35 久々にプラモデル作ってみた(マジンガーZ)
「お母さん、2000円以上買うと200ポイントもらえるんだけど、何か買わない?
今なら全品3割引きだよ」
翼にねだられて家電量販店に連れて行ったら、そんなお願いをされた。
でも、今、プラモ作ってる暇なんかないしなぁ。
新しい仮面ライダーWのプラモが出てるのは知ってるけど、3体揃えると結構な値段になるし…。
なんて思いながら見てたら、ディフォルメのマジンガーZのプラモを見付けた。
SDクロスシルエットという、2.5頭身と3頭身の2段階にディフォルメ具合を変えられるものらしい。3頭身なら、関節も結構動くみたい。
Zのほかに、グレートマジンガーやガオガイガーなんかもあったけど、ここはZ一択でしょ! グレートは、膝とかネーブルミサイル発射口とか、シールだし。
夕飯の後、早速組み立ててみる。
黒や青のパーツは、今流行りのグロスインジェクションっていうツヤのある成形色になってる親切仕様。しかも…
「これ、手でパーツ外せるんだ!?」
「え? うわ、ホントだ。
じゃあ、ニッパーいらないんだ」
「いらないかも」
でも翼、そのニッパー、お母さんのだからね。
あんたに貸してあげてるだけだからね?
組み立てること30分、マジンガーZは完成した。
10cm足らずの大きさのくせに、関節は一通り動くし、ホバーパイルダーは外せるし、ジェットスクランダーも付け外しできる。
ロケットパンチ発射の炎エフェクトパーツがついてたり、ギミックも満載だ。
シールも、目と、お腹のスクランダー接合部、スクランダーの尾翼の模様くらいだから気にならない。しかも! 尾翼の模様は、テレビ版と劇場版の選択式! 正にあたしのためにあるようなプラモだわ!
ジェットスクランダーの翼も、前後逆に付け替えれば、高速飛行モードにもできるし。
こうなるとグレートも並べたくなるのが人情だけど、ディフォルメすると、グレートってイマイチ冴えないのよねぇ。
ともかく、これは久々にグレートの最終回を見なきゃ!
…やっぱり、グレートも並べなきゃかしら?
最前列左端が今回のプラモ。見えにくいが、後ろの方に当時ものの超合金グレートもある。
マジンガーZ
1972年放送のテレビアニメ。原作漫画については、今回は割愛。
世界征服を企むDr.ヘルは、光子力エネルギーと超合金Zを手に入れるため、光子力研究所を奪うべく侵攻してきた。光子力と超合金Zの基となるジャパニウムの鉱脈は、ここにしかないのだ。
ヘルの企みに気づいていた兜十蔵博士は、対抗するため密かにマジンガーZを作り上げていた。博士は殺されたが、孫の甲児がZを操り、ヘルの機械獣軍団と戦うことになった。
日本アニメ初の“人が乗り込んで操縦するロボット”で、コクピットブロックが飛行機になっていて単独行動できる、別パーツの翼と合体して空を飛ぶなど、どうやったらそんな発想が出てくるのか訊きたくなるほどの新機軸のオンパレード。
「光子力エネルギー」「超合金Z」、「ロケットパンチ」と言えば、知らない人はいないというくらい常識。
金属玩具の「超合金」は、マジンガーZのダイキャスト玩具を出した際、「超合金Z」にちなんで名付けられたという逆転現象は有名。ちなみに、漫画版で出てくる説明では、「合金Z」を超える金属という意味で「超・合金Z」という命名由来である。
「マジンゴー!」のかけ声で、プールの水を割ってマジンガーZが姿を現す発進シーンは、OP冒頭にも使われるなど印象深いものとなっている。
ロボットアニメの黎明期ということもあり、特定の必殺技を持たない。
逆に言うと、“全ての武器が必殺の威力”を持っている。小技のように見える光子力ビームでトドメを刺すこともあり、どの武器でも決まれば必殺の威力を持っているのだ。例外は繋ぎ技の冷凍ビームだけ。
また、個人的には、動きに色気がないのが魅力でもある。端的に言うと、棒立ちで無造作に腕を前に伸ばし、そのままロケットパンチが飛んでいくのがかっこいい。力を溜めるとか、そういう予備動作なしに、ひょい、ドンッと飛んでいくのがいいのだ。予備動作的なものと言えば大車輪ロケットパンチで、腕をぐるぐる回す程度、といえば、その色気のなさがわかろうというものだ。
