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52歳のおっさん、異世界転移したら下水道に捨てられた――下水の汚物は宝の山だった  作者: よっしぃ@書籍化


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第55話:新しい命

◆ 陣痛


数週間後――


冬。


グリーンヘイブン。


雪が、降っている。


静かな朝。


伯爵の館。


おっさんとセシリアの部屋。


セシリアが、目を覚ました。


お腹が、痛い。


「……あ……」


おっさんも、目を覚ます。


「セシリア……?」


「どうした……?」


セシリアは、顔をしかめた。


「……お腹が……」


「痛いです……」


おっさん、驚く。


「……陣痛か……!?」


セシリアは、頷いた。


「……たぶん……」


おっさんは、すぐに立ち上がった。


「待ってろ!」


「すぐに、リリアたちを呼ぶ!」


おっさんは、廊下に飛び出した。


大声で、叫ぶ。


「誰か!!」


「セシリアが、陣痛だ!!」


「リリアとエリアスを呼んでくれ!!」


セバスチャンが、駆けつけた。


「了解しました!」


「すぐに!」


セバスチャンは、走った。



数分後――


リリア、真理、エリアスが到着した。


おっさんとセシリアの部屋。


セシリアは、ベッドに横になっている。


痛みに、耐えている。


リリアが、セシリアの手を握った。


「セシリア様、大丈夫ですよ」


「私たちが、ついています」


真理も、セシリアを励ます。


「頑張ってください」


「赤ちゃんが、もうすぐ会えますよ」


エリアスは、祈りを捧げる。


「神よ、この母と子を守りたまえ」


おっさんは、そばにいる。


セシリアの手を、握っている。


「……大丈夫だ……」


「俺が、ついてる……」


セシリアは、涙を流しながら頷いた。


「……はい……」



◆ 出産


数時間後――


陣痛が、強くなった。


セシリアが、叫ぶ。


「……あああ……!」


リリアが、指示を出す。


「もう少しです!」


「頑張って!」


真理も、治癒の力を使う。


セシリアの痛みを、和らげる。


エリアスも、祈り続けている。


おっさんは、セシリアの手を握り続けた。


「……頑張れ……!」


「セシリア……!」


セシリアは、力を振り絞る。


「……うああああ……!!」


そして――


赤ちゃんの泣き声。


「おぎゃあ、おぎゃあ!」


リリアが、赤ちゃんを抱き上げた。


「生まれました!」


「男の子です!」


真理も、涙を流している。


「……良かった……」


エリアスは、感謝の祈りを捧げる。


「神よ、感謝します」


おっさんは、涙を流していた。


「……男の子……」


リリアが、赤ちゃんをおっさんに渡した。


小さな赤ちゃん。


泣いている。


おっさんは、優しく抱きしめた。


「……よく来たな……」


「ようこそ、この世界へ……」


セシリアも、涙を流している。


疲れているが、幸せそう。


「……会えました……」


「私たちの、息子……」


おっさんは、赤ちゃんをセシリアに渡した。


セシリアは、優しく抱きしめる。


「……可愛い……」


「私の、息子……」



◆ 名前


数時間後――


セシリアと赤ちゃんは、眠っていた。


疲れから。


おっさんは、窓の外を見ていた。


雪が、降っている。


美しい。


真理が、そばに来た。


「康太郎さん、おめでとうございます」


おっさんは、微笑んだ。


「……ありがとう、真理……」


真理「名前は、決めましたか?」


おっさんは、頷いた。


「……ああ……」


ひかるだ……」


真理、微笑む。


「……素敵な名前ですね……」


おっさんは、続けた。


「……希望に続く、光……」


「未来を、照らす……」


「そんな子に、育ってほしい……」


真理は、頷いた。


「きっと、そうなりますよ」



◆ お祝い


翌日――


伯爵の館。


広間。


多くの人が、集まっていた。


令嬢たち、若者たち、家臣たち。


ゴードン、リーナ、エリアス、リリア。


みんなが、お祝いに来た。


