第95話 謎虫 VS ブラック大地竜。
地面を割って、首を出した大地竜!
ヒィーッ!? ボクが今まで倒したどの個体よりもデカイ! それに黒い!!
『あ、『帰らずの森』で水晶竜と戦っていた個体よりは小さいですよ。これは……そうですね、人間で言うと20代くらいでしょうか?』
大きさはともかくそれ一番元気なくらいの年頃じゃないですか!!
そもそも黒化してるから絶対強いし!
「ヌウッ!!」
まだ体が出てくる前に先制攻撃――パイル連射ァ!
棘は動きの取れない大地竜の顔に直撃! ガキュキュン! って弾かれた! 知ってた!!
「ゴアッ! ガアアアアアアッ!!」
むっちゃ怒ってる!
まあ、この場合はいいけど! もっとボクに集中しろ!
『大地竜に魔力が集中――ブレスが来ます!』
まだ地面に体も出てないのに!?
じゃあこのまま空中で待機! アカいないから大変だけど!
大地竜がボクを睨んで口を開けて――喉奥に、魔力が集中!
衝撃波全開! 横スライド回避!!
「ウヒャッ!?」
ボクの横を赤黒い光線が通過!
相変わらず見た目が怖すぎるブレスですこと!
『今までの黒化個体から察するに、再発射までのサイクルが早い可能性があります! 縦横無尽に逃げ回って時間を稼いでください!』
了解!
『それと、イセコさんが結界壁を展開しました。大丈夫だとは思いますが、避けてはいけない方向は指示しますので……むっくんはご自由に!』
わぁい! 周囲が有能しかいない!
「オウリャア!」
アカがいないので、一撃離脱虫になる!
アフターバーナー点火! 肉薄ッ!!
「グオオオオオアアアアアアッ!!」
吠えつつ地面から出てくる大地竜。
その岩みたいなごつごつした顔を――すれ違いざまにヴァーティガでぶん殴る!!
「ガアアアアアアアアッ!!」
超硬い! 手が痺れる!
岩って言うよりもはや鉄では!?
「ッチィイ!」
一回でどうこうなるなんて思ってないけどね!
後ろに回り込みつつ、着陸! さーあ、これからどうしてやろうか!
大地竜はボクを完全にロックオンしたようで、吠えながら勢いよく振り向く。
「ウオッ――トォ!?」
ジャンプ! 下を通過する太くて長い何か――尻尾!
岩でゴツゴツした尻尾だ! 当たったら痛そう!
空中で魔力チャージ! むんむんむん――!
「喰ラエッ!!」
最大溜め衝撃波、発射!!
後頭部っぽいところに炸裂したけど、当然のように無傷!
「グオルルルル……!!」
大地竜がボクを見る。
ひゃー、怒ってる怒ってる!
「グォゴゴ――!!」
この反応は!
『ブレス、来ます!』
ですよね! 正面に全力移動!
加速してすぐに、後ろの方から熱波が!
でも遅い、遅い! 懐に入ったぞ!
飛び込んだ勢いを更に加速させて――むっくん・ダブルキィック!!
胸のあたりに直撃! 追いパイル発射!!
反動で、離脱ッ!!
「ゴァアアアア!?」
これは悲鳴じゃなくてビックリしたんだろうね!
だって棘、ちょっと刺さっただけだし!
でも、構うもんか! 周辺を高速移動しながらチクチクチクチクいやがらせしてやるぞ! フィーヒヒヒ!!
『発想と発言が三下悪役のソレだし』
いいでしょ効果的なんだから!
あー! トモさん肝心な事忘れてた!
大地竜の使ってくる攻撃方法教えて! そういえば今まで聞いたことない!
『手短に言いますよ。ブレスとそして肉弾戦です。それと、一部の個体は再生する甲殻を発射すると言われていますが――まさにこれからです! 全力回避!』
トモさんの言葉通り、大地竜がブルっと震えて――背中方面が爆発!
なんか、煙の中から――岩が! 鋭利になった岩が飛んでくるゥ!!
「ヌオオオオオオッ!?!?」
衝撃波を細かく使って、小刻みに回避! 回避!
今更だけどやっぱりボクの挙動ってロボットだ!!
飛んできた岩は、アカのミサイルほど誘導性は高くないみたい!
でも見た目からして当たったら超痛そう! そして重そう!
でもいいんだ! ボクにどんどん集中してるってことだから!
このまま囮しつつ、頑張るぞ~!!
『ムーク! 援護が行くぞ!』
ヴァルがそう言うってことは――
「――ウナーッ!!」
ぎゃりん、と大地竜の頭から火花が散る。
帯電させた槍を持ったアルデアの、急降下からの一撃!
「ディナ・ロータスの時は見ているだけだったが! 今回は助けてやるのナ! ムーク!」
ボクの横を通り過ぎ、反転して舞い上がるアルデアが頼もしい!
「アリガトアルデア! 愛シテルー!!」
仲間に恵まれてるなあ、ボク!