グレートマジンガー
1974年放送で、マジンガーZの続編。
ミケーネが地上侵攻を始め、マジンガーZが敗れたとき、グレートマジンガーが颯爽と現れ、戦いを引き継いだ。
グレートは、甲児の父である兜剣造博士が作ったロボットで、超合金Zを超える超合金ニューZで作られている。
マジンガーZを鋭角化したデザインで、基本的には各種武器がそのままグレードアップされている。ブレストファイヤーはより高熱のブレストバーンに、ロケットパンチは回転を加えたアトミックパンチに、光子力ビーム・冷凍光線の代わりにサンダーブレーク、ジェットスクランダーの代わりに内蔵型の翼スクランブルダッシュなど。
マジンガーブレードという剣を装備しており、剣を使うロボットの嚆矢でもある。
無機的に武器を使っていたZに対して、サンダーブレークなど予備動作のある武器も持つ。
一方で、マジンガーブレード、グレートブーメランといった手持ち武器を装備したことで、アトミックパンチが撃墜されて前腕がなくなるとそれらやサンダーブレークが使えなくなる、グレートブーメランがなくなるとブレストバーンが使えなくなるなど、しょうもない弱点が増えている。
全体的に一撃必殺方向に強化されているため、光子力ビームやドリルミサイル、サザンクロスナイフといった“数を撃って面を制圧する”タイプの武器がなくなったのが弱点。降り注ぐミサイルの雨を効率的に撃ち落とせる武器がない。
個人的には、マジンガーZのドリルミサイル(上腕部から射出)に相当する武器がないのが最大の欠点だと思っている。
とはいえ、単体で空を飛べるオールインワンの万能さは特筆もので、劇場版「UFOロボ グレンダイザー対グレートマジンガー」では、甲児が操縦するグレートが、デューク・フリードから「グレートマジンガーじゃ(円盤獣の相手は)無理だ!」と言われた直後に鮮やかに撃破するなど、そのポテンシャルの高さを見せつけた。どう見てもグレンダイザーよりグレートの方が強そうだった。
「グレート」では、「マジンゴー!」の声で海が渦を巻き、渦の中心部からグレートが射出され、上昇するグレートに垂直降下するブレーンコンドルが合体するという派手な演出になっている。
ちなみに、この合体はセミオートで行われており、マニュアルではできないことが本編中で語られている。
梓は、小さな人形を糸で縛り、洗濯機の渦の中からマジンゴーをやろうとして、洗濯物に糸が絡まって失敗した経験がある。
まったく困ったものである。
ジェットスクランダーの翼の模様
マジンガーZの飛行用ユニットであるジェットスクランダーは、初お目見えとなった劇場版「マジンガーZ対デビルマン」では、尾翼に「Z」の文字が入っているが、テレビ版では矢印のような模様になっている。
「グレートマジンガー」の最終回
「マジンガーZ」の最終回は、実質「グレートマジンガー」の1話である。
前話でDr.ヘルとの決戦に勝利した光子力研究所をミケーネの戦闘獣が襲う。
修理中のマジンガーZが迎え撃つが、まるで歯が立たず倒れた時、グレートマジンガーが現れ、戦闘獣の攻撃をものともせずあっという間に叩き潰した。
いいとこなしだったZだが、「グレートマジンガー」ラスト3話で再登場を果たす。
特に最終回では、前話の戦いで戦闘不能状態のグレートに代わって主役のような大活躍。
戦闘獣を倒し、七大将軍3人を直接倒し、戦闘要塞デモニカを動けないほど破壊してブレストファイヤーを浴びせる。
最終的に、ビューナスA、ダイアナンA、グレートが加わって、それぞれ光子力ビーム、スカーレットビーム(台詞上は「オーロラ光線、発射」と間違えている)、ブレストバーンを放射しているが、実質Zだけでデモニカを墜としている。
まるで「マジンガーZ」最終回での鬱憤を晴らしているかのようで、梓は大好きである。
ちなみに、デモニカには、地獄大元帥以下敵幹部全員が乗っていて全滅したが、首領である“闇の帝王”は正体不明のままで健在である。ただ、手駒を全て失ったので、ひとまず侵攻は終わった。