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第92話 ブラック、再び。

「ガルルルァ!!」


 飛び込んでくる、黒い狼!

慌てず騒がず――ヴァーティガ片手振り!


「ゲゥッ!?!?」


 右手で振り下ろした頼もしい相棒は、狼の額に直撃。

骨を砕いて、両目が飛び出す――次!


「ウルゥルルル!!」


 地を這うように走ってくる新手には――衝撃波、拡散発射!


「ァギャッ!?」


 全身打撲で突進キャンセル――からの! 左パイル!!

首を斜めに貫いた棘は、そのまま狼の胴体を貫通して飛び出す!


 よし! ビックリしたけど、黒くなっても狼は狼!

前のブラック地竜にはとっても及ばない!

問題なく処理可能!


「ムーク、借りるね!」


 ととん、と衝撃。

いつかみたいにマーヤがボクの肩から飛んだ! ……今度は絶対に上を見ません!!


「――みゃぉッ!!」


 カワイイ掛け声と同時に、鋭い投げナイフが何本も飛ぶ。

それは、ボクに向かってくる狼の延髄にザクザク突き刺さって即死させる。

凄いコントロール!


「――ちぇいァッ!!」「ギャンッ!?」「ァオッ!?」


 近くではロロンがいつものように延長させた刃の槍を振るって――今まさに、2匹の首を斬り落とした!


「――破ァッ!!」


 その向こうではイセコさんが、両腕のブレードで狼を挽肉に転生させてる! 太刀筋が見えない!


「えいっ! えいえいえいえ~いっ!!」


 アカはロボットアニメみたいに、高速で水平に移動しながら肩のキャノンを連射!

射線上にいる狼に片っ端から風穴を量産! なう!


「ただいま」「オカエリ~!」


 マーヤが肩に帰還。

――っとぉ!?


「ゴメンネ!」「――みにゃっ!?」


 斜め横から狼が! 体をずらして、肩車の体勢に入りつつ――衝撃波、拡散乱れ打ちィ!!


「わわっ」


 マーヤの太腿が肩に落ちてきたのと、狼が空中でボコボコの水風船になったのはほぼ同時だった。


「ソノママ、ツカマッテテ!」


 まだまだ森の奥から来る! 止まってる時間はない!


「わかった、援護する!」


 マーヤの足の力すっご!?

手を使ってないのに、ギチっと体を固定してる!?

なら、いいや!


「アカ! 正面ニミサイル斉射ァ! 打チー方、始メッ!!」


「あいっ! まかして、まかしてぇ!」


 ぽぽぽしゅ、とミサイル。

それらはあっという間に加速して――木々の合間から走ってくる狼の顔面に、次々着弾!

散らばる毛皮! 飛び散る鮮血! 千切れる手足! 吹き飛ぶ首!


「オォオオ――!!」


 そんなスプラッタを見ながら、左手に溜める! 魔力を!!


「――行ケェッ!!」


 魔力を込めた棘が2本飛ぶ! 狙いは――あからさまにデカくて黒い狼! アレ絶対ボスでしょ!

時間差をつけて放った棘、その1本をソイツは躱した! 機敏!


「ギャッ!?」


 だけど、投げナイフがその鼻面に突き刺さる――ナイス、マーヤ!


「ギャオッ!?!?」


 そして、動きが止まった狼の喉に最後の棘が突き刺さった!

ドリル回転する素敵な棘は、そのまま喉を貫いて胸にめり込み――貫通!

狼は、加速の勢いで地面に転がって……痙攣して沈黙!


 ムムム!

やっぱりアイツがボスだったみたいで、他の狼がすっごい動揺してる!

ここで畳みかけるぞ~!!



「これで最後です――ねッ!!」「ゥオッ――!?」


 イセコさんの腕ブレードがきらめき、空中で真っ二つになる狼!

切れ味抜群ブレード!


 しばし腕を構えながら周囲を観察……うん、あの気配はもうない。


「フゥウ……」


「疲れた、びっくりしたね、ムーク」


 うわぁ! ずっとマーヤを肩車しっぱなしだった!


「ゴ、ゴメンネ?」


「ん? 何が? 乗り心地いいね、ムーク」


 意外にも好反応でした。

ならいいのかな……?


 あ! 完全に忘れてた!


『ヴァル! 上は大丈夫!?』


 ここからだと木が邪魔になって上空が見えないんだよね!


『ぬ、そちらも大変だったようだな。こちらも黒いムシクイドリの群れに襲われていた』


『マジで!? 大丈夫!?』


 アルデアの援護がないと思ってたら、上でもか!


