↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
1/9

第1話「噂のギャル」

今度から新連載します。同人ギャルと繰り広げる青春ラブコメ作品です。

これから主人公、尾賀猛雄が三人の同人作家から狙われてしまう展開が盛り沢山。

是非、ブックマークと高評価してください!

 今月は四月一日。桜が満開に咲き誇り、新たなステージを踏み出す季節となった。


 基本、学生は一個上に繰り上がっていく。それに伴って行われるクラス替えは学生からしてみれば楽しみの一つだった。


 別に俺はあんまり特別感を持たないイベントだが、隣で信号待ちしている女の子たちは大はしゃぎだ。

 現実とか創作上でも上がるような“好きな異性と同じクラスになりたい”って言う願望は青春を匂わせている。


 横断歩道の信号が青に変わった。再び赤に切り替わらないうちに歩み出す。


 今日は確かクラス分担表に従って教室を目指せば良かったはずだ。クラス分担表は去年と同じなら生徒玄関前に置かれた机の上から記載された紙を取っていく。紙は取るのか好きに選択しても良いと事前通達が終業式にあった。


 そして在籍する生徒たちが校門を潜って敷地内に入る姿が目立つ。そこを俺も通って中に入れさせてもらう。


 すると、敷地内に踏み入れようとした瞬間、遠くから俺を呼ぶ声が響いた。


「尾賀猛雄、待ったぁぁぁ!」

「ん?」


 思いっきり俺が呼ばれていた。それは“尾賀猛雄”と言う名前から分かったことだ。


 俺は振り返った。後ろを向いた瞬間、正面から馴染みのある女の子が飛び込んで来る。


「きゃっ⁉︎」

「うわぁ⁉︎」


 ドサッと女の子が俺に抱きついた。まるでラブコメ展開みたいだ。


 彼女が胸元に倒れ込むと、髪の毛から良い匂いが香る。多分、高めのシャンプーだと予測できる。


 それより何故、燈月結花が抱きついて来たのか疑問だった。


「お、おい! 一体どうした⁉︎」

「もーう! 途中で躓いちゃったの!」

「危ないだろ? 走ってくんなよ!」


 それを目撃した周辺の人たちから注目を集めてしまった。周囲は俺たちをカップルだと勘違いし始める。


「ち、違う! 私たちは恋人じゃないよ!」

「そ、そうなんだ! 躓いちゃったみたいで!」

「––––猛雄よ。何をやっているんだ?」


 冷気を帯びたような質問が来た。それは非常にお怒りだと言うことだ。


「何触ってんの? 早く離れろ!」

「きゃっ⁉︎」


 無理に結花を剥がして来たもう一人の女子。彼女は怖そうな顔と目つきが特徴的だった。


 彼女の後ろに結花が引っ張られる。代わりに一歩踏み出した彼女は低め目線で告げて来た。


「こいつに手を出すなよ? 言っとくけど、私の大親友なんだからさ」

「わ、分かってるよ。別に手が出たんじゃてねぇから!」

「あっそ」


 すぐ振り返って結花と並んで校舎に歩き出す。結花も黙って彼女と校舎を目指していた。


「ったく、困るわ。あの女……」


 何だか無性に苦情を言いつけたかった。けど、口で勝てるような相手じゃないことぐらい知っている。


 あれが女子の間で【王子様】とか呼ばれている黒芽凪《くろめ なぎ》だった。


 実質、よく絡んで来ることが多く、いつも冷たい態度が目立っている。一度たりとも笑顔を見せた瞬間などないぐらい無愛想だと心得ていた。


 とにかくクラス分担表から教室と席を確認。それに従って場所を移った。


「ここが二年D組か? 新しい教室は慣れないから好きじゃないんだよな」


 取り敢えず中に入ってみる。去年と違った顔触れが揃っていた。


 正直、色んな人と関わりたいとか思っていない。理由は単純に人間関係が面倒だからだ。そこまで仲良くしても虚しいだけだと思っている。


 黒板に席順を記した表が貼られていた。これを見ながら自分の席に着く。


 座ってから荷物を仕舞い始めた。始業式は中身がスッカスカだからバックは凄く軽い。


 そして荷物が仕舞い終わるタイミングで正面から声が掛かった。それは清純を催すような振る舞いをする同級生だと分かる。


「ねぇ、君がペンネーム【猪侍】なんじゃないのかな?」