おっさんが、前に出た。


赤ちゃんを、抱いている。


「みんな、ありがとう」


「昨日、息子が生まれた」


「名前は、ひかるだ」


みんなが、拍手する。


「おめでとうございます!!」


「康太郎様!!」


「セシリア様!!」


令嬢たちが、駆け寄る。


「赤ちゃん、可愛い!!」


「光君、よろしくね!!」


若者たちも、祝福する。


「おめでとうございます!!」


家臣たちも、深く頭を下げる。


セバスチャン「おめでとうございます」


オスカー「素晴らしいですね」


マリア「可愛い赤ちゃんですね」


ゴードンは、おっさんの肩を叩いた。


「おめでとう、康太郎」


「父親として、また一歩成長したな」


おっさんは、微笑んだ。


「……ありがとう、ゴードン……」


リーナも、祝福する。


「コータロー、おめでとう」


「また、家族が増えたわね」


おっさんは、頷いた。


「……ああ……」


「幸せだ……」



希望も、来た。


1歳。


歩けるようになった。


セシリアに手を引かれている。


セシリアは、まだ疲れているが、笑顔。


希望は、赤ちゃんを見た。


「あー、うー」


不思議そう。


おっさんは、希望に優しく言った。


「希望、これがお前の弟だよ」


「光だ」


希望は、赤ちゃんに触れた。


小さな手で。


優しく。


赤ちゃんが、少し笑った。


みんなが、微笑む。


「可愛い……」


「仲良し兄妹ね……」



◆ フィリップ侯爵の訪問


数日後――


フィリップ侯爵が、訪問した。


エリノア侯爵夫人、クラリッサも一緒。


お祝いの品を、持ってきた。


高級な赤ちゃん用の服。


玩具。


おっさんは、出迎えた。


「侯爵様、ようこそ」


フィリップは、豪快に笑った。


「はっはっは!!」


「康太郎殿、おめでとう!!」


「息子が生まれたと聞いて!!」


「駆けつけました!!」


おっさんは、微笑んだ。


「……ありがとうございます……」


エリノアも、祝福する。


「おめでとうございます」


「光君、可愛いですわね」


クラリッサも、喜んでいる。


「赤ちゃん、可愛い!」


「抱っこしてもいいですか?」


セシリアは、微笑んで頷いた。


「……どうぞ……」


クラリッサは、慎重に光を抱いた。


優しく。


「……可愛い……」


「光君、よろしくね……」


光は、クラリッサを見て笑った。


みんなが、微笑む。



◆ 一人の時間


夜。


おっさんは、一人になった。


部屋の隅。


静かな場所。


おっさんは、懐から金属の容器を取り出した。


前の家族の骨が入っている容器。


妻の骨。


息子の骨。


娘の骨。


3人分。


暗殺未遂の時、この容器が心臓を守った。


おっさんは、容器を両手で持った。


目を閉じる。


「……息子、娘……」


「聞いてくれ……」


「お前たちに、弟ができた……」


ひかるっていうんだ……」


「可愛い子だ……」


「希望の弟だ……」


「お前たちの弟でもある……」


おっさんは、涙を流した。


「……妻よ……」


「お前も、聞いてくれ……」


「俺は、今、幸せだ……」


「新しい家族ができた……」


「でも……」


「お前たちのことを、忘れたわけじゃない……」


「お前たちは、俺の心の中で、永遠に生き続けている……」


おっさんは、容器を胸に抱いた。


「……お前は、俺が一人寂しい思いをするのを望んでいないだろう……」


「だから、俺は生きていく……」


「お前たちの分も……」


「新しい家族を、愛していく……」


「でも……」


「俺が死んだら、お前たち3人のことを思い出す人がいなくなる……」


「だから、俺は生き続ける……」


「お前たちを、忘れないために……」


「そして、新しい家族を、守り抜くために……」


おっさんは、静かに泣いた。


涙が、止まらない。


でも――


悲しい涙ではない。


感謝の涙。


決意の涙。



その時――


ドアが、少し開いた。


セシリアが、そこにいた。


光を抱いている。


セシリアは、おっさんの様子を見た。


容器を抱いている姿。


涙を流している姿。


セシリアは、理解した。


(……コウタロウさん……)


