邂逅
門を通った直後足元が抜け落下し始め、門の向こう側からはヤツの馬鹿笑いが聞こえてきて本当に耳障りで仕方なかった。
落下に身を任せる間に【邪神権能】から【形態変化】を使用、肩甲骨辺りから翼を生やすイメージをし実体化させる。
背中から黒い靄が発生し霧散するまでコンマ一秒かからないとか神の力と言えどチート過ぎやしないか?と思うがヤツの顔を思い返すとそれくらいは問題ないかと思い直す。
生えたばかりの翼は厨二病患者御用達の漆黒の翼だった。恐らく力の元がヤツだからだろうか白い翼を連想したにも関わらずコレになる時点でお察しである。
肩甲骨を動かしてみると連動して動いたので少し羽ばたいてみると空気の抵抗を介さず空中停止をした。
(翼の力で飛んでないぞコレ、魔法か何か?)
そう考えていると周囲の景色一変した。
何処までも広がる青空、遠くに見える宇宙まで続いてるんじゃないかと思える建造物、ちょこちょこと集落のようなモノや城塞都市のようなモノも確認できる。
足元には樹海が広がっていたのでそのまま垂直に降り立つことにした。目立たないことを第一に考えたんだが失敗するとは思いもしなかったと言っておこう。
「漆黒の翼!?貴様、邪なる者共の眷族か!!」
なんでだろうか否定出来ない自分が悲しい。
「衣服すら身に付けないとは程度が知れるぞ低級が!!」
言い訳をすると樹海に降り立ってから【邪神権能】で衣服を製作しようと考えていたんだが、このむさ苦しい人物が知る由もないだろう。
「我が前に顕現したのが運の尽きだ!我が名は勇者パロス!女神アイシア様から賜った聖槍インポテンツマーラの錆となれ!!!」
【畏怖】
対象(範囲指定可)に根源的恐怖を与える
微調整可能
足元に見事に蛙がひっくり返ったポーズをしているのが、自称【女神アイシアから聖槍インポテンツマーラを授かりし勇者パロス】君 (19)だそうだ。