「––––え?」


 いきなり声かけて来たのは大人しそうな男子だった。


 彼は全く敵意を感じさせないような安心感が抱かせる。


「実は【猪侍】さんのファン何ですけど、少し話せませんか? こう見えて二次元オタクなもんで……」


 話しかけて来たのは大人しげな男子だった。彼は名を辻間平太と言うらしい。他から噂を嗅ぎつけたみたいだ。


 俺は趣味で執筆している作品を無料投稿サイトに載せていた。それが学校中で話題を呼んでしまったのだと言う。


 意外にサイトから読んでくれる人たちもいるため、開始して六ヶ月後には収益化していた。


「今度、うちでアニメ鑑賞しないか? うちは昼間から親がいないんだよ。だから、日が暮れる前に帰ってもらえれば大丈夫なんだけど」

「俺は構わないよ。お言葉に甘えてアニメ鑑賞しに行こうかな」


 そんな会話を交わしていた時、別方面から声を掛けられた。


「ちょっと悪い。辻間平太を借りたいんだが良いか?」


 いきなり学級委員の恵下奈津から声が掛かった。確か今日までが去年の話し合いで決めた学級委員を継続する日だったはずだ。


「恵下じゃん。これまでご苦労様。本当に良い働きっぷりだったよ。君に引き続き働ける奴が引き受けてくれるのを願うばかりだな」

「またまた猪くんは冗談が透けちゃっるよ。いつも手伝ってくれたお前がいなきゃ務まらなかったんだからさ」

「全く聞こえが良いよな」


 俺は奈津と仲良しだった。奈津は今年もクラスメイトになったみたいだ。なので、今日から一年間は共に協力して行こうと思った。


「それより辻間に用がある。お前は次の学級委員候補に入れさせてくれないか? 去年はクラスが違ったけど、個人の評判が良くて推薦されているんだけど?」

「え? お、俺が? む、無理だよ! そんな仕事は務まらないって!」

「まぁ、無理しなくても良い。もうちょっと考え直してから決めて欲しい。期待した返事を待ってるからな」


 奈津が用件を伝え切ると俺たちの前から去っていった。


 奈津は判断力に長けている。それは同じ教室で過ごしていて分かった。あいつほどの適切な判断は窺ったことがない。


「お前って凄いな? あいつから声かけてもらえるとか滅多にないぞ」

「でも、困るんだよねぇ」

「分かる。意外と持ち掛けて来る話のスケールがデカ過ぎて決断が難しいよな」

「うん」


 二人で奈津を見送っていた時、今度は俺が声掛けられた。相手は初対面で会話すら交わしたことがない女子だ。しかも、遥かに話題性を持った存在でもあった。


「尾賀くん、で良いかな? ちょっと話を聞いてくれないか?」

「えーと、どちら様?」

「ふふん! 聞いて驚くなよ! 私は【獅子嶺牙子】って言う同人作家だ! その名を知らぬとは言って欲しくもないかもね!」


 人差し指を突き出しながらポーズを決めた緑髪の少女。豊満な胸と見事な首れ、露出している肌は綺麗すぎるような絶世の美女が話しかけて来た。


「ほう? お前が売れっ子同人作家の獅子嶺なのか? 初めて素顔が拝めたかも。めっちゃ可愛いじゃん」

「だろ? 只今、彼氏募集中なんだよね!」


 シンプルに知的そうなメガネを光らせる。見た目は文学少女そのものだが、中身は印象のまんまオタク女子が際立っていた。これでも男子からモテまくってしまうほどの評判がある。


 取り敢えず獅子嶺から話を聞いてみる。どうやら他にも二人ぐらいは話したがっている同人作家が控えていた。彼女たちも超モテモテで、男子から告白が絶えないらしい。


 その二人とは放課後に会って欲しいみたいだった。同じクラスではあるが、時間ギリギリに到着する予定だと聞いている。と言うことは到着まで間もなくだろう。


 そう思っていた矢先、予鈴が鳴り始める四十秒前に差し掛かった。廊下から二人の女子が教室に駆け込んで来る。


「ギリギリセーフ! 後は着席してお終い!」

「間に合ってぇぇぇええ!」


 いきなり入って来た二人が自分の席を探して即行で座った。


 始業式だから荷物は少ない。だから、大して事前準備は必要なかった。


 そして予鈴は鳴り響く。急いで着席した女子たちは息を切らしており、ゆっくりと深呼吸する。


(間に合いやがった。本当に運の良い奴ら)


