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私だけのモノ  作者: 綾小路隼人
イタリア編

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44/53

忍び寄る影

時刻は10時32分。

いつもなら2人とも寝ている時間だが、彼女達は眠気を我慢して身支度を整えていた。早い話が、狩りの準備。

この時間なら暗くて見つかりにくい上にターゲットを絞りやすいのではという沙樹の提案からである。


ロープを持ち、山を降りた2人はターゲットを探し始めた。

昼間と比べて流石に人は少なく、淡いオレンジ色の街灯だけが辺りを照らしている。

それでも人肉が必ず手に入ると信じ、京子はひたすら沙樹の背中を追いかけていた。



探し歩くこと10分。

重なり合う影を掻き分けていく中、2人はターゲットを発見した。

それは、泥酔して地面に寝転がっている1人の青年だった。

服は嘔吐物に塗れ、モデル並の端正な顔は酒気のさめない赤色を帯びている。

しめたと言わんばかりの表情を浮かべた沙樹は彼に近寄り、そっと寄り添った。


「※◇♂×△……」


何やら沙樹に話しかけているようだが呂律は回っておらず、夢の世界に旅立つ一歩手前の状態だったのだが、狩る事が目的である沙樹にはそんな事はどうでも良かった。

むしろまともに歩く事も話す事もできない分、殺すのに好都合なのだろう。

彼女はロープを手に取ると青年の首にそれを括りつけ、喉を思い切り締め上げた。

青年は突然の窒息で悶え始め、幼虫のように身を(よじ)らせたがその抵抗もまったくと言っていいほど意味がなく、3分経過する頃には充電が切れたように動かなくなった。


沙樹の成すがままとなり、アルコールの臭いが残った若い男の死体。

首のロープをほどき、締めた痕跡を彼の髪の毛で隠すと、京子と2人で抱えて山へと戻った。

知らない人から見たら爆睡しているようにしか見えない為、万が一通りすがりの人に見つかっても怪しまれる事は無かった。

まさか上品そうな美少女2人が、男を殺して運んでるとは夢にも思っていないのだから……。

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