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「気持ち良い? どうしてって顔してる。妖は体液に媚薬を仕込ませてるんだよ。それは本来子孫繁栄の為のものなんだけど、番を持たない者達はこの遊郭でその欲を処理する。だから君がほぼ処女に近くても辛くは無いはずだ」
「&=~@っ!?」
ど、どうしてその事を知っているのだ! 言葉にならない叫び声を上げる私を見てとうとう楼主は声を上げて笑う。
「分からないとでも思ったの? 僕は君みたいな子をそれはもう沢山見てきたし相手にしてきた。今じゃキスしただけで分かるよ」
楼主は笑いながらまた私の唇を塞ぐと、今度はさっきよりも激しく口内に舌を這わせた。歯の裏や舌を擦られるとそれだけで背筋がゾクゾクする。
「ぁ……っふ」
思わず漏れる声を聞いて楼主はまた目を細めると、その長い指で私の頬を撫で、ゆっくりと首筋に這わせていく。
それからブラウスのボタンを一つずつ丁寧に外されていった。
付き合ってる訳でも無い、ましてや今日初めて会った人とこんな事をする羽目になるなんて、思ってもいなかった。
涙がじんわりと頬を伝ったが、これが何の涙なのかは分からない。
そんな私の涙を見て楼主が困ったように眉尻を下げた。
「泣かないで、小春。それにしても……媚薬は効いてるんだろうけど……」
楼主は独り言のように呟く。
私はと言えば不思議な感覚から逃げようと身を捩るけれど、相変わらず体が動かなくて、抵抗する事も出来ずされるがままだ。
楼主は私の唇にもう一度軽いキスをしてくるが、この先の楼主の行動を何となく察した私の息はそれを想像して浅くなる。
「期待してるの? それとも怖い?」
「わか……ない」
だって、こんなにも丁寧にされた事ない。キスだって愛撫だっていつも早急で皆、早くしたくて仕方ないって感じだったのだから。
涙声で言った私を見て楼主は肩を竦めると、唐突に腕を伸ばして私の頭を撫でてくる。
「僕がちゃんと教えてあげるよ。ここでの生き方を」
唖然としながら頷いた私を見て楼主の行為がどんどん先に進んでいく。
それから私は楼主にされるがままになりながら、感じた事のない快楽にただ身を預けていた。
自分の身体が今どうなっているのか、もうそれすらも分からない。
最後の瞬間、思わず叫び声にも似た声を上げると楼主も私の上で息を押し殺している。その直後、身体の奥のほうがじんわりと熱くなった。
ハッとして楼主を見上げると、楼主も肩で息をしながら私を見下ろしている。
「どう? 動ける?」
「……え?」
言われて私は指先を動かしてみた。するとさっきまではピクリとも動かなかった指先がちゃんと動いたのだ。
そしてそれに気付いた途端、まるで全身の感覚が蘇ったかのように激しい快楽が怒涛のように押し寄せてきた。
「やっ、あっ、と、止まらない! だめ! たすけ、やっ、あっ、んっ、うぅ! あぅ、あっっぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
突然襲ってきた思いも寄らない激しい快楽に私は翻弄されて、ガクガクと体を震わせる。
そんな私の反応に楼主は動きをピタリと止め、私を膝の上に抱え上げて徐ろに抱きしめてきた。
それでも私の痙攣は止まらなくて制御出来ない体に恐怖を覚え始めた頃、楼主の声が耳元で聞こえてくる。
「大丈夫。小春、息を吸って」
「うっ、はっぁ、ひっ、うぅ」
「うん、上手。もう一度だよ」
「っふ、う……はぁ……ぁ……はぁ」
私の痙攣を止めるためか楼主の手に力が籠る。ピッタリとくっついた肌は汗ばんでいて、まるで吸い付くかのようだ。




