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第58話 楽々道中……のままにしておいてくれまいか???

「――ガルルゥアッ!!」


 街道脇の茂みから飛び出した狼。

その顔面にィ――ヴァーティガ、フルスイング!!


「ギャンッ!?!?」


 頼れる相棒は、狼の顔面をトマトみたいにグッシャリ!

そしてボクに降りかかる返り血! 美味しくない!


「まだ来るぞ! コイツの後ろにゴブリン!」


 了解、ヴァル!

ヴァーティガから左手を離して――真っ直ぐ正面へ!


「ゲギャギャ――!」


 粗末なナイフを振り上げて出てきたそいつに――パイル発射ァ!!


「――メギャッ!?!?」


 胸の中心に大穴が開いた! ジャストミート!

あ、ゴブリンの後ろから狼が――


「ウナーッ!!」「ギャン!?!?」


 急降下アルデアキック! 狼が首が〇イキのマークみたいに折れて死んだ!


「てー! りゃー!」


 遠くの方では、カワイイ掛け声と一緒に降り注いだミサイルがゴブリンの頭に次々と炸裂している。

マルチロックミサイルだ! 格好いい!

血飛沫が花火みたいになっててグロイけども!


「ははは、なんとも小物ばかりだなっす」


 ヒィー!?

ダルトンさんが小石をピンピン弾いて、それでゴブリンが吹き飛んでる!

ガトリングガンかなにか!?

指弾ってあんなに威力あるのォ!?


「前は私が!」「しぇば、ワダスは後ろォ!」


 イセコさんはロロンと一緒に大暴れしているし……うん、大丈夫そう。


 朝に出発してしばらく後、魔物の群れに襲われたけど問題なく処理できている。

狼にゴブリン、それにコボルト。

たまに魔法ブッパしてるから、ブラックが周囲にいないのも把握済み。


「大丈夫デスカ~?」


「はい!」「問題ないのナ!」


 トーラスさんたちは高い木の上に避難してる。

木登りがお上手ねえ……


「ふん、この程度か……まあ護衛仕事なら万々歳か」


「ソソソ、平和ガ一番」


「覇気のない男よ……」


 ボクの返事にジト目を返して、ヴァルがマントに入っていく。

また内ポッケでスヤスヤする気だね? 別にいいけど。


「おやびーん! おわた、おわた~」


「ハイハーイ、オチカレ~」


 アカが戻って来た。

ふむ、消耗はしていないね。


「アカ、がんばったぁ! しゅごーく、がんばったぁ!」


「ホホホーウ! 素晴ラシイ子分ヨ! エエ子エエ子~!」


 撫でる! 撫でる! 撫で~る!


「きゃーはは! あははぁ! あはは~!」


 ころころ笑うアカのかわいさよ。

戦闘の疲れが空気に溶けていくようでござる~!


「ムーク様ぁ、お怪我はありませはひゃあああああ!?」


「ロロンモエエ子エエ子~!」


 ロロンも撫でたろ! 撫でたろ!


『うっふふ、うふふ! ご機嫌ね! ご機嫌だわ!』


 おやピーちゃんもいつの間にか撫でてた。

……まあいいや!


「ムーク! お主なあ……まあ、こやつらは喜んでおる故良いが。女性の頭はみだりに触るものではないぞ」


「アダダダダ」


 ヴァルの指がほっぺたにめりこんでおる!

肝に銘じておこう……そしてロロンは驚いてたから謝っておこう……


「ゴメンネロロン、イツモイツモ……ツイ……」


「じゃじゃじゃ……わ、ワダスも別に嫌ではねえのす! ただ……はぁあ~! おしょすいごど~!!」


「ゴブー!?!?」


 ロロンは頬を染めてクネクネしたかと思うと、ギュン! って回って走り去って行った。

回った時に持っていた槍の柄がボクの太腿に炸裂したけど、これは甘んじて受けておこうか……!

太腿消滅したかと思った虫です、ハイ。


「さあ出発ナ! トーラス! デルフィネを降ろしてやるのナ!」


「はいー!」


「ああ、トーラスが日に日に逞しくなっていくのナ……!」


 トーラスさんに抱えられて木から下りるデルフィネさんは、なんだかとっても嬉しそう。

確かに、彼ってばちょこっと力が強くなったみたいね。

筋肉が疲れてからの超回復とかいう現象だろうか、アレは?


