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ラクがしたい冒険者~誰か俺を養って~  作者: あさまえいじ
第一章
19/50

第18話

本日2話目です。よろしくお願いします。

ルーナが怒ったことをミレーユに告げたら、ミレーユに無視された。どうして。

ルーナはまたも俺を怒ってきた。

もっとちゃんと言え。

じゃないとミレーユはあげないと言われた。

この娘は怖い。


side ルーナ

今日もあの男が来た。

リオンとキールは彼を信用しているようだけど、私は騙されない。

男はみんな嘘つきだ。

ママも男に騙されて、捨てられた。

ママは男は信用するなといって、死んだ。


キッドさんだって、ミレーユお姉ちゃんが綺麗だから、良く思われようとして寄付しているだけだ。

そういうとキールは凄い怒る。

普段おとなしい、いや、臆病なキールが私に逆らった。

この私に。


リオンも否定した。あの人はそんな人じゃない。

リオンも逆らった。


いいわ。あなたたちには頼らない。

ミレーユお姉ちゃんは私の家族だ。私が守る。

でも、玄関で抱き合わないでよ。子供の教育に悪いでしょ。

そこは私が死守するから。後で教えてよ。コイバナは別腹よ。


「ちょっとキッドさん。」

「なんだ。」


うう、おっきくて怖い。でもミレーユお姉ちゃんは私が守る。

だから、この人の建前を聞き出すことにした。


「ミレーユお姉ちゃんのこと、どう思っているんですか。」

「ミレーユのことは、彼女は俺が守ると誓った、大切な人だ。」

私は、私の目を真っ直ぐに見て言う姿、内容に興奮した。これは恋している。

私は建前を聞き出し、そこから本心を読み取ろうとした考えは頭の中から無くなった。


「!!それ、ちゃんとお姉ちゃんには伝えたんですか?」

「いや。」

「もう何やっているんですか!ちゃんと伝えないとダメじゃないですか。」


私は他人の恋路が気になった。

コイバナは3度のごはんより大好きよ。


「いいですか。キッドさん、ミレーユお姉ちゃんを大切に思っているなら、ちゃんと言わないと。」

「いや、俺が大切だと思っているだけで、彼女の気持ちも…」

「ダメです。ダメです。いいですか、女というものは言葉にしてほしいんです。ちゃんと言って、気持ちを伝えて、自分のものにするんです。ミレーユお姉ちゃんは美人なんです。俺の者だって主張しないと誰かに取られます。それにそんな気持ちではミレーユお姉ちゃんはあげれません。」


