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11話 商業都市ルキア

農園で作った野菜や果物を露店で売ります

「わぁぁ……! ここが街……! こんなにたくさんの人がいる場所 私初めて来ました……!」

銀髪のフードを少し深めに被り直しながら エルナが目を輝かせて歓声を上げた


俺たちがやってきたのは 全自動ハウスを出て森を抜けた先にある活気あふれる商業都市『ルキア』

立ち並ぶ石造りの建物と 賑やかに行き交う馬車や商人たち

異世界にやってきてからずっと家にこもっていた俺にとって シルフィア ルナ ミーナ そしてエルナの4人を連れて出かける『はじめての外の世界』だった


「エルナ 角と髪はしっかり隠してね 教団の目がまだどこにあるか分からないからさ」

「はいっ! レン様! 大切なお洋服も買っていただいて……本当にありがとうございます……!」

エルナは新品の可愛らしいワンピースの裾をギュッと握りしめ 嬉しそうに頬を染めている


「さてと……まずは農園で採れた野菜や果物を売りに行こうか」

俺たちは街の中心にある大きな露店広場へと向かい 借りた一角のスペースに品物を並べ始めることにした

「レン殿 露店の準備なら私にお任せください! 荷物の搬入と陳列を——」

シルフィアが腕まくりをして気合いを入れるが 俺はニッコリと微笑んで指を鳴らした


『思考:露店の全自動設営および商品の美観陳列』

【全自動露店設営プロセスを開始します】


パチンと音が響いた瞬間 木箱が勝手に組み合わさってピカピカのおしゃれな木製スタンドが一瞬で完成した

そこに 全自動農園で採れたツヤツヤの真っ赤なトマト 大きなスウィートコーン 宝石のように輝く魔法イチゴが芸術的なバランスで一瞬で美しく並べられていく


「な……なんですかこのスピードはー!? 一秒で高級店のような露店が出来上がってしまいました……!」

シルフィアがいつものように目を丸くして叫び ルナも「やっぱりレン様の魔法は次元が違います……」と呆然としている


だが 驚いたのはシルフィアたちだけではなかった

露店に並べられた見たこともないほど高品質で綺麗な野菜や果物を見た街の人々が 一瞬で人山を作り始めたのだ


「な なんだあのツヤツヤしたイチゴは……!? 甘い香りがここまで漂ってくるぞ!?」

「こんなに大きなコーン見たことないわ! おい商人! それいくらなんだ!?」

「一箱……いや 店にあるやつ全部買うぞ!!」

一瞬にして露店の周りは大パニックになり 買いたいと叫ぶ客たちで揉み合いになりかけた


「ひっ……! 人がいっぱい押しかけてくるニャ……!」

ミーナが怯えて俺の後ろに隠れるが 俺は冷静に心の中で呟いた


『思考:全自動会計および整理券配布システムの稼働』

【全自動接客・精算プロセスを開始します】


一瞬にして 客たちの手元へ整然と番号札が自動で配られ 整列を促す光のラインが地面に浮かび上がった

さらには 客が買いたい商品を頭で想像するだけで 自動で木箱に梱包されて手元に届き コインが吸い込まれるように集金箱へ納められていく


「な……並ばずに一瞬で買い物が終わったぞ!?」

「なんて美味しいイチゴなんだ……! 食べた瞬間に体の疲れが吹き飛んでいく……!」

「神様の店かここはー!?」


数分もしないうちに 用意していた山のような食材はすべて完売し 集金箱には金貨と銀貨が山積みになっていた


「すごいですレン様……! あんなに大勢の客を一瞬で裁いて しかもみんな笑顔で帰っていました……!」

ルナが興奮気味に目を輝かせ エルナも「レン様のお手伝いができて……私すごく嬉しいです!」と笑顔を弾けさせた


「よし! 大儲けもできたことだし みんなで街の美味しい食べ歩きと買い物を楽しもう!」

「「「おー!!」」」


みんなで笑い合いながら露店を片付け 街の賑やかな大通りへと歩き出す

だが 露台の喧騒から少し離れた路地裏の影から 怪しい紫色の瞳が俺たちの様子をじっと見つめていることに 俺はまだ気付いていなかった


「……ほう……あの『全自動』の力……噂以上だな……教団の本隊に報告せねば……」

不気味な影がスッと消え去り はじめての街での楽しいお買い物イベントの裏で さらなる大きな波乱の足音が着実に近づいていた——

星やブクマをつけてくれると嬉しいです!

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