 内心で呆れ気味な感心を抱いた。別に俺から歓声を送るつもりがある訳でもない。それに特別な関心が湧くようなことがあったのでもないんだ。


 取り敢えず始業式早々から遅刻寸前は致命的だろう。いつか彼女たちは必ず遅刻してしまうんだと思った。


 その後、無事に初日の朝礼が始まる。担任は噂にも聞いていた教師だった。


 彼は【天才数学者】だと言う噂を抱える教師である。しかし、本性は【二次元大好きオタクおじさん】としか思えない自己紹介だった。


「それじゃあ今年一杯はよろしく頼むよ。みんなは趣味を大切にしながら個々が夢見る道を歩み進めよう。では、解散!」


 何事もなく朝礼は終わった。


 今年から“朔原茂朗”先生の元で世話になる。特に心配するようなことはないから安心はしていた。


 すると、席を立とうとした俺を呼び止める声が響く。それは先ほどの走り込みで今後に不安を抱かせた女子だと分かった。


「何かな? 今からトイレ行くんだけど」

「そっか。じゃあ、一緒に行こ! 話があるんだよね?」

「一緒はどうかと思う。ここはトイレから帰った後で良いだろ」

「いや、悪い。すぐ話したい。そんな待ってられないタチでさ」


 いきなり話を急かされて困った。俺は女子とトイレに行きたくない。それが分かってもらえないのは少し迷った。


 けど、この三人が噂の同人作家なのは事実だ。生で窺えるとは思ってもみなかった。


 三人ともリアルJKを匂わす制服姿と唯住まいは絶景かも知れない。オタク男子には刺激が強いと思わされた。


「とにかく行こうよ。時間ないんだからさ」

「分かってる。でも、尾賀くんの返事は待たなきゃ」

「答えは出てんだろ! 早く聞かせてくれ」


 生まれて初めて三人の女子から迫られた気がした。それも超絶美少女たちが勢揃いしている。これほどのメンツが俺に用事があるのは天地をひっくり返しそうな感じだ。


(ここは合わせておこう。きっと三人が機嫌を損ねることだけは避けた方が良い)


「分かった。普通なら女子とトイレは行かないんだけどな」

「よっしゃ! 良い判断じゃん! そりゃあ私たちみたいな美少女から誘われてんだから当然だわ」


 自信満々に告げ切ったのは黄上智子だった。彼女は朝礼前から声かけて来た【獅子嶺牙子】で名が通った同人作家の一人である。ネット上でも“肉食系女子”と名高いらしい。


「決まったんなら早く行くよ。次の予鈴が鳴っちゃうでしょ」

「お、おう……」


 真っ先に黒髪美人の海麗美羽が手を掴んで引っ張って来る。


 見た目は大人しげな美羽は男子を嫌悪するような態度が目立つことで有名だった。特に自ら男子に触れることはない。


 なのに、会って間もない俺の手が握られていた。それが何より気がかりでしょうがない。何かしら事情があったんだと言い聞かせながら俺は冷静さを保った。


 美羽は少し引っ張ったら握った手は離してくれる。廊下を出る寸前のドア近辺だった。


「遅いよ。さっさと行くんだってば」

「ご、ごめん。じゃあ、行こうか?」


 美羽が先頭を歩き出す。後ろを着いて行くと腕にしがみつく柔らかい感触が生じた。気づいたら豊満な胸が当たっている。


 その正体は雛津間鈴莉だと一瞥してから分かった。鈴莉がしがみついて来た正体みたいだ。


「なっ⁉︎ い、いきなり何だよ⁉︎」

「うわっ。反応が童貞くさっ。別に嫌いじゃないかも」

「私たちだって処女でしょ?」

「はぁ? それ廊下で言わないでよ! バカぁ!」


 こうして俺は高校生活二年目を迎えた。急に出会った三人の美少女と戯れながらトイレを目指していく。

読んで頂きありがとうございます。

本格的に第2話から三人の同人作家ギャルと恋愛が始まります。是非、今後の展開に期待してください!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。