました。それでは、また明日。」



月曜日から始まるイベントは現実世界の1週間、ゲーム内ではフルでプレイして21日間分のイベントになる。


ギルド、そして個人のポイントを競うイベントだ。

大まかな情報しか開示されておらず、何をすれば何ポイントかなど詳しいことは明日の発表を待つしかないな。


そしては日曜日ほとんどを現実でゆっくりと満喫して明日に備える。





そして月曜日。土日に限定イベントもなく、先に新エリアへと向かっていたTKGなどから新エリアの情報を学校で聞いた。


新エリアは魔法、武器、武術を基にした三つの国とその周辺の山や湖などの自然豊かなエリアだ。


ユウスケは魔法の国へ、TKGとロバストは武器の国へ、それぞれが別の国へと行った。

そして選んだ国で修練を積むとスキルやらギフトやらがもらえるがその特典は3カ国のうちのどれか一つだけらしい。



自分が行くなら………武術?武器は短剣とかクナイとか小物ばかりだし、それならもっと動ける様になったほうが良さそうだしね。


そうと決まればさっそく準備をして出発だ!!


自分に、リリィ、ノービィ、カトレア、ドッペル、ラーミ、はたから見るとかなりの大所帯だ。


実を言うと、他の国に行ったギルドメンバーが既にギルドハウスを設置して、ギルドハウスから行き来できる様になったのだが満場一致で旅をしたいと言う意見だったので、時間はかかるが旅をすることになった。



村と国間の道は綺麗に整備され馬車や他のプレイヤーなどもちらほら見受けられた。



「思ってたよりつまらないわね。」


まだ歩いて数時間というところでカトレアが溢す。


この道付近はモンスターが出にくい設定になっているのか出発してから一度もモンスターを見ていない。


旅の目的といったら新たな出会いやモンスターとの戦闘などなどだが、今のところ何もない。

ちらほらすれ違う人たちはあっても会釈程度で会話なんて無い。


道の端で休憩がてらみんなで少し話し合って少し森に入ってみようと言うことになった。


よし行くぞ!と言うところで、何やら前をゆっくり進んでいた馬車の馬が怯えて動かなくなってしまったらしい。



「皆さん、逃げてください!!!!」


そんな声が聞こえたと思ったら森の中からプレイヤー?が出てきた。



[緊急イベント]

ある国の討伐隊が任務に失敗してしまいました。

放置すると甚大な被害が出てしまう可能性があります。

加勢しますか?


YES or NO



いきなり出てきた画面に驚いたが、周りを見ると周辺にいたプレイヤー全員にこの緊急イベントが来た様だ。


もちろん加勢したいが選択権のあるイベント。

達成条件も失敗条件も特にないのがちょと怪しい。


「多分、今回のイベント関係ですね。やりましょう!」


と何故かやる気満々のリリィ。

そしてまわりもやる気満々。


YESを選択する。



[臨時パーティーが組まれました]

・シルヴァ

・テオ

・さーもんおすし

・ぐっさん



どうやら周りにいた人たちは全員参加の様だ。


パーティーが組まれたところで討伐隊に駆け寄り軽い自己紹介などを踏まえフォーメーションを決める。


テオさんはハーフエルフの職業が剣士、サブが魔法使い

さーもんおすしさんはヒューマンの職業が双剣使い、サブが漁師

ぐっさんはドワーフの職業が大槌使い、サブが鍛治師


バランスの悪いことに3人とも前衛職でテオさんがかろうじて中遠距離から魔法が使えるくらいだ。


それも踏まえ、

テオさん、さーもんおすしさん、ぐっさんは前衛、状況に合わせテオさんがサポート

シルヴァがサポート、余裕があれば攻撃となった。


と、ひと通り決まったところで討伐隊の隊長らしき人が話しかけてきた。


「お見受けするに冒険者の方々か?もしそうであったらご助力願いたい。もちろん無理にとは言わない。敵は強大だ。」


もちろんみんな協力をする。


討伐隊は魔法使い2人、剣士3人、大盾が2人、小盾が1人の部隊だった。

それなりに戦えそうな部隊が苦戦する相手ってことは本当に強敵かもしれない。



話を聞いたところ敵は、オーガ2体にゴブリンキング1体。

この近くにできたばかりの集落のゴブリンを、討伐しに行ったところ、発見・報告から討伐に行くまでの間に予想外の速度で成長していたらしい。通常のゴブリンはすべて討伐しオーガも1体討伐したが、追加のオーガ2体にゴブリンキングの出現により撤退を余儀なくされたらしい。


集落発見時は通常のゴブリンが10体ほどで、討伐に向かうまでは発見から2日しか経っていなかったらしい。

そう考えると、その発展速度がいかに恐ろしいかがよくわかる。



そして近づいてきた足音、姿は見えなくても怒り狂っていることがわかる咆哮。


そして木々を薙ぎ払いその姿を現す。

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