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天星 愛しき人  作者: NAOKI


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【Vol.1】天星教の信者である私が、教祖と対面する

 天星教、それは、信者にとって、絶対的な宗教。そんな天星教の信者である私は、どんな人生を送るのでしょうか。それでは、これから幕開けとなります。

 天星、それは、尊き言葉。天に神々しく輝く星。誰もが、天星に憧れ、天星を夢見て、日々、努力と研鑽を惜しまず、生きていく。

 これは、天星教という宗教の教え。てんせいきょうと読む。私は、天星教の信者である両親から生まれ、ずっと天星教の女性信者として生きてきた。物心が付いた時から、両親に、天星教の信者としての心得や、毎日欠かさずしなければいけない事等を教わってきた。天星教の信者として、やるべき事をやれば、必ず幸せな人生を送る事ができるというのが、天星教の信者の間では常識となっている。

 天星教には、創始者である教祖がいる。本名はベールに包まれていて、天星教の信者は、皆、教祖を神として崇めている。教祖の言う事は絶対で、逆らったら、地獄に落ち、二度と幸せになる事ができないとされている。

 両親も、ずっと天星教の信者として生きてきた。天星教信者の集会で出会い、意気投合し、結婚したという事だ。天星教の教えを信じて生き、結婚して幸せになれたという事で、両親の天星教への信仰心は、益々強くなった。

 今日も、私と両親の、天星教信者としての一日が始まった。朝、出掛ける前に、天星をイメージした小さな像に、正座して一礼し、決められた長い呪文のような言葉を、手を合わせながら、声に出して言う。この所作は「礼行」と呼ばれていて、れいこうと読む。その中に「天星信必導幸福」という言葉がある。この言葉は、てんせいしんひつどうこうふくと読み、天星を信じる事は必ず幸福を導くという意味を持つ。この言葉を、思いを込めて言う事により、自らの願いが叶うとされている。私も両親も、いつものように礼行に励み、「天星信必導幸福」と声に出して言う。礼行が終了し、清々しい気分。それぞれの活動に向かう。

 私は、自分で言うのも何だけど、お洒落が好きで、服選び、化粧、髪形に、毎日、時間をかける。顔も、可愛さと綺麗さを兼ね備えていて、おっぱいとお尻が大きく、腰がくびれていて、ボン、キュッ、ボンのセクシースタイル。今日も出掛ける準備を真剣に整え、完了。大きな鏡の前に立ち、ポーズを取りながらじっくりと見る。

 ―うん!私、今日もすっごく可愛くて綺麗でセクシーだ~!しっかり礼行したし、今日はすっごくいい事がありそうだな~!男の人にナンパされたらどうしよう~!って、私、何を浮かれてるんだろ~。時間がやばくなってきたし、そろそろ出発しなきゃな~―

 鞄を持ち、靴を履いて、家を出発。東京都世田谷区の端に住んでいて、最寄り駅は杉並区にある。テクテク歩いていると、私のスマホが鳴った。ディスプレイを見ると、幼馴染の昇星からの電話。しょうせいと読む。昇星とは、小さい頃から、よく一緒に遊んだり、過ごしたりしてきた。天星と、星は同じで、天と昇が異なるが、天星と似ていて、親近感が湧く。昇星は、天星教の信者ではなく、私が天星教の信者である事は知らない。私がテンションを上げ、元気な声で電話に出る。

