32.いよいよ明日
家に戻ってきた一行は、はぁ~、と一斉に溜め息を吐きながら床へ座った。
リュウセイもシュンレンもいるのだが、2人もお疲れのようだ。
「今後の作戦を考えま……」
「ちょーっと待った!」
サーモンはシュンレンに掌を広げて合図をかけた。
「休もうぜ。お前さんも疲れたろ」
「……そうだけど、私はここに長居するつもりはないのだけど」
「何ぃ? ゆっくりしようぜゆっくり」
「疲れたから早く帰りたいの」
そう言ったあとシュンレンは、「あっ」と声を漏らした。
「なんだよ」
「……私帰る所がないわ」
協会を追い出されたシュンレンには、住む家を失ってしまった。今思えばどうするのだろうか。
「おいおい、どうすんだよシュンレンさんよぉ」
「そうね……ホテルにでも泊まるわ」
「金かかるなぁ」
「大丈夫よ、お金はたくさんある」
「……あそう?」
ニコニコしつつも、イライラしてるのが顔面に表れてしまっているサーモン。
お金がたくさんある、だなんて言われては俺もイライラするに違いない。
「解決したところだし、早く話を進めて」
「……俺が!?」
「あなたがリーダーみたいな雰囲気を出してるわ」
「いや、俺はてっきりあんたがリーダーかと思ったよ」
後頭部を掻きながら考えるサーモン。
「リュウセイの親友にかかってるよなこれは。了承を得れば広めてもらって悪い空気が流れて本部長が焦り出す的なね」
「え、本部長にわかるように広めるの?」
「そうじゃないのかよ?」
「本部長にバレたら元も子もない気がするんだけど」
「そ、そうかよカイザ」
サーモンはいまいちわかっていないようだ。
「あのね、それだと本部長にネタバレしてるでしょう? そのくらいわかりなさいよ」
「…………うぃー」
ふてくされたように頬を膨らませた。
「じゃあどうやって広めるんだよ」
「別に本部長に知らせなくてもいいじゃない。反対派だけに言えばいいだけなんだもの。最終的に皆に責められて本部長は消えるのだから」
最後恐ろしいことを言ったが気のせいかもしれないな。
「じゃあ親友が大変だな」
「そう? 言うだけじゃないの」
「反対派見付けるのも難しいんじゃないか?」
「誰かぐらい把握してるでしょうに」
「……うん、把握してると思う」
横からリュウセイが言ってきた。
「ところで、リュウセイはこの事を親友に言ったの?」
「あっ、まだだった」
ちょっと電話してくる、と言って廊下に出ていった。
「ラインとかしないのかな」
「前に、こいつと連絡するなら電話がいいとか言ってたわ」
「へぇ……」
親友だからそれなりに好きなのか。かなり信頼してそうだ。
「結局カイザの弓練は意味なかったな」
「確かに……無駄に筋肉痛になっただけじゃん」
「ははっ。まぁ、今後の生活に役立てばいいんだけどな」
「そうだけどさ……」
少し会話したあとリュウセイが戻ってきた。交渉が早いな。
「早いなお前。もしかして断られた?」
「いいや。了承得た」
「おぉ」
「そもそも、もう反対派は本部長に畳み掛けようと思っていたらしい」
「マジで?」
まさかの事実だった。
「どうせなら明日にでも攻撃しようか? なんて言ってた」
「明日……」
「私は賛成よ」
「えぇ? 急すぎて話すことが……」
「本音をぶつければいいのよ。それに大勢の人がいるだろうし、本部長も小さくなるわ」
俺もフワワも賛成した。これはうずうずしていられない気がしたからだ。一刻でも早く解決してそれぞれの住民を解放してやりたいし。
「ほら、皆賛成してるわよ」
「わかったよ……」
これで皆賛成。俺も明日攻めるなんて、賛成したくせに今でも信じられないが決めたものは変わらない。
「ところでそんな短時間でよくそこまで話できたな」
「そうか? 遅いと思ってた」
「はぁ?」
サーモンは「なんだお前」と言い、気を改めて咳払いを1つ。
「んじゃあ朝イチに行くか」
「え¨っ」
「んだよカイザ」
「いや……」
「んじゃ、明日8時にここ集合な」
リュウセイとシュンレンは頷いてこの家を出ていった。
「よぉーし、俺はワクワクしてきた」
「マジかよ。俺は勝てる気しねぇ」
「まーたそんなこと言う。お前はネガティブすぎるんだよアホ」
「そうだよー。私は勝てる気しかしないけどね!」
「嘘だろおい」
2人してやる気なのかよ……。
俺はがっかりする。俺もやる気を出さないと勝てないのか、なんて思い始めてしまった。
「まだ明日まで時間あるけど、今から休んでおけよ。俺は晩飯を作るから」
今は4時過ぎか……。暫く暇になりそうだがそこはなんとかやり過ごそう。
……俺も若干明日が楽しみになってきたかもしれない。
ペースアップさせたけど、投稿ペースはどうかなぁ? って感じですわ




