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大猪
大猪はこちらを睨みつつ鼻息は荒いが微動だにしない。その体躯は銀の毛並みで覆われていて、立派と言うよりも凶悪な見た目の牙はそれだけで成人男性の身長を優に超えている。
「コレで巨大狼もいれば再現度が高かったんだけどそうはいかないか。人語は解することが出来るのかな」
ボヤきつつも大猪の観察は止めない。
『邪悪なるモノよ、我が領域に何用か問うても』
急ぎ能力を検索するもそれらしき能力が発動している節はなかった。
『返答は如何に』
「別世界から飛ばされたばかりで、丁度いい感じの樹海があったので散歩しながら人里を目指してるだけですよ」
コッソリ【万能鑑定】を使ってみると
【大猪ウスグンベルフ】
齢千二百歳
ウスグンベルフ大樹海の主
賢聖大亥
魔血亥子
旧文明の対神造兵器
無理矢理漢字で表記させているせいか当て字のような表記になってしまっている。
『良かろう邪悪なるモノよ、貴様の言葉に虚偽はなかった』
この大猪物凄く心が広いのかも知れない。