「もしもし、昇星、おはよ~!朝、電話くれるなんて珍しいね~!どうしたの?」

「おはよ~!何となく、声を聞きたくなって、電話しちゃった~!今、何処にいるの?」

「ウフフ、嬉しい事を言ってくれるね~!ありがと~!今、駅に向かって歩いてるとこだよ~!昇星は何処にいるの?」

「お~!偶然!僕も、もうすぐ駅に着くとこなんだよ~!僕の方が先に着きそうだし、改札口の前で待ってるよ~!」

「うん!私ももうすぐ着くけど、昇星の方が早く着きそうだね~。そんなに待たせないと思うけど、ちょっとだけ待っていてね~!」

 電話を切って歩き進み、駅の改札口前に着くと、昇星が笑顔で私に手を振っているのが見え、私も手を振り返す。

「昇星~、お待たせ~!」

「そんなに待ってないよ~!何だか、今日は一段と綺麗に見えるよ!何かいい事あった?」

「ウフフ、相変わらず、口が上手いね~!別にいい事なんて無いけど、朝活を一生懸命頑張ったお陰かな~。さぁ、行こう!」

 二人で電車に乗って席に座り、楽しくおしゃべりしながら過ごし、目的地の駅に到着。電車から降り、横並びで談笑しながら、同じ場所を目指して歩く。

「今日は、最初は眠くなりそうだけど、昼御飯の前は、いっぱい身体を動かさなきゃいけないし、頑張らないといけないね~」

「あはは。昇星、寝ちゃダメだよ~!ランチを楽しみにしながら、頑張ろうね~!」

 何気ない会話を楽しみながら歩き進み、目的地に到着。小走りで建物の中に入る。

 天星教には、天星教に入信する可能性を感じる人がいれば、天星教の素晴らしさを熱心に説明し、入信させなさいという教えがある。私も両親も、その教えに従い、少しでも入信する可能性を感じれば、最初はやんわりと、徐々に強く、天星教への入信を勧めてきた。ほとんどの場合、失敗に終わるのだが、稀に成功する事がある。もし成功したら、新たな入信者を盛大にお祝いする集会が催され、以後、天星教が嫌になり、棄教したいと思っても、棄教するのが極めて困難になる。私も両親も、天星教が世界で一番素晴らしい宗教であると信じて疑わず、懸命に布教活動を続けてきた。ただ、昇星に関しては、天星教への入信の可能性を全く感じず、入信を勧めるどころか、私が天星教の信者である事を、必死の思いで隠してきた。私が天星教の信者である事が、昇星にばれてしまったら、嫌われてしまうかもしれないという恐怖があった。

 ―私、昇星に嫌われたくない。今、昇星といい関係を保ってる。この関係を壊したくない。私が天星教の信者という事が、絶対に昇星にばれないようにしなきゃいけないな―

 今日も、天星教の信者という事を隠しながら、昇星と一緒に平穏な日常を過ごしている。

 父親は、普通の会社勤めのサラリーマン。会社では、布教活動は禁止されているので、天星教の信者である事を隠しながら、話題にも出さずに、真面目に仕事に励んでいる。

 母親は、父親と結婚する前は、バリバリのキャリアウーマンだったそうだが、父親との結婚を機に、仕事を辞め、今は専業主婦。ただ、私と父親が外出している間、何をしているのか分からない。ある意味、謎な人である。

 私は、見た目は至って普通の、可愛くて綺麗でセクシーな女性。多くの男性が、私を見ると、上から下まで、私の身体をじ~っと見つめる。男性から、そんな風に視線を浴びるのには、もう慣れっこだ。

 でも、昇星は、他の男性とは違って、私の事を、本当に大切にしてくれる。幼馴染の純粋な目で、私を温かく見守ってくれる。そんな昇星の事を、いつしか私は好きになった。昇星の事を考えると、幸せな気分になったり、胸が苦しくなったり、いろいろな感情が湧き起こる。昇星にどう思われているのかが、気になって仕方がない。

 ―昇星は、私の事、どう思ってるのかな。私の事、好きになってくれてたら、すっごく嬉しいな~。いつか、昇星に「好き」って言いたいな~。昇星から「好き」って言ってくれたら、最高に幸せなんだけどな~―

 一方で、私には、天星教の信者という事以外に、昇星に絶対に知られてはいけない秘密がある。思い出したくもない、前の出来事。

 ―昇星に、私に起こった、思い出すと涙が出てきそうになる、おぞましい出来事を、絶対に知られたらダメだ!もし万が一知られてしまったら、いくら昇星でも、絶対に私の事を嫌いになってしまう―


