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非リアから追放され、可愛い四姉妹とのドキドキハラハラな共同生活。ハーレムのようで、ざまあしかないんだけど  作者: ぴこたんすたー
第4章 四つの力が一つの欠片に集まって

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第17話 親父、仕事で忙しいはずなのに何の用事だろう……。

「ふう。とりあえず午前の部は終わりだな」


 昼食時間、無事に午前中のテストを終え、学生食堂で一人ボッチ飯を堪能してると、一匹の野獣、賢司けんじが目を光らせながら、こっちに近付いてくる。


志貴野しきの、隣空いてるか?」


「空いてるも何もテスト期間中、ここにはほとんど人は来ないよ」


「ほおほお。隣の客は牡蠣かきフライ食う客じゃないんだな」


「いや、学生食堂で牡蠣フライはないでしょ?」


 高級なイメージがあって、食中毒にもなりそうなレベルの高い食材を、こんな田舎学園で出してくる方が奇跡だよ。

 未知のミルクだけに……。


「それよりも、テストの結果はどうだったんだ?」


「中の上くらいかな」


 カキフライ定食じゃなく、大盛りチャーハンを食べてる親友相手に、刺し身の盛り合わせのような冗談でやって退ける僕。


「またまた謙遜しちゃって。美人姉妹から色々と上から下までみっちりと、禁断のテクを教わったんだろ」


 どうして前触れもなしに、そのような変なことを喋ってくるのだろう。

 僕には彼が異性を食い散らす、宇宙人みたいな異質の存在に見えてくる。


「それ、何のテクニックだよ」


「カンニングペーパーとかさ」


「僕をヤベエ人認定にしないでよ」


「あの姉妹相手に何も手を出さない方がヤバいだろ。お前さん、ちゃんとモノはついてるか?」


 物のあるなしにテスト中にそんな紙切れを広げて、もしもバレたら進学にも影響が出るかもよ。

 広げるのはレジャーシートで十分だよ。


「何で女性が苦手だけで、男から除外するんだよ」


「いや、俺とは楽しそうに話すし、何だかなと思ってさ」


「勝手に人をオカマちゃん設定にしないでよ。僕だって……」


 男だし、異性に興味が惹かれることもあるよ。

 ただ、その相手が中々、見つからないだけだ……と言いかけて、言葉を濁す。


「だって?」


「……いや、何でもないよ」


「おいおい、言いかけて止めるのかよ」


 このイケメンは恋バナ好きだからね。

 少しでも恋する気持ちを打ち明けたら、次の日はクラス中の生徒から名指しにされて、あっという間にSNSで拡散されて、僕も立派な有名人に……。

 そう想像しただけでも背筋が凍る。


「──あっ、いたいた。志貴野お兄ちゃんー!!」


 ──広い食堂に元気な女の子の声。

 はて、たまたま同じ()()()さん違いかな?

 いや、こっちに向かって、まっすぐ歩いてくるよ!?


「えっ、あんな冴えない男に美少女の妹?」


「赤毛のショートという髪型に、スーパーハツラツとした笑顔が何とも」


「お、オデのおウチに住まないか!!」


 男たちの視線は完全に、その娘の方を向いてるし、ハアハアと荒い息遣いで、自宅に連れこもうとするヤバい反応で、メロンパンをかじってる太っちょもいる。

 オデって主語なのか、名詞か、それすらも判別しない。


 ……というか、ご飯くらい椅子に座って食べてよ。

 テーブルも飾りじゃないんだから……。


「あ、あの、困ります。ハルはただ、忘れ物を届けに来ただけで……」


「忘れ物はオデのハートだろう。恋泥棒!!」


「ちょ、ちょっと……」


 あの娘は春子はるここと、ハルだったのか。

 プライベートで見慣れているから、中学の学生服を着てると別人に見える。

 コスプレじゃなくて、現役の中学生だけど……。


「ハイハイ、野次馬は散った散った!! ハルは樹節きせつくんに用があって来てるんだからね!!」


「ええー、同じ名前違いだろ。あのリアル女子に興味がない、陰キャ二次元オタク目的で!?」


 たまたま食堂にいた秋星あきほのフォローにより、しつこい男たちから救われるハル。


「まあ、色々あるが、頑張れよ」


「陰ながら幸せを応援してるからな」


「は、はあ……」


 男たちは突然穏やかな顔になり、僕の座ってるテーブルに栄養ドリンクやエナドリ、サプリメントの瓶などを置いて去っていく。 

 あのさ、お供え物を貰うとか、全然そんな卑しい気もないし、そのような関係も持ってないから……。


「──お兄ちゃん、テストどうだった?」


「うーん、この手応えだと、学内10位の結果かな」


「へえー、それなら勉強を教わった、お姉ちゃんたちも安心だね」


 ハルが、とびっきりの笑顔で笑いかける。

 そんな悪意のない瞳に、グラっと揺れる僕の良心。


「教わったって、やっぱり」


「そうか、ついにアイツも真の男になったか。うるうる」


「ちょっと、周りうるさいよ!!」


 男たちのたくましい妄想を批判する秋星。

 だからそんなんじゃないから。


「はははっ、怒った三重咲みえさきさんも可愛いな」


「あれ、そういえばさ、あのハルって子と、どことなく顔つきが似てね?」


 似てる、そっくり何たらで、周りがザワザワと騒がしくなってくる。

 これがリアルに炎上というものか。


「何、勝手なこと言ってるのよ」


「ひっ、三重咲の次女じゃないか!?」


「君たちさあ、バカは一回シメないといけないという、三重咲家のしきたり知ってる?」


「わっ、すいませんでしたー!!」


 エビフライ定食をトレーで運ぶ美冬が、ツンツンした表情で男たちを睨むと、尻尾を巻いて逃げ出してしまう。

 まさに子供の喧嘩を止めに来た親のようだね。


「ふう。これで邪魔者はいなくなったわね」


「ありがとう。美冬」


「なーに。これで今朝の喧嘩の件はチャラよ。アタシにとっても歪み合いの姉妹なんて嫌なんだから」


「うん!!」


 あの見た目が強情な美冬が、秋星に謝ってきた。

 姉妹だから、なせる技なのかな。

 でも、嫌いだと思ってた僕のことも受け入れつつあるし、意外と美冬も大人な一面があるのかもね。


「それからハル、いつまでお父様を車で待たせてるのよ? お父様も忙しい身なんだし、要件が済んだらとっとと戻りなさい」


「はい、すみません。美冬お姉ちゃん」


 そうか、ハルは親父の車に乗ってきたのか。

 忘れ物を持ってきた時点で、謎めいていた部分が、一気に解けた気がした。


「それからアンタにも用があって来たのよ」


「えっ? 親父が僕に?」


「そうよ。夏希なつきもすでに下りて待ってるわ。お父様が直々にアタシたちを含めたアンタも呼んでるんだから」


「はあ。面倒だなあ……」


 一体、電話もLI○Eも無しに、俺と姉妹を勢揃いさせて、どんな話をする気なんだ。


 親父、仕事で忙しいはずなのに何の用事だろう……。



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