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虚空の空を、見続けるということ  作者: 林檎蜜柑
表現の自由展編
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表現の自由展を開こう(2)

 生徒会担当の教師と鶴屋が話し相談してまとめたところによると、どうも、いつの間にか体育館に絵画を並べて1、2、3年制が鑑賞してまわるという縮小案になったようだ。校舎をフルに使いたいという律と浅葱の思惑は外れたことになる。

「えーつまんない。もっと盛大にやっでほしかった」

「盛大に、盛大に」

 まあしょうがない気もする。高偏差値の公立普通科+平均偏差値の美術科だし、そりゃいくらなんでも夢の見過ぎでしょう。芸術系と普通の大学目指す人じゃ違いますよ。

 鶴屋って俺と同じ普通科だし、元々あんまり興味はなかったのかなーなんて思うわけだ。

 副会長と書記の二年生はどういう立場でやるんだろう。お地蔵さんでいるのか、それとも1年に協力するのか。でもこの帰属はハッキリしてくれないとなあ。鶴屋は何を考える。

 どうでもいい。どうせ副庶務だし。高校というのは、3年勉強して卒業すれば、上がりのゲームなんだ。律のせいで副庶務になってしまったが。


「これから定例の生徒会会議を初めます」

 と生徒会長が告げた。すっと下を向いて、もう誰の顔も見られないのである。哀れ。だが仕方がない。

 突然鶴屋は言う。

「副会長と書記のかたは、この件についてはどうなさりますか?生徒会長と一緒に傍観なさりますか?それともお手伝いいただけますか?手伝ったほうが内申書的に得だと思いますよ」

「お手伝いします」

 と副会長(2人)、書記(1人)は答えた。

 権力を得た鶴屋の暴走は止まらないだろう。しかしながら、もとを辿れば生徒会長に帰責事由がある。しょうがないといえばしょうがない。

 表現の自由展といいながら、内情はドロドロした胡散臭い生徒会政治で決まってる。生徒会権力の不自由展でもやればいい。

「先生と話し合ったけど、1年、2年の作品を1人1点ずつ体育館に飾って、時間制で1~3年生で鑑賞して、感想文を書こうという内容でいく感じ。1~3年生の教室を徴用して作品を置いて、巡るようにすれば一番良かったけど普通科の教師が嫌がって結局こうなった」

 鶴屋さんが言った。

「それでも、いい」

「それでも、いい」

 浅葱、律コンビが同時に言った。お前ら勝手にハモるな。

「で、いつやるって」

「三週間後らしいです。色々体育館を使うこととの折衝があるので」

 3週間っても長いような短いような………。

 律と浅葱が言うには、1年軍団は盛り上がってるらしい。よくわからん。

 1年2年、各30人いるから、60個!の絵画をあっちへ持っていったりこっちへ持っていったりするのか。誰がやるんだ。

「そりゃ私達でしょ」 

 浅葱と律が言うが、一方で鶴屋が

「生徒会長も多大な労力を捻出させていただけますよね?

 なんて聞いてやがる。どこまでもどこまでも搾り取るつもりなのだ。それが彼女なりの復讐であり、死者への手向けなのだ。鬼だね。おぞましい。

「一応、1週間前から搬入許可をいただきましたので、2週間後から私達が搬入しましょう」

「はーい」

 みんなが返事をする。

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