 私は、16歳の時、初めて教祖に会った。

 天星教には、女性は、16歳になった時、教祖が指定する日に、東京にある、天星教本部に行き、教祖と対面し、教祖の言う通りに行動しなければならないとい教えがある。

 16歳の誕生日。例年通り、両親にお祝いしてもらった。ホールケーキに、蝋燭を十本立て、火をつけて、ハッピーバースデーソングを歌い、両親が満面の笑顔で言う。

「16歳になったね~!おめでと~!」

「ウフフ、ありがと~!」

 私がフ~ッと息を吹き掛け、蝋燭の火を次々と消し、10本全ての蝋燭の火を消した。「はい!誕生日プレゼントだよ~!」

「わぁ~!ありがと~!何が入ってるのかな。開けてみるね~!」

 私が箱に掛かっているリボンを取り、箱を開けて中を見ると、前から欲しかった、テディベアのぬいぐるみが入っていた。

「わぁ~!このぬいぐるみ、すっごく欲しかったんだよ~!すっごく嬉しいよ~!ありがと~!ずっと大切にするね~!」

「うん!そんなに喜んでくれて、私達も嬉しいよ!そのぬいぐるみを買って良かったよ!」

 テディベアのぬいぐるみをテーブルに乗せ、三人でケーキを食べる。私が大好きな苺がたくさん乗っていて、生クリームとスポンジも、苺とマッチしていて、絶妙のハーモニー。

「うん!すっごく美味しい~!あまりにも美味しくて、ほっぺたが落ちそう~!」

「ウフフ、大袈裟だな~。まぁ、確かに美味しいね~!このお店のケーキは、いつ食べても美味しいわ~!」

 三人で楽しくおしゃべりしながら、ケーキを食べ進め、完食。突然、両親が真剣な表情になり、父親が私に言ってきた。

「大切な話がある。天星教の女性信者にとって、16歳の誕生日は、特別なんだよ。もうすぐ、天星教本部から、お前宛に郵便が来るはずだ。郵便の内容は、天星教の教祖様のところに行って、浄化してもらうという事だ。浄化というのは、汚れた心を綺麗にしてもらうという事で、教祖様の言う通りに行動すれば、きちんと浄化されるから、教祖様の言う事をちゃんと聞くんだぞ!何を言われるのか、お父さんも分からないけど、教祖様がお前を傷付ける事は無いはずだ」

 父親の言葉を聞き、私が母親に訊ねた。

「え~!教祖様に会って、何をさせられるのか、すっごく気になるよ~!お母さん、何をされるのか知ってるよね?教えてよ~!」

「うん。知ってるよ。私も16歳の時、初めて教祖様に会って、教祖様の言う通りに行動して、浄化してもらったんだよ。何をさせられたのかは、申し訳ないけど、言えないんだよ。誰にも言っちゃいけない事になってるの。どうせ、人それぞれ、教祖様に言われる内容は違うから、言っても仕方がないんだけどね。最初は、すっごく緊張したけど、段々落ち着いてくると思うよ。そんなに気にしなくても大丈夫だよ。教祖様は、あなたを浄化する為に、しっかり考えてくれてるよ」

「うん。分かった。不安な気持ちもあるけど、心を綺麗にしてもらえるんだし、教祖様に会えるのを、楽しみにしてるよ」

 真剣な会話が終わり、元の楽しい会話に戻る。その日は、不安な気持ちもあり、なかなか寝付けなかったが、何とか眠る事ができた。

 それから数日後、父親が言った通り、我が家に天星教本部から、私宛に郵便が届いた。早速、封を開けて、中を見てみると、父親が言った通り、教祖からの招待状で、私を浄化するので本部まで会いに来るようにという内容の文書が入っていた。その日の夜、晩御飯を食べながら、私と両親とで話し合った。

「ほんとに教祖様から、会いに来るよう、文書が届いたね。教祖様に会うの、緊張しちゃうな~。どんな事をさせられるのか、気になるな~。ドキドキするわ~」

「大丈夫だよ。教祖様の言う通りに行動して、くれぐれも失礼の無いようにね」

「お父さんは、教祖様に浄化してもらった事ないよね。なんで女性だけが、教祖様に浄化してもらうんだろうね~。ねぇ、お母さん、教祖様の事を教えてよ。教祖様はどんな人なの?前に教祖様に何をさせられたのか、なんで私にもお父さんにも言えないの?やっぱ、知りたいよ!お母さんは、いつまで教祖様に浄化してもらってたの?」

