30.輝く星空と紫とピンク
雷が鳴らなくなって、輝く星空と月が顔を出していた。
月明りを避けて、ランドビーとポールトはコットンの視界に入らないように足音を立てず、静かにコットンの首を狙っていた。
しかし、コットンには10騎の護衛がついており、コットンの首を狙うのは厳しいと2人は考えていた。
加えて、コットンがニットに注目しているとはいえ、ニットとコットンの距離が離れているため、コットンに隙がある状態ではなかった。
だから、ランドビーとポールトはコットンの首をいつでも狙える位置に移動して、タイミングを伺っていた。
しかし、コットンと護衛兵には全くバレなかった。
なぜなら、幼少期から息を潜めて、動物を狩ってきた。
その自然と身についた能力があるからだ。
そこにとんでもないスピードで現れたニット……
——ここだ
2人は目を合わし、頷いて、輝く星空に2人の少年が高く飛び上がり、2騎の護衛を飛び越え、コットンの首に剣を振った
——ブシュザシュ
2人が復讐心を込めて振った剣は
コットンの首……………には届かなかった
——こいつら
コットンの背後に位置どっていた護衛兵が体を投げ出して、コットンを突き飛ばし、コットンの身を守った
¬——完全に隙をついたのに……
護衛兵はランドビーとポールトの振るった剣がつきささり、致命傷を負い、コットンを庇った勢いで、護衛兵と馬が雪崩のように倒れる。
ランドビーとポールトも高く飛び上がった勢いそのまま、同じく雪崩のように転んだ。
——なにごと?!
コットンはニットにトドメを刺そうとしていたのに何かによっていきなり突き飛ばされ、地面に顔がついている状況を理解することができない。
——想定外 今は逃げるしかない
コットンは弓を拾って、すぐさま立ち上がる。
護衛兵と馬の上に、ひっくり返ったランドビーとポールトがのしかかっている。
ランドビーとポールトはひっくり返った体制を整える。
——急げコットンの首をはやく
ランドビーとポールトは護衛兵の防具に突き刺さった剣を抜き、コットンの方を見た。
ランドビー、ポールト、コットンが顔を見合った。
「こいつもう立ちやがった。いくぞポールト」
「フルトム隊長の仇は俺らがうつ」
「チビはこんなところにいてはいけませんよ~~」
コットンは制服に着いた土を払い、状況を理解した。
——このチビたち、高く飛んで私の首を狙いやがった。
月明りに照らされた3人の戦いの火蓋が今切られようとしていた
ヘルビンチームの増援に来たB1隊1万とヘルビンについてきたB1、B2隊員は奮闘していた。
相手はA隊ナンバー3のシエであるが、カオスな戦場となっているため、シエの力を最小限に食い止めることができた。
ヘルビンがこのカオスな戦場を抜けて、コットンとガリオラに焦点を切り替えたことは得策であった。
特に、後からついてきたB2隊が奮闘していた。
「ほんとにこのカオスな戦場いつ終わるの……早く終わろうぜ」
B2隊の男がヘロヘロな状態でA隊隊員と戦いながら言った。
「"あいつ"を殺さないとこの戦争に来た意味がない」
B2隊の高身長で褐色肌、そして銀髪の20代前半の女が殺気のある声を漏らす。
「っく、そうだな復讐しないとこの戦争は終われないな……」
「早く"あいつ"を……」
「あと、もうちょっとで抜けられそうだけどな」
「私だけでも……"あいつ"の所へ行かせて……」
「仕方ないな……俺がお前を投げてやるよ」
「へ……?」
「ここから投げたらギリ外に出れそうだぜ。健闘を祈る。」
そう言って、B2隊の男はB2隊の高身長の女を投げ飛ばした。
男の言った通り、高身長の女はカオスの戦場をギリギリ外に出ることが出来た。
「ありがとーーーー!!」
女は大声で叫び、走り出した。
「さあ、私についてこれるかなおチビちゃ~~ん」
そう言った直後、突如コットンはランドビーとポールトに背を向けて、真っ暗闇の平原が広がる地を全速力で走り出した。
「!?」
ポールトはコットンの意外な行動と想像以上の速さに驚いた。
「!?追うぞ!!」
ランドビーは意表を突かれたが、すぐさまコットンを追いかける。
ポールトもコットンを追いかけた。
「ランドビー矢がいつ飛んでくるか分からんぞ」
「コットンだって、俺らがどこにいるか見えにくいだろ」
「それでも気を付けろ」
——シュッ
「あっぶね」
コットンの矢がランドビーの肩に掠った。
「警戒しろって……大丈夫か?」
ポールトはランドビーの右肩をみて、軽く叫んだ。
「大丈夫だって……それよりあの野郎速すぎる」
コットンはランドビーとポールトより少し速い速度で走り、矢を放って、少し追いつかれ、また距離を離す。
ランドビーとポールトにとってはこのまま走り続けても、なんのメリットもない。
——あのチビ、この私についてくるのウザイ
体力お化けかよ
チビで矢もなかなか当たらないし……
もう少し明かりのあるところへ……
"あいつら"もそろそろ来るからちょうどいい
コットンは松明の光があるヘルビンやA隊ナンバー3のシエが戦っている戦場から距離を取ろうとしていたが、考えを変えて、外に膨らみながら方向転換をして、戦場の方向へ向かう。
「くっそ……コットンの野郎方向転換しやがった」
「光の方へ行くんじゃね?先回りしようぜ」
「それだ!ポールト」
ランドビーとポールトはコットンの視界から外れるように逆方向に膨らみながら、先回りをする。
——ん?見失った……逃げたか?
ちょっと目を離した隙に……
チビが調子こくんじゃないよ……
とりあえず、光の方へ……
コットンはヘルビンとガリオラの戦場に近づき、ガリオラの陣地に向かう。
さっきの暗闇よりかは少しだけ明るい。
——あのチビ……ほんとに逃げたのか?
私を背後から仕留めようとしたチビだぞ
この私が気付かなったのだから……
「そろそろ来るよね~~」
コットンは後ろに振り返り、背後に目を向けた
すると、ランドビーとポールトがもの凄い勢いで迫ってきていた
「アッタリ〜〜」
「バレたぞランドビー!!」
「突っ込むしかないだろ!!ここで潰す!!」
止まることなく、ランドビーとポールトは突っ込む。
「これでおしまいよ~~」
距離は追いかけまわされていた時より近く、コットンにとって、2人は格好の的である。
——シュッシュッ
3本の矢をランドビーとポールトに向かって、2連続で放つ
「——矢が飛んでくることなんて当たり前に読んでたぜ」
ランドビーは得意げに言って、高く飛び上がった
ポールトも同じく空高く飛び上がる
「………………っくっぐは」
「っぐはぐはっげほげほ」
ランドビーは両足に2本の矢が突き刺さる。
ポールトはランドビーを庇ったため、横腹に1本の矢と両足に2本の矢が突き刺さった。
そして、2人は足に矢が突き刺さったため、着地ができず、体で地面に着地し、地面に横たわった。
「——飛ぶなんてバレバレだよ~~
私を背後から殺そうとした時も飛んだでしょ~~
でも、君たち思ったより飛ぶんだね~~」
綺麗に輝く星空と紫とピンクが混ざった色の目がランドビーとポールトを見下ろした。
エピソード.30輝く星空と紫とピンクを最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
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