20・最後の日常 1
遅れましたが、PⅤ1500突破、おおきに!
「んんっ…?」
朝日を浴びて零華は目を覚ました。机に伏して寝てしまったらしく、起きた場所は
リビングのテーブルであった。
「解読してて、寝落ちしちゃったみたい…結局分からなかったなぁ…」
あの後も零華は、ノートを調べ続けたが、とうとう文字を解読する事は出来なかった。
「今何時だろ…」
そう言ってスマホを確認する零華…時間は何時もなら登校する時間であった。そして理奈から、『先に行くよ』というLINEと何通かのメールもあった。
「嘘!? もうこんな時間!?」
零華は慌てて立ち上がって、自室へと向かう。
少ししてバタバタと音を立てて、右目に布を巻きながら、制服に着替えてカバンを持った零華がやって来た。
「ああもうっ! ご飯食べてる時間が無い!」
そう言うと零華は、買い溜めしていた菓子パンを無造作に掴み、カバンに押し込んだ。
「ああそうだ! 昨夜の解読で教科書とかも使ったんだ!」
更に机の上にあった教科書や、謎のノートも纏めてカバンに入れた…その際に解読の時に聴いていた、音楽プレーヤーまで入れてしまったが、慌てた零華は気付かない。
「ちょっと散らかっているけど、帰ってから片付けよう」
バタバタしていた為に、床には色々と散らかってしまった。
「じゃあお父さん、お母さん。行ってきます!」
零華はそう写真の両親に挨拶して出かけて行った…零華は思わなかっただろう…まさか暫くこの家に帰れないとは…。
※ ※
「ふぅ…ふぅ…」
何とか零華は遅刻せずに、教室に着く事が出来た。口には菓子パンが咥えられており、登校途中で食べ始めたのであった。
教室に入ると、理奈が気付いてやって来た。
「零華、遅かったじゃない。寝坊したの?」
「ふぐぅ…ぐぅぐぅ…」
パンを咥えたまま喋る零華。
「いやそれじゃ、何言っているか分からない…零華、天然? 一昔前の漫画のドジな女の子?…」
呆れた理奈に言われると、零華は口からパンを取って、言い返す。
「夜中に起きて、その結果寝坊したんだよ…それから、僕は男だ!」
説明しつつ、お約束を言い返す零華。
席に着くと、修兵がやって来た。
「零華ギリギリだったな」
それに対して零華は、パンを食べ終えて応じる。
「まあね。流石に焦ったよ」
「まあそれは良いとして…お前の所にも、あのメール来たか?」
修兵に突然何か話題を振られ、一瞬零華は分からなかった。
「メール…? ああ、あの『異世界に行かない』とかって、イタメール? 僕の所にも来たよ。修兵の所にも来たでしょ?」
昨夜、修兵が速攻で返信していた事を知っていた為、零華はそう返した。
「ああ! 実はそのメール、何とクラス全員に送られているんだぜ?」
「ええっ? そういえばあのメール、クラス全員に送ったって書いてあったね…修兵が送ったんじゃないの? 修兵そういうの好きじゃない?」
「俺じゃねぇよ…寧ろ俺は、お前じゃないかと思ったぞ? クラス全員に確認したら、誰も送ってないって返すし、あとはお前だけだったんだ」
「僕じゃないよ…まあ、クラスの誰かって事は、確かだろうけど…」
そう話していると、やがて担任がやって来て、HRが始まった。この日は三十人全員が出席していた。
また今日も、何時もと同じ日常が始まる…零華はそう考えていたが…これが最後だとは、零華はおろか、2‐Aのクラスメイト誰一人として、思っていなかった。
そろそろ…行きますかな。
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