「ごめんね。教祖様に、誰にも言わないように言われてるから、どうしても言えないのよ。でも、天星教の女性信者は、皆、そうやって不安な気持ちを抱えながら、教祖様に会って、浄化してもらってるから、大丈夫だよ。教祖様は、女性の事を大切に考えながら、女性を浄化してくれる、素晴らしい人よ。女性だけを浄化してくれるのは、男性は自ら心の修業に励んで、心を鍛えるというのが、天星教の教えなのよ。私は、16歳の時に初めて教祖様に会って、それからは一年に一回か数回、毎年教祖様のところに行って、浄化してもらってるよ。もうすっかり慣れちゃったよ」

「え~!まだ教祖様に浄化してもらってるの!いつまで浄化してもらうの?」

「ウフフ、いつまでなのかは、私にも分からないの~。天星教本部から郵便が来てる間は、教祖様に会いに行って、浄化してもらうというのが決まりなの。まぁ、教祖様が、この女性はもう大丈夫だと思ったら、もう招待状が来なくなるんだろうね」

「うん。分かった。いろいろ教えてくれて、ありがとう。ドキドキするけど、教祖様に会いに行って、浄化してもらうよ!私の心、すっごく綺麗になりそうだね~!」

「うん!あなたの心、今でも十分綺麗だけど、教祖様に浄化してもらったら、本当に心の中が隅から隅まで綺麗になるのよ。不安に思わないで、楽しみにしていてね」

「うん!そんなに心が綺麗になるんだね~。段々楽しみになってきたよ~!」

「そうだぞ~!教祖様に会えるのは、素晴らしい事なんだからな~!俺も、一度でいいから、教祖様に浄化してもらいたいよ~!教祖様に会いに行く時は、きっちりとした恰好で行かなきゃな~。今度、服を買いに行くか~。綺麗でお洒落な服を選ぼう!」

「うん!いっぱいお洒落できるんだね~!すっごく嬉しいし、楽しみだよ~!」

「うん!いい笑顔してるよ~!さぁ、晩御飯を食べよう!私が一生懸命作ったんだから、しっかり味わって食べてね~!」

「うん!お母さんの料理、すっごく美味しいよ~!モリモリ食べるよ~!」

 三人で楽しくおしゃべりしながら、晩御飯を食べ進め、完食。その日は、ベッドに横になり、少しの間、目を閉じていると、すぐに眠りにつく事ができた。

 それから数日経った土曜日、私と両親は、有名な百貨店に行き、私が教祖に会う際に着て行く服を、楽しくワイワイ話しながら物色し、可愛らしいながらもきっちりとした服と、清楚な感じがするスカートを買った。家に帰り、買った服とスカートを着て、両親に見せると、両親が大喜び。喜んでいる姿を見て、私もテンションが上がり、嬉しくなった。更に日が経ち、いよいよ私が、教祖に会いに行く日の朝を迎えた。

「おはよう。とうとうこの日が来ちゃったね。教祖様に会うの、すっごく緊張するよ~!教祖様、私の事、どう思うんだろうな~。失礼の無いようにしなきゃいけないけど、変な事して、嫌われちゃったらどうしよう~」

「おはよう。そんなに緊張しなくても大丈夫だよ。教祖様に会ったら、すぐに緊張が和らいで、教祖様の思いやりと優しさに包まれて、心がすっごく綺麗になって浄化されるから、全く心配しなくていいよ~」

「うん!分かったよ!朝起きた時は、不安な気持ちの方が強かったけど、段々、教祖様に会える楽しみな気持ちの方が強くなってきたよ~!よ~し!モリモリ朝御飯を食べて、体力を付けて行くよ~!」

「うん!その意気よ~!もう朝御飯できてるよ。元気が出る朝御飯を作ったから、いっぱい食べてね~!」

「やった~!嬉しい~!ありがと~!」

 私と両親で、お母さんが作ってくれた朝御飯を、楽しく会話しながら、どんどん食べ進める。私が大好きなパンケーキがあり、メープルシロップをたっぷりと付けて頬張ると、甘味が口の中に広がり、幸せな気分になる。