『大丈夫だ。アルデアが飛んで引き離して――稲妻の魔法で一網打尽にしたぞ。ワレはピーちゃんとさらに上空へ避難していた』


 あー、そっか……よかった。


『知らせようかと思ったが下も騒がしかったのでな。やめておいた』


 なんて有能な相棒なんでしょ!


『片付いたなら聞け。そのまま真っ直ぐ行ったところで森が開けている……そこで一旦合流しよう、とのことだ』


『了解、こっちにも伝えておくよ』


 早速みんなに伝えなきゃ!



・・☆・・



「参ったナ。弱いくせに数だけは多かったのナ」


 ヴァルが言った通り、ちょっと歩くと明るい場所に出た。

しばらく待っていると、うんざりした顔のアルデアを筆頭にヴァルとピーちゃんも合流してきた。


「イセコさん、やっぱり連中は通常の魔物とは違うのナ。普通なら群れの三割も殺せば勝手に逃げ去るのに、最後まで突っ込んできたのナ」


「こちらも同じようなものです。ムーク様が群れの長を始末しましたが、動揺こそするものの逃走はありませんでした」


 あ、そういえばそうか。

皆よく観察してるなあ。


「なあ……ムークは何故マーヤを肩車しているのだ?」


「アッ忘レテタ。マーヤ軽イカラ」


 ジト目のヴァルに聞かれて思い出すくらいには軽い。


「あと半日はこうしていられる自身がある。ぬくぬくだね」


 さすがにそれだけいられると大変だ。


「おやびん、あったか、あったか~!」


「んふふ、そうだね。とってもあったかいや」


 マーヤはアカとキャッキャしながら地面に降りた。

体重移動が凄いのかな? 全然重くなかったよ。


「周囲に気配はありませんので、ここで休憩いたしましょう。地図が間違っていなければ、谷までは目と鼻の先です」


「ああ、間違いはないのナ。空から見たがこの先に谷はあるのナ」


 そうなん? それじゃ、ちょっと休憩しようかね。


「ピーチャンモオツカレ~。ハイクッキー、ア~ン」


『バキバキの歯応えが癖になるわ! 中に入ってる砕いた木の実がいいアクセントだわ~!』


「アカも! アカもほし~い!」


 仲間外れなんかにするわけないでしょ~、ホレ詰め込め~詰め込め~!


「ワレにもふぁふ……んぐ、美味い」


 当然、ヴァルにもね!

そして勿論ロロンにも~!


「ふみゅぐ……うめめなっす!」


「ムーク、ムーク、私も」


 マーヤにも~!

あっヤバいつい癖で……


「んう、おいし」


滅茶苦茶嬉しそう! ならいいか!


『(行動は100点なのに内面がまるでアホ虫だし……)』


『(行動するだけ良しとしましょう。亜空間女神エルボーは勘弁してあげましょうかね)』



・・☆・・



 開けた空間で少し休憩。

元々あまり疲れてないけど、それでもリフレッシュにはなった。


「例の黒化した魔物を確認したので、本隊に伝令を送っておきます」


 あの魔物は大変だからね……ここ以外にも周辺にいるかもしれないし、用心は大事。

ただの森狼でも強化されてたからね……ほんとにもう、なんだよアレ。


「そういえばムーク様、なして先程は狼にお気付きになられたんでやんすか?」


 ロロンが聞いてくる。


「アー……ナンダロ、勘、カナ?」


 そうとしか言いようがないんだよね。

なんかそういう変な感じがしたとしか……


「ムーク様の戦士としての成長なのす! はぁああ……ワダスも負けておられねのす~!」


「ムギーッ!?」


 マントを! マントを引っ張らないでくれまいか! 首が! 首~!!

ちくしょう! そんなに目をキラキラさせちゃって……かわいいね! ね!


『恐らくワレとの繋がりも関係しているのだろうな。不浄の気に対して、ワレら妖精は敏感だ』


 にゃるほろ……苦しい! ムギギ-! 

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― 新着の感想 ―
更新アホ虫ありがとうございます!アホ虫に愛すら感じる今日この頃!皆んな強いの知ってましたが、アルデアさんもやっぱりドエライツヨイ!?虫食い鳥、大虫食い鳥とは違うとは言え、強化黒虫食い鳥を一掃できるとは…
亜空間女神シリーズが認証されてくり出されたら、むっくんの旅が珍道中に。
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