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名も無き世界 VRMMO編  作者: 有加田 慧条
終幕、其れでも永久に続く物語
22/26

戦闘開始

更新更新ー(^^♪

小説本文 「お兄ちゃん、さっきのことは考えてみるよ。それと、絶対に死なないでね?」

「死ぬか死なないかの保障はできない。まあ、できるだけ努力して――

「それじゃあだめなの!!いい?お兄ちゃんは死にかけることもだめ!!分かった!?」

「お……おう。分かった」


俺は、先ほどのミルシェとの会話を思い出しながら、入り口の左側にあった二階に通じている階段を上る。

気配スキルを全開にしながら、油断なく光のついていない廊下を進む。

そのまま進んでいくと右と左に道が分かれたので、右に進んでいく。

時々左右に通路があったが、そのまま直進して進んでいくといつの間にか、木でできていたはずの床が砂地になっていた。


「まったく気が付かなかったぞ…いったいどうなってんだ」


周りをさっきよりもさらに油断なく見渡し進んでいく。

だからだろう。俺が明らかに不自然な、しかし普通の状態では気づかないであろうかすかな気温の変化と、通路の床に何らかの生き物が歩いたような後に気がついたのは。


「…少し熱い…か?それにこれは、人が通ったのか?」


ゆっくりと進んでいたが、少し足を止める。


「この状況は…いや、まさかな」



あいつらに限ってこんなことはないだろう。

そう思いながら進んでいった俺の目に、直角に曲がっている通路の先から光が差し込んでいるのが映った。

こっそりと通路の角に身を隠し、少しだけ顔をのぞかせる。


見えたのは、幅三十メートルはありそうな洞窟と、その中で燃えている巨大な炎と数十人を下らない亜人族、それらに囲まれたおそらくNPCであろう人々。そして――


「くそっ……どうする……!?」


後ろ手に縛られ、亜人族に囲まれた、今にも炎に投げ込まれそうなミルシェだった。


通路の影から亜人族の集団を観察して突撃のタイミングを図る。

しかし、どう考えても俺一人で対処できる数を超えている。

そこに、直からの念話が入った。


『エデン、今どこにいる?』

「おい直。聞こえるか?今ミルシェがやばいことになってる。すぐにこっちへ向かってくれ!」

『大丈夫だ。お前からは見えないかもしれんが、他の通路の影に隠れてるところだ。一応俺の周りにはフィーネとヒルデがいる。ミストも別の通路で隠れてるみたいだ』


ミストとの念話がつながる。


『これから指示を出すからよく聞いてねー。じゃないと死ぬことになるかもだよー。』


さりげなくやばそうなことを言うミスト。しかし、これでメンバーは全員そろった。

ミストの戦術次第だが、NPCも全員を無事に救い出せるかもしれない。


『まずは、あの生き物は『リザードマン』だねー。レベルはどれくらいか、エデン、分かるー?』

「だいたい十三から十五くらいか。俺たちなら十分勝てるんじゃないか?」

『うーん、そうだといいんですが。基本的にはモンスターがこんなに集まる時は大抵ボスクラスのモンスターがいるはずなんですよ』

「ああ。あの奥でふんぞり返ってる奴か。レベルは大体――って、え?!五十五!?」

『五十五ー?ならエデン、ソロでそいつのタゲ引いててー』

「無茶言うな。お前は俺のことが嫌いなのか?」


紙装甲の俺なら、真正面から一撃食らえば死ねる自信がある。


『他の雑魚を倒してる間は回復役を回せないからな。俺がやっても死ぬだけだ。帆あのメンバーも一人じゃ戦えないだろ。頼む』

「……分かった。やれるだけやってみる」

『ありがとうございます。装備を確認して、これから二十秒後に戦闘開始です』


そういうと、ヒルデ達は念話を切った。しかし、直との念話はつながりっぱなしになっている。


「おい直、まだ念話がつながってるぞ。切ってもいいか」


念話をきるために手を動かしながら、直に話しかけた。


『……なあ。この世界に来てからさ、発作は大丈夫そうか?』


思わぬ直の言葉で、俺の心臓は凍りついた。

直の口調で、俺のことを気遣ってくれているのは分かった。そもそも、直には人の傷を抉る趣味は無いことくらいは知っている。

しかし、その言葉は、俺に少なくないショックを与えた。

俺は必死に平静を装いながら、答える。


「……悪いが、その話は後にしてくれ。今は戦闘に集中したい」

『あ、ああ。悪かったな』

「いや、謝ることは無い」


『突撃ー!!GOGOGOー!!」


ミスとの叫び声を聞いて俺は雑念を追い払い、リザードマンの王らしきモンスターのタゲを取るべく、全力で突撃した。

今日書きあがったので、更新します。

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