第11話
本日3作目です。よろしくお願いします。
俺は目の前のモンスターをひたすら倒し続けた。
今まで見たことがない、モンスターばかりで急所がどこか分からなかった。
だからクビだけを切った。急所が分からないから仕方ない。
クビは骨があり上手く切らなければ刃が通らない。
この双剣はスッと肉に入り、骨の隙間を見つけスッと引き抜く、そうすると上手くクビだけ飛ばせる。
だけど気をつけなきゃ。この斬り方はズレると、刃が折れてしまう。早く急所を見つけたい。
後ろはロイが来てくれている。俺よりも高位の冒険者だ。
後ろのことは気にせず、戦える。
俺は彼らを信じ、更にスピードを上げた。
目の前の事にだけ集中出来る。
実にラクだ。
side C級冒険者ロイ
またクビが飛んできた。空から血の雨とクビが降ってくる。
俺達はまだ武器を使っていない。使う必要がない。
目の前のデカイ冒険者が全部倒している。
俺は彼に遊撃を頼んだ。
彼は具体的にどうするのか聞いてきた。
俺はトドメをさしてくれといった。
確かに言ったよ。トドメさせって。
でも、なんか違くねぇ。
今の俺に話す余裕は無い。他もそんな余裕もない。
唯一余裕があるのが、目の前のキッドだ。
キッドが後ろを確認した。
俺達がついて来ているか、心配したんだろう。
ナメるな!先輩冒険者の意地を見せてやるぞ!
俺は笑った。余裕の表情を浮かべてキッドを見返してやった。
そして、キッドが更にスピードを上げた。
俺はそれを見て、引き攣った笑顔を浮かべた。
仲間は俺を見て、殺意が篭った目を向けてきた。
俺に向けるより周りのモンスターに向けろ。
side out
森が見える位置まで来た。
ここまで結構な数のモンスターを倒してきた。
少し双剣の調子が不味いかも、さっきから、クビにを飛ばす際に硬い手応えを感じている。
このままでは殲滅しきれない。
都市には、孤児院には俺を養ってくれる、ミレーユがいる。
将来養ってくれると言ったキールがいる。
リオンやまだ名前も知らない子供達がいる。
まだ、ブランドー商会の件も解決していない。
ここで止まるわけにはいかない。
俺は森の奥から大きな雄叫びを聞いた。
その声でモンスターがもっと大量に森から飛び出してきた。
俺はさっきまでと同じように、双剣を振り抜こうとした、
パキッ
右の双剣から嫌な音がした。
刀身にヒビが入っている。もう使えない。
俺は右の双剣をしまい、ついでに左の双剣をしまった。
双剣は習ったが、片手剣は習っていないので仕方ない。
それにテオが言っていた。武器を失くしたら素手で戦えばいいと。
side C級冒険者ロイ
キッドに必死でついていくと、遠くで大きな雄叫びが聞こえてきた。
ブラッディーベアの声だ。姿が見えないのに雄叫びだけで身縮む。
雄叫びで森から大量のモンスターが飛び出してきた。
キッドが双剣でクビを斬り飛ばした。だが、様子がおかしい。
「キッ、キッド、ど、どうし、たん、だ」
俺は息も絶え絶えで、キッドに聞いた。
「双剣にヒビが入った。これ以上は使えない。」
「な、予備は無いのか?」
「無い。」
キッドの武器の方が先に悲鳴をあげた。
いくらなんでも、これだけの数を斬れば刀身も悪くなる。
もうここまで、3、400体くらいモンスターを倒してきた。
ここで引いても、誰も責めない。責めれる奴がいない。
だから俺はここで、引くことをキッドに提案しようとした。
「キッド、ここは…」
「仕方ない、素手でいく。」
「は?いや素手って、武器が壊れたんだ!ここは引くべきだ。」
「大丈夫だ。問題ない。」
そう言ってキッドは近くに迫ってきた、ブラウンモンキーに素手で攻撃を仕掛けた。
グシャ!
キッドの拳がブラウンモンキーの頭を捉えた。
クビから上がまたヒドイことになっている。
「よし、いけそうだ。」
キッドは手応えに満足したのか、また遊撃役をし始めた。
グシャ、グシャ、バキ、バキ…
モンスターから嫌な音がする。
普段、モンスター討伐の時に俺達も出す音だ。
でも、人の手から出していい音じゃない。
キッドは向かってくる敵は殴る。
空を飛んでいる敵は、地上の敵を蹴り飛ばしてぶつけ、地に落とし、蹴りつぶす。
双剣のときよりもワイルドな戦い方だ。
「やっぱり、必要なくね。俺達。」
俺はそんな言葉を絞り出し、仲間と共にキッドを追った。
side out
素手に切り替え、モンスターを次々と倒していった。
双剣のときよりもこっちの方が合っている。
俺は双剣を使っていたときより早く、モンスターを倒し続けた。
また、森から大きな雄叫びが聞こえた。
さっきより、大きい。近いのかもしれない。
突然、森の方からモンスターが飛んできた。
鳥ではなく、犬が。
俺は飛んできたモンスターを蹴り飛ばした。
モンスターが今まで以上の勢いで、駆けてくる。
俺たちに攻撃するのではなく、生き残るため。
その後ろにいる。
あれがブラッディーベアか。
side C級冒険者ロイ
キッドが素手に切り替えてから双剣の時より、速度が増しだした。
やっぱり俺達必要ないな。
また、ブラッディーベアの雄叫びが聞こえた。
森から出てはこないだろうけど、気を付けるべきだな。
「!!なんだ?」
俺は突然ホワイトドッグが空を飛んでいることに驚いた。
「フン!」
キッドは飛んできたホワイトドッグを蹴り飛ばした。
モンスターに同情するのはどうかと思うが、俺はキッドの蹴りを食らうのだけは勘弁だ。
原型を保つ自信がない。
キッドがモンスターを蹴り飛ばした後、今まで以上の勢いでモンスターが駆けてきた。
「おお!何だ、さっきまでと勢いが違う。ロイ見ろ。何か後ろにいる。」
仲間のアランが俺に後ろを見ろと言ってきた。
「あ、あれは」
「なんで!!」
仲間のイザークとウィルもモンスターが来る方のその先を見た。
「ブ、ブラッディーベア」
俺達は森から出てきた、ブラッディーベアを見つけてしまった。
side out
ありがとうございました。