「ふん、まあ受け取ってやるのナ! さあ! 空と陸でコイツを曳き付けるのナーッ!!」
「アイアイサー!!」
すり抜けながら大地竜を切りつけるアルデア!
それを追わせないように、再生したパイル発射ァ!! 弾かれた! 知ってた!!
「グオゴゴ……!」
大地竜がまた魔力を溜めてる!
そして、首は――アルデアの方に!
「アルデアーッ!!」
思わず叫んじゃったけど……空に向けて発射されたブレスは、アルデアに掠りもしなかった。
そりゃあボクより飛ぶの上手だもんね……っと! 感心してる場合じゃない!
よし、今度はアレを試そう!
隠形刃腕、起動!
こいつを横方向に展開して――魔力全開! 超振動!!
アルデアに向けてブレスを吐き終えた大地竜に――突撃虫!!
「ウオリャアーッ!!」
超高速で地面をカッ飛び、すれ違いながら足首を刻む!
必殺! 『むっくん・辻斬りアタック』!!
モリモリに魔力を込めた刃は問題なくヤツの装甲をザクリ!
これぞスピードの破壊力よ! どんどん行くぞ~!!
「貴様ノ靭帯ヲ寄越セーッ!!」
『オアーッ!? お隣ちゃんが吹いたキムチ鍋の汁が! 汁が目に~! むっくん! てんめ!』
ボク悪くなくない!?
昼間っからキムチ鍋なんて……いいな!
「ヌオウリャ!」
もう何回目か忘れたけど、追加辻斬りアタック!
これ、消費魔力はそんなに大したことないから何度でもやっちゃるぞ!
コイツはディナ・ロータスより小回りは効くみたいだけど、地面と空中を縦横無尽にカッ飛ぶボクよりは鈍い!
さらに、上空からアルデアが攻撃してるから狙いも絞れてない! ハッハー! さぞイラつくであろう!
「ゴオオオオオガアアアア! グオオオオオオオオオオオオオオッ!!」
キレてるキレてる!
どんどん怒れ! 判断力がうんちになるまで怒れ~!!
『岩ミサイル、来ますよ!』
ハイハイハーイ! アフターバーナー全開!
一気に距離を離しつつ――空中で体を捻って後ろ向きに!
おお、ミサイルがボク目掛けて一気に来てる! すっごい迫力!
「ンギギ!」
衝撃波急ブレーキ! からの――アフターバーナー再始動!
体が千切れそうだけど無視!
「ンギギャーッ!」
装甲が軋みながら、ロケットスタート!!
ミサイルはボクの速度に対応できず、後方に着弾して炸裂を繰り返す!
「――デエエエエリャアアアッ!!!!」
大地竜の足の間を通り抜けながら、両方の足に辻斬りアターック!!
「ゴオオオアアアアアアアッ!?!?」
おお、何度かの繰り返しで着実にダメージを与えてたのか!
悲鳴が上がってよろめいた! よし! 畳みかけるぞ~!!
体を軋ませながら反転して、もう一度再突入!
今度こそ靭帯かアキレス腱を寄越せ~!!
隠形刃腕を最大まで伸ばーす! そのまま股下を通り抜け――ないっ!
その場で大回転! 大回転!! むっくん・プロペラアターック!!
ザクザク斬れる! 目が回るけどザクザク斬れる~!
このまま一気にやっちゃるぞ――
「メギャーッ!?!?!?」
血が! ボクのじゃなくて大地竜の足首から血が噴出!
どす黒い墨汁みたいなのが! 目に入った! 目がーっ!??
と、ととととにかく離脱! 離脱~!
――あれ、なんか風切り音が………?
『尻尾ですむっくん! もう間に合いません――防御を!』
『ワレで防御しろムーク! 右から来るぞ!!』
――咄嗟にヴァーティガを合わせた瞬間に、激震。
真っ暗な視界のまま、吹き飛ばされて――また激震!
「グゥウアッ!?」
壁にめり込んだ! だけどヴァーティガのお陰で大丈夫!
背中にはヒビが入ったけど!
あーもう! 血がなかなか取れない!
『ブレスが来ます! 正面ッ!!』
了解!
見えないけど胸ハッチオープン!
魔力充填――全力全開! 背後は谷だから反動を気にする必要ナシ!
『射線上に障害物ならびに人物なし! 撃てますよ!』
魔力充填率、目測120%!
魔素凝縮電磁投射砲――発射ァ!!
※宣伝
『無職マンのゾンビサバイバル生活 欲求に忠実なソロプレイをしたら、現代都市は宝の山でした』は角川BOOKSより絶賛発売中! 電子版もありますよ!!
書き下ろし短編あり、加筆修正あり! 何より神奈月先生の美麗イラストあり!
よろしくお買い上げのほど、お願いします!
※SNS等で感想を呟いていただけますと、作者が喜びます。
是非お願いします!
是非お願いします!!