「む、確かに撫で心地が良い……これはついついやってしまうな」


「んふふう! あはは!」


 ヴァルは内ポッケからアカを撫でてご満悦だ。

スケールは一緒くらいなのに、まるで大人と子供に見えるねえ。

実際そうなわけだけども。


「アカ、一緒に寝るか?」


「ねゆ、ねゆ~!」


 そして、2人は内ポッケに入ってキャッキャしている。

うーん、懐が幸せ。


『じゃあ私は肩! あったかいわ、あったかいわ~……』


 肩ではピーちゃんがデロンと溶けた。

これは、落ちないように気を付けて歩かんとねえ。



・・☆・・



「アト、ドレクライカナ……」


「そうですね……地図と照らし合わせますと、国境の砦までは6日程でしょうか」


 野営地でぽつりとつぶやくと、いつの間にか横にいたイセコさんが教えてくれた。

すっかり日が暮れて、周囲には焚火の灯りしかない。


「ソウイエバ砦アルンデスネエ」


「ええ、西方12国は国同士の関係は安定していますが……さすがに魔物のことがありますので。砦があれば、国境に強力な魔物が出現した時に二国間に即座に情報が送れますし」


 ほえ~……なるほどぉ。

魔物ばっかりだから大変だけど、国同士の戦争とかないのはいいね、ほんと。

どっちがいいとか悪いとかじゃないもんね、戦争ってさ。

……あ! どっかのクソヒューマン国は別ね! 別!


「イセコサンハ色ンナコトヲ知テマスネ。尊敬シマスヨ、ボク本当何モ知ラナイノデ」

 

 赤ちゃん虫ですので。


「しょっ!? ……そ、それは、その、ありがとうございます……!」


 謙遜しておるな~?

流石は大人の女性ですわ、いくつか知らないけども。

知るつもりもないけども、失礼だからね!


「他ノ国ニモ行ッタコトアリマス?」


「え、ええ。西方12国は半分ほど巡っております……グロスバルト帝国もですが」


「スゴイ!」


 基本徒歩のこの世界ですっごいなあ。

気ままな旅……とかじゃなくてたぶん、仕事だろうけど。


「そ、そうでしょうか……あの、気になる国などありましたら、その、ご説明いたしますが?」


 イセコさんはモジモジしている。

そういえばこの人、安全な場所で話す時は顔布まくってくれるんだよね。

慣れてくれたのなら嬉しいなあ。


「ウーン、ウーン……ソレジャ、マデラインニツイテ知リタイデス! イツカ行キタイノデ!」


「はい! まず【ジェストマ】から北上して【西端街道】に入りまして……」


 イセコさんは、むっちゃニコニコしながら説明してくれる。

うーん、いい人だなあ……


『いや、まあ、うん……うーん……神罰は先送りにしてあげましょうか』


『順調っちゃ順調だからね、このアカチャンソウルが育つことを祈ってお蕎麦を啜るし。ズロロロロ』


『カモナンバンというものはなんと美味なのでしょうか……ただでさえ美味しいツユの旨味が跳ね上がりますね……お肉もいいですが、カモの醍醐味はスープですね……ぞぞぞぞ』


 神界も平和ですなあ……お蕎麦食べたい! 食べたーい!!



「ムーク殿! こちらへ……えがんすか?」


「アッハイ?」


 イセコさんの説明を聞きつつ、楽しくお話していると……暗がりからダルトンさんがぬっと現れた。

松明とか持ってないけど、夜目が効くだよねえ……今更だけど。


「大丈夫デスヨ」


「ありがたい……イセコ殿もお願いし申す」


「問題ありません」


 あ、イセコさんが顔布を!

ってことは、お仕事モードなわけね。


 ボクらはダルトンさんの後を追って、野営地を離れた。

しばらく歩いた後……彼は足を止めた。

そこは、深い森に続く場所だった。


「これをば、見やんせ」


 地面を指し示すダルトンさん。

ん~? 下?


「こ、れは!」


 イセコさんが驚愕している。

一体何が……なにこれ? 細かい岩?

なんか、黒曜石みたいな色でキラキラしている……

ふむ、ザラザラしてるね、変な臭いもない。


「イセコ殿は、ご存じでやすか」


「ええ、これは……ディナ・ロータスの糞ですね」


 ……なんて?


「ハワワ!?」


 じゃあこの岩ってウンチなの!?

わっ! わっ! ばっちい! えんがちょ! 触っちゃったよ!?


 っていうか……それって、いつだったか聞いたデッカイ亀の魔物ォ!?

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― 新着の感想 ―
そういえば魔物だらけなこの世界、普通の動物は猪ぐらいしか出てなかったっけ?
更新ありがとうございます!長閑にゴブリン、オオカミ薙ぎ倒す。長閑とは?ダルトンアニは最強!戸愚呂弟100%で脳内再生。
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