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そして、何事もなく時が過ぎ、何事もなく日曜日になった。
日曜日に、なってしまった。
朝10時に駅前に集合ってことになっているけど、なんだか緊張してしまって5時半には目覚めてしまった。恐るべし体内時計。
目覚まし時計、8時に設定してたんだけどなぁ~。
もうパッチリ目が覚めてしまっていて、二度寝は出来そうにないし…。
少し早いけど、準備しよう!
「う~ん」
デニムのジャケットに、ちょっぴりアジアンなワンピースを合わせて、髪をお団子にする。
自分では結構ゆっくりめに準備したつもりが、時計は一向に進んでいない。
まだ、6時すぎか。
とりあえず、リビングに降りて朝食を食べよう。
「あら、早いじゃないの」
お母さんはちょうど、お父さんのお弁当を作っているところで、あまった具を皿に盛っている。
「今日の朝ごはん、これ食べて?」
「分かった」
お母さんは今ダイエットにハマっているらしく、土日は朝ごはんを抜いてサプリメントで済ませるらしい。
「あらぁ?今日おしゃれしてるわね?デート?」
変な含み笑いをしてお母さんは言う。
「そっそんなんじゃないよ!ユカと遊ぶの!」
「ふぅーん。そーお。へぇー」
絶対お母さん信じてない!
「さぁて、陽依がデートだって報告するついでにお父さん起こさないと」
「もー違うってば!」
お母さんはエプロンをほどきながらお母さんは寝室に駆けていった。
弁当のあまり具をテーブルに置いて、レトルトのお味噌汁を作って朝食をいただく。
麦茶を口に運ぼうとした所で、
「ひぃよおぉりぃい」
お父さんの奇声がリビングに轟いた。
涙と鼻水を流しながら、私に抱きついてくるお父さん。
う、お父さん!きもちわるいー。
「お父さん!鼻水!服汚れる!」
慌てて突き放すと、
「服汚れたら陽依はデート行かなくて済む」
となお一層私を強く抱き締めた。
「だから!デートじゃないってば」
「お父さん許さんぞ!陽依には彼氏なんて必要ない!」
「彼氏なんていないってばぁ。ユカと遊びに行くだけなの」
お父さんはやっと私を解放した。
「ほ゛ん゛と゛に゛?」
鼻声で言うお父さん。
「本当!」
本当は、藤井先輩と梶瀬くんも一緒だけどね。
「さっ、あなた仕事に遅れちゃうわ」
タイミングを見計らって、お母さんはお父さんを席につかせた。
過保護というか、深すぎる愛情というか。
困ったことにうちの父は、最強の親バカなんです。
お父さん、普通にしてればそこそこかっこいいのに、私がそばにいるとデレデレ甘々な父親になっちゃうから、ピシッときまっているお父さんあんまり見たことないな。
ちなみに、お父さんは商社のサラリーマン。
お母さんとは、職場恋愛らしい。
お母さん曰く、「働いてるお父さんね、とっても凛々しくて、ベルばらのアンドレみたいに熱くて誠実でモテモテだったわ」らしい。
たとえが古くてイマイチ分からなかったけど。
それから、ご飯を食べ終えた私は、テレビを見たり、雑誌を読んだりして時が経つのをまった。
「陽依、母さん、行ってきまーす」
お父さんが会社へ行った。
お母さんはいそいそと窓を開けて、掃除機を納戸から持ってくる。
「掃除するから、陽依もう行きなさい」
もう行きなさいって、まだ8時半…。
ゆっくり歩いても駅にはずいぶん早く着きそう。
まぁいっか。
私は、自分の部屋に戻って、バックと充電器にささっている携帯を取ると、家をでた。
「行ってきま―す!」
「いってらっしゃい!デート楽しんでね!」
「デートじゃないってばぁ!」