「わぁ~!すっごく美味しい~!お母さん、最高に美味しいパンケーキを作ってくれて、ほんとにありがとうね~!」

「ウフフ、そんなに喜んでくれて、嬉しいよ。作った甲斐があったよ。教祖様に会う時、元気な笑顔になりそうだね~!教祖様、絶対にあなたの事を気に入ってくれるよ!」

「そうだな~。こんなに可愛らしい娘を、気に入らないはずないよな~。教祖様に浄化されて、綺麗な心が益々綺麗になるぞ~!」

「うん!教祖様に気に入られるよう、ニッコリ笑顔で話すよ~!心がすっごく綺麗になるんだろうな~。どんどんテンション上がってきてるよ~!」

 更に三人で食べ進め、完食。後片付けを済ませ、この日の為に買ってもらった服を着て、スカートを履き、大きな鏡の前で自分の姿をじ~っと見つめてみる。

 ―うん!私、今日もすっごく可愛い~!この日の為に買った服とスカート、めっちゃ似合ってるよ~!教祖様、絶対に私を気に入ってくれるよ~!自信持って行こう!―

 天星教本部に行く準備を整え、いよいよ出発。三人で電車に乗り、天星教本部の最寄り駅に到着。電車から降り、改札口から出て、天星教本部に向かって歩く。街の雰囲気が、いかにも天星教~という感じで、どんどん天星教本部に近付いているのが分かる。

「あ~、もうすぐ天星教本部に着くんだね~。さすがに、めちゃくちゃ緊張してきたよ~!教祖様、私の事、気に入ってくれるかな~。浄化って、どんな事をするんだろうな~。考えれば考えるほど、どんどん緊張しちゃう~」

「大丈夫だよ!教祖様、絶対に気に入ってくれるし、優しく浄化してくれるから、何も心配しなくていいんだよ」

「そうだぞ。こんなにもお母さんが言ってくれてるんだし、可愛い可愛い女の子を、泣かせる事なんて、教祖様は絶対にしないぞ!」

「そうだよね~。考え過ぎちゃ、ダメだよね。よ~し!覚悟を決めたよ~!笑顔を大切にして、教祖様と楽しく和気あいあいと過ごすよ」

 そんな会話をしながら、どんどん歩き進んで行くと、オーラが漂う大きな建物の前に着き、両親が口を開いた。

「着いたぞ。ここが、天星教本部だよ。久し振りに来たけど、相変わらず、物凄い雰囲気だな~!僕も緊張してきたよ~」

「うん。私も結構久し振りに来たよ~。いつ来ても、気が引き締まるな~。今日の主役は、あなたよ!いよいよ教祖様とご対面だよ!」

「とうとう着いちゃったよ~。すっごいオーラを感じるよ~。ところで、私、天星教本部に来た事あるの?」

「そうだな~。だい~ぶ前に、大きなイベントが天星教本部で行われた時に、一緒に来た事があるよ。覚えてないかな?」

「うん。ぜんっぜん覚えてないな~。ま、いいや。今日は私が主役!いよいよ教祖様とご対面だ~。めっちゃドキドキするけど、頑張って楽しんで来るよ~!」

「そうそう!その意気だよ!今、すっごくいい笑顔してるよ!さぁ、中に入るよ~!」

 三人で緊張しながら、天星教本部に入る。建物の中は、いきなり、だだっ広いスペース。たくさんの人がいて、リラックスしながら談笑したり、緊張しながらソファに座っていたり、スマホをいじっていたりと、いろいろな事をして過ごしている。

「わぁ~!すっごく広~い!さすが天星教本部!予想以上の広さで、すっごく綺麗~!」

「ははは。そりゃ、こんなに広くて綺麗なんだから、はしゃぐわな~。ほんと、いつ来ても気が引き締まるよ~!さぁ、あっちに受付があるから、受付を済ませよう!」

 三人で歩いて受付の前に立つと、受付の綺麗な女性が、ニッコリ笑顔で言ってきた。

「ようこそいらっしゃいました!今日はどのようなご用件でございますか?」

「今日は、この子が、16歳になった事により、教祖様にご招待されまして、浄化を受ける為に来ました」

「あ~!こちらのお子様が、教祖様に浄化される方なんですね~!教祖様から聞いておりますよ~!ご案内します!こちらへどうぞ!」

 受付の女性に案内され、三人で後に付いて歩く。ロビーから出て、廊下を暫く歩き、エレベーターに乗って上がり、最上階に到着。エレベーターから降り、少し歩くと、巨大なドアが目の前にある。すると、受付の女性が、急に真剣な表情になり、強い口調で言ってきた。

