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シズカな時間  作者: 大星雲進次郎
Season3 ミッシングリンク!
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第84話 女神のギフト 〜銀河最強の戦士が異世界に転生?②〜

足元に倒れ伏しているのじゃロリ神には構わず、シズカはレポートをまとめていた。

このレポートは公には公開できない物だ。時空監察局内にも共有されない、シズカの資産。彼女の死後、記憶クリスタルにアクセスすることにより初めて他人の目に触れる、そういう物だ。


「生命の魂に干渉できる力と理論体系。あらゆる個所に存在するという理屈で世界を騙し、見せかけの時間操作……。ひとつめはまだ場の形成が不十分……」

『ん……』


のじゃロリ神の意識が戻ったのか、地べたに顔面から倒れていた身体が少し動いた。


「ねえ、アンタ。いつまで寝てるの?人をこんなところに呼び出しておいてよ?一人で寝てるんじゃないよ?」


どこまで広がっているのか分からない場所だ。

シズカが立っている、のじゃロリ神が寝ている、その部分は床なのだろうが、境界は分からない。さらに空間全体が光っていて落ち着かない。

のじゃロリ神の脇腹をつま先で蹴りながら、目覚めを待つ。

この個体を始末して、TOKYOに帰ってもよかったのだが、転生特典とやらがすごく気になっていた。

ここは下手に出るのが吉だ。


『お、おのれ……』

「お、目が覚めた?」

『神たるこのわしが……この屈辱……』

「……神様ごめんなさい。私ちょっと混乱してたみたい。ほら、おっぱい揉ませてあげるから許してよ」

『いらんわ!……まったく調子が狂うの』


のじゃロリ神がヨタヨタと立ち上がるのに手を貸す。


『おお、スマンの』

「まあ、私だってこれくらいの親切心はあるよ。だから、あれ、ギフトってのを……」

『そうであったな……おぬし、本当に死んでおる、のじゃよな?』

「はい。それはもう完ぺきに」

『ならばトラックにはねられて死んだそなたには、身体強化と高速移動、並列思考に、毒無効もつけてやろう』


全部持ってる……とはさすがに言えず。


「ま、魔法とか」

『おお、次の世界は剣と魔法の世界じゃ。魔法は誰でも使えるぞ。そうじゃの、魔法経験値2倍というのをつけてやろう』

「神様、太っ腹だねえ!好きかも!」


魔法の使い方は……さすがにここでは教えてくれないか。シズカは転移後に期待するしか無いと考えた。実地のほうがしっくりくるだろうし。


「あとさ、どうせ森とかに放り出す気でしょ?なんかサバイバルセットとかないの?」

『安心せよ。ワシもそこまで外道ではないわ……。いやワシ、トータルではとても親切じゃぞ?』


確かに、悪いのはシズカさんだ。


『ちょうど勇者召喚が行われておるのでな、それに紛れ込んでもらうとしよう。王宮に召喚されるぞ。そこでそれなりの実力を見せれば、良い暮らしは可能であろう』


シズカの足元に転生用の魔法陣が浮かび上がる。


「ほう……」


ヴェールのようなモノが魔法陣から浮かび上がる。事故防止のための結界だとシズカは理解した。


『シズカよ、今度こそ悔いのない人生を送るがよい!』

「ありがとう、のじゃロリ」


薄れていく周りの景色。

転送が始まるのだ。

様々な制限があり、34世紀でもまだ実用にはほど遠い転送技術。

シズカは全力で解析を開始した。


『一つ言い忘れておった。この世界へのマーカーを術式に加えぬ限り、帰還は叶わぬぞ!神たるわしに不敬を働いた罰じゃ、頼れる者もおらぬ世界で寂しく死んでいくとよい!』


のじゃロリ神がなにかわめく。

どうする?悩んでいる時間はない。


「え?どういうこと!?神様、ちょっと待って〜……」


棒読みだが、シズカは復讐したがっていたのじゃロリ神の願いを叶えてやることにした。

高貴な美しい黒猫は、恩義を忘れない。

暗転、そして……。


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