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この度HopWriterさまと契約しましてJoyreadさまとTaponさまで『鈴鳴る夜のあやかし遊廓〜花嫁は初恋を思い出さない〜』の先行連載が開始しました。
それに伴ってX(旧Twitter)の再開設をしましたので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします!
三人にはっきりと言われた銀髪の人はがっかりした様子でこちらを見つめ、薄く微笑んだ。
『残念。番人の真似事が出来るかと思ったのに』
『番人の真似がお前に出来る訳ねぇだろ。絶対途中で手出すに決まってんだから。で、漣音は?』
『番人に報告に行っている。もうじき戻るだろう』
朧月がそう言って建物の入口に目をやった途端、ガラリと扉が開いて漣音が戻ってきた。
『伝えてきたよ。預かり所が今は一杯らしい。番人が結婚してから定期的に休暇を取るようになったかららしいよ』
『それは許してやれ。で、この娘はどうすれば良いんだ?』
『この子の世界が見つかるまでここで預かれ、だそうだ』
そう言って漣音は畳を指差す。それを聞いて皆が顔色を変えた。喜んだのは銀髪の人だけだ。
『人間の、しかも子どもの世話を俺達にしろって!?』
『そういう事。君、悪いけどそういう訳だからしばらくここに住んでもらうよ。まぁ衣食住は何とかするけど、面倒事は起こさないでよね』
漣音は怖い顔をして私の鼻の頭に指先を突きつけてきてくる。
ここがどういう場所なのか、この人たちが誰なのか、夢の中の私は不安げに頷いた。
※
そこで目が覚めた私は時計を見て慌てて支度をした。そして夕飯を食べながら首をひねる。
「何か変な夢見たな……」
あまりにも現実離れした世界に居るからか、とても不思議な夢を見てしまった。
けれど出てきた登場人物が見知った人ばかりだったので、怖いという思いはなく、むしろ妙に懐かしく感じる。
とりあえず夕食を食べ終えた私は禿達に世話をされ今日もまた裏口から通りへ出ると、何故か端女郎達が異様に色めき立っていた。
「ねぇ聞いた? 今日あの妖狐が来るんだって!」
「そうなの!? どこ情報?」
「秘密ルート。でもかなり信憑性あると思う」
「えー! それならもっと良い着物着てきたのに!」
「そんなの着てもあの方は太夫しか抱かないって有名でしょ」
「お気に入りの子がいるんだっけ?」
「そうそう。何か、ちっさくてめっちゃ可愛いらしい。あのチビとは大違い」
そう言って端女郎の一人がちらりとこちらを見た。そんな端女郎に釣られて他の端女郎もこちらを見てクスクス笑う。
粘着質だな。そう思うけれど、ここに居る人達は任期が終わればそれぞれの現世に戻ってもう顔も合わす事がない人達だ。
そう思うと少しだけ気が楽になる。そんな事よりも気になるのは彼女たちが話していた妖狐だ。それが恐らく柊霞なのではないだろうか。
何となくそんな気がして不意に楼主を思い出す。真剣な顔で『あいつは性根が腐ってる』と断言していた楼主の言葉を。
その時だ。何だか背筋がゾクリとした気がして振り返ると、そこには誰も居ない。
しばらくすると今度は端女郎達が一斉に黄色い声を上げた。声がした方を見ると、橋から綺羅びやかな着物を着た優雅で美しい人がゆったりと歩いてくる。
そして何かを物色するように端女郎を見渡して、ふと私を見て視線を止めた。 息を呑むほど美しい紫色の瞳に、流れるような銀色の長い髪が風に軽やかに揺れている。そして頭には真っ白な狐の耳がついている。
ここに来るという事は男性なのだろう。そしてこれが柊霞だ。何故かそう思った私は一歩後ずさった。
そんな私を他所に男性はゆっくりとこちらへやって来ると、私の前で立ち止まり蠱惑的な笑みを浮かべる。
「覚えていないだろうけど、久しぶりだね。小春」
「えっと……?」