「ここから先は、浄化を受けるお嬢様一人で行っていただきます。ご両親は、ロビーにてお待ちいただくか、一旦、この建物から出て、浄化が終わり次第、こちらから連絡して、来ていただくかになります」

 受付の女性の言葉を聞き、父親も母親も、一気に真剣で緊張感溢れる表情になった。

「分かりました。気分的に、とても家に帰るなんて余裕はありませんので、ロビーで待たせていただきます」

「承知致しました。ロビーまでご案内させていただきます。それでは、浄化を受けるお嬢様、覚悟が決まったら、ドアを開けて中に入って下さい。急ぎませんので、ゆっくりでいいですよ」

「はい。分かりました。少し時間を下さい」

 私がそう言うと、緊張した面持ちで、父親と母親に言葉を掛けた。

「お父さん、お母さん、行って来るね。すっごくドキドキしてるけど、大丈夫。心配しないでね。心をすっごく綺麗にしてもらって、元気に戻って来るよ」

「うん。心配する事ないぞ。今でも心は十分綺麗だけど、教祖様にもっと綺麗にしてもらって、ニッコリ笑顔で戻って来るんだぞ」

「天星教の信者である以上、女性は誰もが通る道だよ。私も16歳の時に、教祖様に浄化してもらったんだよ。心配いらないよ。心がすっかり綺麗になって、最高の女性になって戻って来てね。楽しみに待ってるよ!」

「うん!ありがと~!行ってきま~す!」

 三人でハグし、いよいよ私がドアを開けて、中に入る。その様子を、父親と母親が見守り、私の姿が見えなくなると、受付の女性に案内され、エレベーターに乗って下り、ロビーに向かって行った。

 私が部屋に入ると、思ったよりも広く、天井が高く、不思議な雰囲気の空間が、私を迎えてくれた。床にはフカフカの絨毯が敷かれている。上下左右、視線を動かしながら見る。

 ―お~!めちゃくちゃ凄い部屋だな~!圧倒されるわ~!まるで、お城の王様の部屋のようだな~!え~と、教祖様は何処かな~―

 あまりにも凄い部屋に圧倒されながらも、教祖が何処にいるか探す。暫くの間、キョロキョロしながら探すが、教祖の姿を発見する事ができない。

 ―あれ~?この部屋に、教祖様がいるはずなんだけどな~。何処にもいないな~。おっかしいな~。まさか、いないのかな~―

 更に教祖を探すが、見つからない。一旦、この部屋から出ようかと考え始めた時、部屋の奥にあるドアがゆっくりと開き始めた。

 ―うわっ!びっくりした!あんな所にドアがあったんだな~!ぜんっぜん気付かなかった~!あ!誰かがこの部屋に入って来る!―

 私がドキドキしながら固まっていると、その人がどんどん姿を現し、部屋に入って来た。背が高く、少し長めの髭を生やしていて、不思議な雰囲気を醸し出している、おじさん。一目で分かった。教祖だ。

 ―お~!この人が、教祖様か~!思ったより、老けてるな~!髭、長っ!でも、天星教の教祖~って感じだな~―

 私が驚きながら、教祖を見ていると、私の緊張感を和らげようとしているのか、教祖がゆっくりとした口調で話し始めた。

「はっはっは。怖がらなくていいんだよ。ま、見た目が怖いから、仕方ないよな~。もう分かってると思うけど、俺が天星教の教祖だよ。君の事は、既に聞いてるから、よ~く知ってるよ。思った通り、すっごく可愛くて、清楚だね。16歳になったの、おめでとう!天星教の女性信者が16歳になった事は、特別な事なんだよ。これから、16歳になったお祝いとして、君の心を隅から隅まで綺麗にする、浄化という儀式をするよ。す~っごく心が清々しくなるから、楽しみにしていてね~!」

