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蒼の瞳の騎士 紅の瞳の姫君  作者: 黒猫キッド
第2章・異世界召喚編
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46・どうしようかと不安にならず

 何とか六日目の投稿や!

 零華達、桜花学園2‐Aの三十名が居る訓練場と呼んだグラウンドは、牢屋から脱出し逃げている途中、偶然見つけた場所であり、その作りから此処の兵士達の訓練場と判断し、先程そう告げたのであった。

「ねえ零華…本当に一人で戦うつもりなの?」

 理奈が心配そうに尋ねる。先程の宣言通り、一騎打ちを行うのだが、その相手は零華が行うのであった。

「そうだよ。武器を持っているのは、僕だけだからね」

 零華の言うとおり、三十名中武器を持っているのは、途中で兵士から失敬した剣を持つ零華だけである。その為自然の流れで零華が行う事になった。尤も此れは零華が言い出した事であり、誰かに押し付けられた訳ではない。

「でも態々一人で危険な事を…どうせなら全員で戦った方が良いんじゃない?」

「それだと相手側も同じ事をしてくるよ。その場合人数差でこっちの負けだ」

「でも…」

「よせ、理奈」

 其処にシエラが口を挟んだ。

「男が皆を守る為に戦うというなら、それを見届けるのが筋じゃ…お主も武術を学んでいるなら、男の真剣勝負に口を挟むのは無粋というは分かるじゃろう?」

 シエラに己の空手の事を混じられた事を言われ、理奈は何も言えなくなってしまう。

「ありがとう、シエラ」

 自分の意思を尊重してくれた事に、零華は礼を言う。

「なに…まあお主の場合、男ではなく、見た目は女子だがの…」

「最後は余計! 僕は男だ!」

 何時ものお約束を返し、クラス全員から笑い声が響き渡る。

「! お出ましの様だな」

 孝明が言うと、大勢の足音が聞こえてきた。やがて数名の兵士を連れた、兵士より立場が上の様に見える男性‐ユリアン‐が現れた。

「アイツ、さっき牢屋に来た男だ」

 修兵がユリアンを見て言った。ユリアンは零華達を見回した。その際に零華の事を少しだけ見た。恐らく先程は居なかった子供だと気付いたのであろう。

「先程の奇妙な虫から聞こえた声は…誰だ?」

 奇妙な虫…ドローンの事だと気付いた零華は、一歩前に出た。

「あの声は僕です」

「君が…」

 何となく零華は、今までの経験から、あの男性(ユリアン)は、自分を『女の子』だと思っていると、容易に想像してしまう。

「俺はエグ・マリン王国騎士団・四番隊隊長のユリアン・シンノ。先程一騎打ちを申し込んで来たが…本当にやる気か?」

「ええ…そうしないと、僕達の身の安全は保障出来ませんから」

「…そうか…分かった応じよう…お前達は下がれ」

 ユリアンは部下の兵士に指示し下がらせる。

「皆、下がってて」

 零華もそう告げると、クラスメートは後ろに下がる。理奈は心配そうに零華を見つめる。

「では一騎打ちを始めよう…その前に、君の名前は?」

 ユリアンに言われ、零華は自分の名前を名乗っていない事に気付いた。

「…零華…広橋 零華です…」

「! ヒロハシ…? 何処かで聞いた様な…?」

「?」

 ユリアンの反応に、零華は頭の上に?を浮かべる。この世界では今まで一度も名乗っていない為、自分の名字は知らない筈なのだが…。

「いや…何でもない…では始めようか!」

 ユリアンはそう言うと、腰に帯びた剣を抜き、それを見た零華も剣を抜いて、左手に持った。


 いよいよ一騎打ちの始まりや…でもユリアン、何で零華の名字に反応したんやろ…?

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