(……前の家族に、報告しているんですね……)


セシリアは、静かにドアを閉めた。


邪魔をしない。


でも――


セシリアの目にも、涙があった。


(……優しい人……)


(……前の家族を、忘れていない……)


(……でも、私たちも、愛してくれている……)


(……ありがとう、コウタロウさん……)



◆ 決意


おっさんは、涙を拭いた。


容器を、懐にしまった。


立ち上がる。


窓の外を見た。


雪が、降っている。


美しい。


おっさんは、心に誓った。


(……セシリア……)


(……希望……)


(……光……)


(……お前たちを、何があっても守り抜く……)


(……俺の命に代えても……)


(……これが、俺の使命だ……)


(……前の家族の分も……)


(……今の家族を、幸せにする……)


おっさんは、拳を握りしめた。


決意が、固まった。



◆ 家族の時間


翌朝――


おっさんとセシリアは、部屋にいた。


希望と光も、一緒。


希望は、光のそばで遊んでいる。


優しく、触れている。


「あー、うー」


光も、笑っている。


セシリアは、二人を見守っている。


幸せそう。


おっさんも、そばにいる。


セシリアが、おっさんに言った。


「……コウタロウさん……」


おっさん「ん?」


セシリアは、優しく微笑んだ。


「……昨夜、見てしまいました……」


おっさん、驚く。


「……!」


セシリアは、続けた。


「……前の家族に、報告していたんですね……」


「……光のことを……」


おっさんは、俯いた。


「……ああ……」


「……すまない……」


セシリアは、首を振った。


「……いいえ……」


「……謝らないでください……」


「……それが、コウタロウさんです……」


「……優しくて、家族思いで……」


「……前の家族も、今の家族も……」


「……両方、大切にしてくれる……」


「……そんなコウタロウさんを……」


「……私は、愛しています……」


おっさんは、セシリアを抱きしめた。


「……ありがとう、セシリア……」


「……お前がいてくれて……」


「……本当に、幸せだ……」


セシリアも、おっさんに抱きつく。


「……私も、です……」


二人は、静かに抱き合った。


希望と光が、そばにいる。


幸せな家族。



◆ 住民たちの祝福


数日後――


グリーンヘイブンの広場。


住民たちが、集まっていた。


お祝いの式典。


光の誕生を、祝う。


おっさんとセシリアが、前に出た。


光を、抱いている。


希望も、一緒。


おっさんが、挨拶した。


「みんな、ありがとう」


「息子、光が生まれた」


「これからも、よろしく頼む」


住民たちが、歓声を上げる。


「おめでとうございます!!」


「康太郎様、万歳!!」


「光様、万歳!!」


「希望様、万歳!!」


拍手が、鳴り響く。


盛大な拍手。


おっさんは、微笑んでいる。


セシリアも、幸せそう。


希望は、みんなに手を振っている。


光は、眠っている。


平和な光景。



その後――


お祭りが開かれた。


住民たちが、料理を持ち寄る。


音楽が、流れる。


踊る人たち。


笑う人たち。


みんなが、幸せそう。


おっさんは、セシリアと一緒に見ている。


「……良い街だな……」


セシリアは、頷いた。


「……はい……」


「……みんな、優しいです……」


おっさんは、光を見た。


眠っている。


穏やかな顔。


(……この子たちが、大きくなる頃……)


(……この街は、もっと良くなっているだろう……)


(……平和で、幸せな街に……)


(……それが、俺の目標だ……)



グリーンヘイブン。


新しい命が、生まれた。


光。


希望の弟。


おっさんとセシリアの息子。


家族が、増えた。


幸せが、増えた。


おっさんの物語は、続く。



(次回:第56話「循環と愛」に続く)

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