「はい。ありがとうございます。お目にかかれて、光栄です。浄化、楽しみです」

「うん!いい笑顔だ~!じゃあ、早速、浄化に取り掛かるよ。まず、服を脱いで裸になってね。脱いだ服は、そこのハンガーにかけて、下着は、そこの籠の中に入れてね」

 ―え!教祖様の前で、裸になるの!え~!嫌だ!めちゃくちゃ恥ずかしいし、裸を見せたくないよ!何とかして、逃れたいよ~!―

「教祖様、ごめんなさい。裸になるの、めちゃくちゃ恥ずかしいので、裸になる事はできません。裸にならずに、浄化していただけませんか?お願いします」

「それは無理なんだよ。心を隅から隅まで綺麗にする為には、まず裸になるしかないんだよ。恥ずかしい気持ちはよく分かるけど、恥ずかしがらずに、僕にありのままの君を見せてくれ。決していやらしい事はしないから、安心してよ。あくまでも、君を浄化する為に必要な事なんだよ」

 教祖の言葉を聞き、私が涙を流しながら、切にお願いする。

「どうしても裸にならないといけませんか?私、もう両親とも一緒にお風呂に入っていませんし、教祖様とはいえ、裸を見られたくないんです。お願いします」

 私の言葉を聞き、教祖の表情が怖い表情に変わり、強い口調で私に言ってきた。

「ダメだ!裸にならなきゃいけないんだ!君を浄化する為なんだよ!言っておくが、君の母親だって、16歳の時に、私の前で裸になったんだよ!何も恐れる事は無い!恥ずかしがらなくていいんだ!君の両親は、天星教に納めているお金の金額が少ないんだ!このままでは、君も君の両親も、幸せになる事ができないぞ!それどころか、どんどん不幸になるぞ!そんなの嫌だろ!ここで君が裸になって、俺が君を浄化したら、君も君の両親も、必ず幸せになれるぞ!さぁ、早く脱ぎなさい!」

 教祖の強い言葉を聞き、私の目から大量の涙が零れ、意を決する。

 ―そうなんだ・・・。お母さんも、16歳の時に、教祖様の前で裸になったんだ・・・。ここで私が裸にならなきゃ、私もお父さんもお母さんも、不幸になっちゃうんだ・・・。すっごく嫌だけど、裸になるしかないか。私が我慢して裸になったら、私もお父さんもお母さんも、幸せになれるし、私の心が隅から隅まで綺麗になるんだ。よし!覚悟を決めた!教祖様の前で裸になるぞ!昔、温泉でお父さんと一緒に男湯に入った事があるし、大した事ないよ!大丈夫!―

「分かりました。皆が幸せになる為に、教祖様の前で裸になります。浄化されるのを、楽しみにしてます。よろしくお願いします」

「そうだ!それでいいんだよ!さぁ、決心がついてる間に、早く服と下着を脱いで、裸になりなさい!」

「はい。これから服と下着を脱いで裸になりますので、少しお待ち下さい」

 私が涙を拭い、お気に入りの服をゆっくりと脱ぎ、スカートをゆっくりと下ろし、下着姿になる。脱いだ服とスカートをハンガーに掛け、教祖の方を見ると、教祖が薄ら笑いを浮かべながら、じ~っと私を見つめている。私が懇願するように教祖に言う。

「教祖様、下着姿になりました。お願いです。もうこれで勘弁して下さい。どうしても裸になる決心がつきません。下着姿で浄化して下さい。お願いします!」

「ダメだ!いい加減、覚悟を決めなさい!君を浄化して、君も両親も幸せになる為には、君が裸になるしかないんだよ!」

 教祖の物凄く強い言葉を聞き、私が諦めの表情になり、小さな声で教祖に言う。

「私が裸になるしかないんですね。分かりました。裸になります。少しお待ち下さい」

「そうだ!それでいいんだ!早く下着を脱いで、俺の前で裸になるんだ!」

 私の目から、涙が零れ落ちる。泣きながら、ブラジャーのホックに手をかけた。


 ≪Vol.2に続く≫

 主人公は、教祖に浄化される為、下着姿になり、裸になろうとしています。浄化とは、どのような行為なのでしょうか。次回をお楽しみに!

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