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ラクがしたい冒険者~誰か俺を養って~  作者: あさまえいじ
第一章
28/50

第27話

本日2話目です。よろしくお願いします。

孤児院に立っている男は、俺達が帰ってきたことに気づき、近づいてきた。

「やっと帰ってきたか。」


近づいてきたことで男の顔が確認できた。

「ブランド―」

この男がなんでここに来た。


「お前がどうしてここにいる。」

「何、渡し忘れがあるんだ。」

ブランド―はミレーユに一枚の紙を渡した。

「これ、借金の証文!」

「借金を返して、俺が受け取った。だからこれを渡すのが筋ってもんだ。」

わざわざ持ってきてくれたのか。こいつ案外いい奴なのか。だが、俺はそれ以上に気になることがあった。ブランド―は察したのか、

「キアラなら来てないぞ。」

俺の顔を見て、さらにブランド―は続けた。

「キッド、キッドって泣くから、とても連れてこれなかった。ま、お前さんにとってはこれで良かったんだろうがな。」

そうだ、俺にとってはもう、これでいい。もう会わないほうがいい。キアラも、俺も、ミラも・・・


「さて、これで俺の用は終わりだ。」

ブランド―はやることやったから帰る、といった雰囲気で帰ろうとしたため、俺は呼び止めた。

「まて、ブランド―。」

「あん?」

いかにも気怠いそうに、こちらを見た。

「借金を返してもまだミレーユを狙うか。」

「!!」

俺の質問にミレーユは身を強張らせた。だがブランド―の回答は俺達には信じられなかった。

「はあ?なんで?」

「借金を返せなかったら、妾にすると言っていた。それに何度か邪魔もしてきたようだが。」

ブランド―ははぁ~、と、ため息を吐き、俺達を見て言った。

「借金、返したろ。俺も証文を渡した。もう狙うこともない。これで満足か?」

「・・・」

俺とミレーユは納得がいかなかった。ブランド―商会が脅しをかけてきた。俺に孤児院に関わるなと言ってきたこともあった。

「あ~、リドルとナックルのことか。部下の暴走も上司の責任だからな。まあ説明すると、あいつらはノルマがあってな、借金の回収実績で自分の給料が変わってくる。だから、自分の仕事を頑張った。お前たちから、借金の回収しようとな。リドルから寄付金をミレーユに渡している奴がいると聞いて、もし騙そうとしているなら、追い払う必要があるから、脅してこいと言ってナックルを付けたが、ナックルを退けたから、もう少し様子を見るつもりだったが、ブラッディーベアだ、スタンピードだ、で、キッドに金貨60枚入ったから、借金が返せるだろうと思っていた。そしたら、キアラが来て、キッドをすぐにここに連れてこい、と、言ったから、ミレーユ達やガキ共を屋敷に移せば、キッドは来る、と思っていた、案の定来てくれた訳だ。その背負っているガキには悪いことをしたな。」

ブランド―は姿勢を整え、頭を下げた。

「すまなかった。」

リオンに対し、誠実に謝っていた。


俺はこの男を殴ってしまった。だから俺も謝罪することにした。

「すまなかった。」

俺もブランド―に習い、姿勢を整え、頭を下げた。


「もう、いいよ。」

リオンが小さく言った言葉を聞き、ブランド―は頭を上げた。


「俺もその謝罪を受け入れよう。」

ブランド―が俺の謝罪を受け入れてくれたことを理解して、頭を上げた。


「そうか。感謝する。」

俺達は互いに笑いあった。


不思議なものだ、さっきまでこの男のことを悪い奴だと思っていた。だがこの男は、真っ直ぐな男だ。なぜ世間の評判は悪いのだろう。俺が不思議そうな顔をしていることに気づき、ブランド―は気まずそうに話し出した。

「俺の評判なんて悪いほうがいい。俺から金を借りるのは最後にしておいたほうがいいからな。それに手下どもも行く場所が無きゃ、犯罪を起こして、捕まって、それを養うために税金が使われる。そんなの無駄だろ。」


俺はこの男の印象が随分変わった。話してみるとわかることがある。ブランド―は優しい奴だ。手下に居場所を与え、食事を与え、仕事を与え、真っ当にさせた。その手腕と懐の深さに俺は感服した。

「ブランド―、お前はいい奴だな。」

俺の口は自然とそう言っていた。


ブランド―は俺の言葉を聞き、悪そうな笑顔を浮かべ、言った。

「俺は悪党だぜ。信じるなよ。」


ブランド―はそう言って、去っていった。


side ブランド―

「クックックックックッ・・・」

あんな真っ直ぐな奴がキアラの弟か、世の中分からないもんだ。いや、今日の印象だけで言えば、キアラの印象もだいぶ変わったな。


俺は孤児院から去って、そのまま屋敷に帰らずにある場所に足を運んだ。

「相変わらず、時化た場所だ。」

「そういうなら来るな。」

「そういうな、マーキス。古い友人が遊びに来てやったんだ。」

「ふん!相変わらずキザな奴だ。ブランド―。」


マーキスは酒を注ぎ、俺に差し出した。

「おう。」

俺は酒を受け取り、一気に呷った。

「あー、貧乏くさい味だ。」

俺は酒の味に不満を漏らした。

「フン!お前の屋敷に行ったときに、酒をくすねておけばよかったな。」

「そうだな今度やるよ。まだ、うちの厨房にある料理酒の方が上手いくらいだ。」


俺達は並んで酒を飲んでいた。


「マーキス、老けたか。」

俺はマーキスのある一部を見て、思わず言った。言ってしまった。

「お前、どこ見て言ってやがる!」

マーキスの目は殺意に満ち溢れていた。

「大変か。」

俺の質問にマーキスは言葉を探した。


「大変、そうだな、昔の仲間で死んでしまった奴、英雄になった奴、商人になった奴、みんなギルドからいなくなっちまった。それで大変かと問われると、どちらかと言えば、寂しいになるか。」

マーキスが話しだし、俺は聞いてやった。


「ブランド―、どうしてあんたは商人になった。あんたはこういう運用ってやつは俺なんかよりずっとうまかった。」

俺はその質問に答える前に、酒で喉を潤した。そして、話を始めた。


「フン、ギルドでは拾えない奴がいる。だから商人になった。それに俺は商人でもギルド職員、まぁ俺様だとギルド長どころかギルド本部のトップにもなれるだろうけどな、どちらでもやれたから、商人を選んだ。まぁ不出来な後輩に道を譲ってやるのも先輩の務めだ。」

「いつまで経っても不出来な後輩ですか。ブランド―先輩。」

「お前を一人前の冒険者にしたのはこの俺だ。マーキス。たかが、ブラッディーベアの騒動の事後処理くらいさっさとこなせ。」

俺とマーキスは席を立った。





俺はマーキスに指示を出し、事後処理を手伝った。

「おい、マーキス。この報告書、日付が抜けているぞ。」

「はい。先輩。」

「次、こっちに持ってこい。」


俺が手伝って終わらせてやった。

全くマーキスの奴は、何時まで経ってもしっかりしない。たまに見に来ないと、心配だ。

そうだ、ここに来た目的が終わっていなかったな。


「おい、マーキス追加だ。」

「先輩、さっきので、ブラッディーベアの報告書は終わりですよ。」

「何を言っている。うちの修理費だよ。」

「!!」


マーキス、俺が見ていてやる。さぁ、成長したお前の力を見せてくれ。

俺はマーキスが青い顔をしているのを尻目に笑っていた。


side out





ありがとうございました。

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