私は、さっきまでこの人が怖いと思っていたことを忘れ、この人に恋のレクチャーをしていた。


全くこの人はダメダメです。

ミレーユお姉ちゃんのためにこの人を教育し、立派なミレーユお姉ちゃんのお婿にして見せます。


私は使命感に燃えていた。

当初のキッドを遠ざけようとしていたことは忘れてしまった。

恋は盲目だ。


「ミレーユ、ルーナという子がミレーユのことをどう思っているか、聞かれたが、家族のようだと言ったが、あの子に怒られた。何と答えたらよかったんだ?」


キッ


ミレーユお姉ちゃんが私を睨んできた。

表情が豊かになってとても嬉しい。

思わず頬が緩む。


でも、キッドさんそういうのは女性に聞いてはダメです。

こういうところも教育しないと。


side out


次の日の朝を迎えた。

朝からギルドに来るように言われていたので、行くことにした。


ギルドに着くとギルド長に呼ばれ、ギルド長の部屋に入った。

俺以外にテオやロイ達が来ていた。


ギルド長の話はスタンピードの終息とブラッディーベアの討伐の立役者として領主と会うことになった。

それもこれからすぐだということだ。


今、馬車がこちらに向かっているため、それに乗っていくことになった。


side ギルド長マーキス

昨日の騒動がいまだ尾を引く状況で、また、面倒が起こった。

領主とギルド本部に連絡をしたところ、ギルド本部はテオから状況を聞くと言っている。

しかし、領主はすぐに会いたいと言い出した。

全く、忙しいというのに。


テオとロイ達が来てくれた。後はキッドが来てくれるのを待つだけだ。

「ギルド長、どうしたんですか。」

「テオ、実はな…」


俺はテオ達に状況を説明した。

「いきなりですね。」

「ああ、だが断るわけにはいかない。事後処理も終わっていないというのに。」


俺はギルドの現状を考え、頭が痛くなってきた。


俺が頭を抱えていると、キッドが来た。


「おーい、キッドちょっと来てくれ。」

俺はキッドを呼んだ。


「どうした、ギルド長」

「すまない、今日すぐに領主のところに行くことになった。」


「そうか。わかった。」

キッドがすんなり了承してくれた。

「すまんな。おそらく話はスタンピードの終息とブラッディーベアの討伐の立役者を表彰するというところだろう。」


俺がキッドに説明していると、馬車がやってきた。

俺は6人に声を掛け、馬車に乗った。


side 領主ケルヴィン辺境伯


「ケルヴィン様、間もなく、冒険者たちが到着なさいます。」

「ああ、すぐに行く。」


私の名はケルヴィン。

この領地を治める辺境伯だ。

父が亡くなり、その後を継いだ。


私が父から受け継ぎ、最初に着手したことはブラッディーベアの討伐だ。


2年前程にブラッディーベアによって大きな被害があった。

父はその騒動の対応中に亡くなった。

元々、跡継ぎとして教育されていたし、父も権力を手放し私の貢献として尽力してくれていた。

だから、後を継ぐのは問題なかった。


父は何度もブラッディーベアに苦しめられていた。

この都市も苦しめられていた。


だから、ギルド本部にブラッディーベアの討伐部隊を常駐させてほしいと嘆願した。

そのための資金を用意した。色々な援助を打ち切った。孤児院の援助も打ち切った。


申し訳ないことをした。孤児院の院長は高潔な人だった。

裏で悪事を働く者が多い中、院長だけは誠実な人であった。


そして私が殺した人だ。


援助の嘆願に何度も訪れていた。

だが、私は断った。


全てはブラッディーベアを討伐するために、そのことに囚われ続けた。


そして、院長が来なくなった。


院長が亡くなった。


私は知らせを聞き、何も言えなかった。

何も言う資格はなかった。


今もそうだ。

院長が亡くなった後、院長の孫のミレーユが継いだ。

彼女が後を継ぎ、苦労していることは知っている。


知っていても援助はしていない。

そして、彼女がブランド―に目を付けられていても、何もしていない。


私はいい領主ではない。

ただ、個人的な意思で動く悪徳領主だ。


例え死後、地獄に落ちようともブラッディーベアを討伐する。

それが私が父に誓った呪いだ。


ギルド本部からS級冒険者を常駐させてもらい、これからというときにあの知らせが届いた。

スタンピード。

ブラッディーベア。


ブラッディーベアが起きたという情報を聞き、愕然とした。

ようやく、ようやくだ、全てを捨てて、用意した。

あと一年、あと一年あればブラッディーベアを討伐できると信じていた。

なのに、ここで、壊れるのか。

私は崩れ落ちた。

だが、私はギルドからの知らせを聞き、泣いた。

スタンピード終息、そして、ブラッディーベア討伐。


私は呪いが解けたように、涙を流した。

今まで、泣けなかった分、泣くことが許されなかった分、全て泣いた。

院長を見殺しにし、彼女を見捨て、そして全ての切り捨ててきた人たちに詫びるように泣いた。

すまなかった。すまなかった。すまなかった。


冒険者たちに会ったら、まず、礼を言おう。

そしてそれが終わったら、切り捨ててきた人達に謝りに行こう。

頭を下げよう。貴族がするべきことではないが、まぁ私は悪徳領主だ。

わがままな振る舞いをしてきたのだ、これも私のわがままだ。


side out


ありがとうございました。

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