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マルタン王国の魔女祭  作者: カナリア55
マルタン王国の『魔女祭』

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マルタン王国の『魔女祭』 ~『行って見て食べて 素敵な祭典』 ジャン・ヴァレリー著 より~

 マルタン王国。

 美しく豊かな王国。

 農業、工業、商業、教育、福祉、全てにおいて近隣諸国より発展した国。

 今回は、この国で毎年行われる『魔女祭』について紹介しよう。


『魔女祭』は、二百年ほど前に実在したマルタン王国の王妃を讃える祭りである。

 その王妃は、今は無きガルシア帝国からマルタン王国へ嫁いできたのだが、嫁ぐ前はその恐ろしいまでの剣の腕前で恐怖の対象として『黒い魔女』と、そして嫁いだ後はまるで魔法のような手腕で国の発展に貢献した為、敬意と親しみをこめて『魔女姫』『魔女王妃』と呼ばれたという。 

 最初のうちは、王と王妃の結婚式が行われた記念日をお祝いしようと始められ、特に名の無い祭だったそうだが、いつの間にか『魔女祭』と呼ばれるようになったそうだ。


『魔女祭』は、前、後夜祭合わせ七日間行われる。


 祭の催し物として人気なのは、劇『魔女姫の嫁入り』である。

 これは王妃がマルタン王国にやって来た際のエピソードで、


『遠い国から旅をしてきて疲れがみえる魔女姫に、自分のおやつの飴をあげたいと思った少女が、悪気はなかったのだが、飴を投げ渡そうとして彼女の顔にぶつけてしまった。護衛兵達はその少女を捕えて罰を与えようとしたが、魔女姫が礼を言って飴を食べたので、少女は処罰されず、事なきを得た。その後その少女は、魔女姫が創設した学校で学び、マルタン王国で初の女性の宮殿医となった』


 という、王妃の慈悲深さと、その優しさに触れた少女が、『魔女姫様のお力になりたい!』と努力し、それが実を結んだという感動の物語である。


 その他にも『魔女王妃の狼退治』や『魔女王妃、熊を狩る』『ドラゴンに乗った魔女王妃』等、本当なのか作り話かわからないが、派手で娯楽色の強い演目も人気があり、一見に値するものだ。


 さて、この祭りには、いくつかの特徴がある。


 先に記した『魔女姫の嫁入り』のエピソードの鍵となっている飴。

 祭では子供に飴が無償で配られ、菓子屋も多く並び、王都は甘い香りで包まれる。


 この祭りの間、女の子はみな、ピンクの大きなリボンを着ける。

 これは、魔女姫がマルタン王国へやって来たとき、王が彼女に華やかなピンクのドレスを贈った事に由来し、ピンクのリボンを着けると将来素敵な男性と結婚できると言われている。


 マルタン王国は各国との交易が盛んで『マルタンの王都に無い物は無い』と言われるほどなので、せっかく足を運んだのなら、色々な店を見て回ると良いだろう。


 砂糖、塩、香辛料、ハーブ、珍しいお茶等は保存もきくし、良い土産となるだろう。

 王家の別荘地であるキスサスの貴重な『干貝』も大変人気だ。

 キスサスは美しい自然が残る温泉地なのだが、王族専用となっており、一般人の立ち入りは禁止されている。

 そこでしか繁殖しない貝を干した物は、とても滋味深い味のスープが出る。

 この祭の時だけ、特別に売りに出される物で、大抵、二~三日で完売してしまうので、見かけたら早めに買った方がいいだろう。


 高価な物なら、宝石や『マルタンパープル』と呼ばれる染物がある。

 マルタン王国は多くの宝石の産出国で、他ではあまり見られない素晴らしい品を見つける事ができるだろう。

 また、『マルタンパープル』はこの国でしか作られていない染物で、昔は王族のみが身に着ける事ができる布だったという。

 現在は生産量が増え、誰でも購入できるが、ドレス一着分が家一件分くらいの値段なので、まあ、なかなか難しいかもしれない。

 そんな時は、これもマルタンの特産である『マルタンブルー』と呼ばれる藍染がお勧めだ。他国の藍染の二倍の値段だが、三倍以上の質の良さと言われている。

 小物やリボン等もあるので、予算に合わせて選んでみてはいかがだろうか。


 治安が良く、国民の人柄も穏やかなマルタン王国は、初めての国外の旅行にお勧めの地である。

 是非、出かけてみていただきたい。



 

祭の起源とか言われが、本当の事とはちょっと違って伝わってて『実際は……』という面白さを書きたいな、と考えた話です。今後、書くのを断念した話を追加できたら……なんて野望もありますが、一旦これで完結です。最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。→で、2話ほど追加しました。でも実は、まだ書きたいことが……。欲望は尽きません。読んでいただき、本当に感謝です!

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― 新着の感想 ―
[一言] こういう後世の歴史家からみた、的な終わり方は良いよね >今は無きガルシア帝国 本編エンディングからどれほど残ってたんだろうか
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