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副王

壁に掛けてある時計で確認したところ一時間ほどで全て飲み干した。美味いとか不味いとかの問題じゃない。徐々に力を注入される感覚をどう伝えれ良いのだろうか、細胞一つ一つに染み込むと言うと違う気がする。心を侵食された、が一番しっくりするかも知れない。


『お疲れ様でした、異世界の次代を担う新生邪神君』


「誰が邪神だ俺はあくまで人間だ」


心を侵食されたが根本は変わっていないはずだ


『さてそろそろ時間が差し迫っています。ヤツは時間には細かくてね、もう少しルーズに動いても問題ないと思うんですけどね』


構造が全て剥き出しの時計がカチリと動いた


「んでヤツってのは誰なんだよ」


耳障りな音とも言えない何かが騒めいている


『副王様ですよ』


邪神が後ろを指差したので振り返ると入ってきた扉が変わって門になっていた。見た目は石造りの無骨なデザインで5メートル程の門だが近づいてみると細かくヒトの顔や奇妙な生物が彫られているように見える。


『副王の趣味ですよ。気に入った生物の時間を縛って固定し【窮極の門】に貼り付けて遊んでいるのです。ちなみに今回はこの門を抜ければお望みの異世界へすぐに着きますから安心して下さい』


「お前が言う安心は信用しないからな」


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